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マンション売却

ローン

2023.05.31
マンションの売却を考えている方の中には、「住宅ローンが残っているとマンションを売却できないのではないか」と不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。この記事では、住宅ローンが残っているマンションの売却を検討されている方に向けて、売却の可否と知っておきたい注意点について説明します。また住宅ローン残債の確認方法についても詳しくご紹介していきます。 住宅ローンが残っていてもマンション売却はできるの? 結論から申し上げますと、住宅ローンが残っているマンションであっても売却は可能です。 ただし、住宅ローンが残っているマンションには抵当権が登記されています。抵当権とは、住宅ローンの融資を実行した金融機関が、住宅ローン返済が滞った際にマンションなどの不動産を競売にかけて融資回収を行うことができる権利です。 この抵当権が残っているマンションを売却してはいけないという規制はありません。つまり、抵当権が残っている状態でも、売却して引き渡すことも可能です。しかし、買主からすれば他人の抵当権が残っていて、場合によっては競売にかけられるリスクがあるマンションを望む人は極めて少ないでしょう。そのため、少なくとも引き渡しの際には抵当権を抹消しておくのが一般的です。 また、住宅ローンが残っている状態は、以下のアンダーローンとオーバーローンに分けられます。どちらに当たるかによって、マンション売却の注意点は変わってきます。ご自身が所有するマンションの状態を確認しておきましょう。 アンダーローンとは アンダーローンとは、住宅ローン残高がマンションの価格を下回っている状態です。つまり、住宅ローン残高をマンションの売却額で完済し、抵当権を抹消できる状態といえます。 オーバーローンとは オーバーローンとは、住宅ローン残高がマンションの価格を上回っている状態です。つまり、住宅ローン残高をマンションの売却額だけで完済することができない状態です。抵当権を抹消するためには、ローン残債の返済資金が必要となります。 住宅ローンが残っているマンション売却の注意点 住宅ローンが残っている状態、アンダーローンとオーバーローンに分けて、住宅ローンが残っているマンション売却の注意点をご説明します。 アンダーローンの場合 アンダーローンの場合、先ほど説明したように住宅ローン残高をマンションの売却額で完済できる状態です。そのため、マンションに住宅ローンが残っていても売却に際して、大きな問題はありません。 ただし、住み替え物件の購入金額にマンションの売却額の一部を充てる資金計画にしているなど、マンション売却の期限が決まっている場合には注意が必要です。期限を気にするあまりに、マンションを売り急いでしまうと、購入検討者から足元を見られて値下げ交渉を持ちかけられる可能性もあります。その結果、想定より低い金額での売却となる場合もあります。 オーバーローンの場合 オーバーローンの場合、先ほど説明したように住宅ローン残高をマンションの売却額だけで完済することができない状態です。オーバーローンの場合でも、以下の3つの方法で、住宅ローンが残っているマンションを売却できます。 売却額と自己資金で住宅ローンを完済する マンションの売却益と預貯金などの自己資金で、住宅ローンを完済できれば抵当権を抹消できます。住み替えを検討している場合、購入物件のみならず、売却するマンションの抵当権抹消のためにも預貯金などの資産を支出することになるため、無理のない資金計画になっているかどうかを入念に確認しておく必要があります。 住み替えローンを活用する 住み替えローンとは、住み替えのための物件購入額と、マンションの売却額を充てても残ってしまった住宅ローン残債の合計額を借り入れることができるローンのことをいいます。 住み替えのための物件購入額だけの借り入れよりもローンの金額が大きくなるため、金融機関による審査も厳しいといえます。収入や資産状況によっては、誰でも活用できる方法とはいえない点には注意が必要です。 任意売却を活用する 任意売却とは、債権者(住宅ローンを融資した金融機関)の同意の上で、住宅ローンの残っている不動産を市場で売却することをいいます。任意売却の場合は、売却によって住宅ローンを完済できない場合でも、債権者の同意が得られれば抵当権を抹消してもらえます。なお、残っている住宅ローンは任意整理によって、分割して返済していくのが一般的です。任意売却を活用する場合、実績豊富な交渉力の強い不動産会社を選ぶ必要があります。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却のタイミングとは?大原則とコツを解説 ローン残債を確認してみよう アンダーローンとオーバーローンのどちらの状態にあるかを把握するためには、まず、現在、住宅ローンがどれくらい残っているか(ローン残債)を確認する必要があります。ここでは、口ーン残債の確認方法をご紹介します。 返済予定表 住宅ローンを契約した際に発行される返済予定表を確認してみましょう。金融機関によっては、Webサイトで確認できる場合もあります。手元にない場合には、金融機関に問い合わせて再発行してもらうのもよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎知っておきたいマンション売却にかかるお金のこと 確定申告用の残高証明書 確定申告用の残高証明書は、住宅ローンを借り入れている金融機関から送付されてくるもので、住宅ローンの年末残高が記載されています。月ごとの細かな残高は把握できませんが、おおよその残額を確認できます。 金融機関の窓口 返済予定表や確定申告用の残高証明書が手元に見当たらないときには、金融機関の窓口やお客さまサービスセンターなどに問い合わせてみましょう。 ローン残高と物件の相場価格を確認すれば、アンダーローン、オーバーローンのいずれの状態にあるかをおおむね把握できます。しかし、実際には立地や間取り、築年数、マンション規模など諸条件によって売却できる価格は異なります。より具体的な状況把握をするためには、マンションの価格査定を依頼するのが望ましいといえます。複数の不動産会社に一括して依頼できるサイトやAIを活用した査定など、手軽に査定依頼を行えるサービスがありますので、活用して信頼できる不動産会社を探してみましょう。 まとめ 住宅ローンが残っていてもマンションの売却は可能です。ただし抵当権を抹消した上で、引き渡しを行う必要があります。 マンションの売却額だけで住宅ローンを完済できる状態であるどうかを判断するために、売却を検討しているマンションがアンダーローン、オーバーローンのいずれの状態にあるかを把握しておかなければなりません。まずは 「売却を検討しているマンションに、どれくらい住宅ローンが残っているのか」「マンションがどれくらいの価格で売却できるのか」を確認して、現状把握を行いましょう。オーバーローンの場合に住み替えを検討する際には、ローン残債をどのような方法で完済するのかも含めて、じっくりと住み替えの資金計画を考える必要があります。 とはいえ、その検討を一人で行うには限界もあるでしょう。マンション売却や資金繰りに親身に相談に応じてくれるパートナーとなってくれる不動産会社を選ぶことも、住宅ローンが残っているマンション売却を成功させるために大切な要素です。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

オーナーチェンジ

マンション売却

2023.05.30
本記事では、入居者がいる投資用マンションを売却したい方向けに、オーナーチェンジの概要と売却の流れ、評価基準、メリット・デメリットをお伝えします。その上で、オーナーチェンジ物件の売却で失敗しないためのさまざまなポイントについて解説していきます。 オーナーチェンジでのマンション売却とは オーナーチェンジでのマンション売却とはどのようなものなのでしょうか。ここではその概要と流れについて解説します。 オーナーチェンジ物件の概要 オーナーチェンジとは、賃借人(部屋を借りている人)がいる物件を売却することです。物件のオーナー(所有者)が変わるので、オーナーチェンジと呼ばれています。前オーナーから物件を購入した新しいオーナーは、前オーナーと賃借人の間に結ばれていた賃貸借契約を引き継ぐことになります。 オーナーチェンジの売却価格の主な査定基準は、収益還元法です。一般的な住宅の売却の場合、取引事例比較法が用いられます。取引事例比較法とは、対象物件と似た条件の過去の不動産取引を参考に査定価格を算出する方法です。 しかしオーナーチェンジ物件は投資物件であり、売却する相手は不動産投資家です。投資の目的は、どの程度もうけられるかが評価基準となるため、収益還元法が用いられます。収益還元法は、その物件が将来にわたってどのくらいの収益を上げることができるのかを計算する評価方法で、直接還元法とDCF法という2通りの計算方法があります。個人の不動産投資の場面では簡易に計算できる直接還元法がよく用いられます。 直接還元法は、「一年間の収益/還元利回り」で求められます。還元利回りは、類似物件の平均的な利回りのようなものと考えてください。 オーナーチェンジ物件の売却の流れ オーナーチェンジ物件の売却の流れは、基本的には居住用物件と変わりません。 (1)不動産会社に仲介を依頼する 仲介を依頼する不動産会社は、投資用マンションの売買を専門に取り扱っている不動産会社がよいでしょう。 (2)仲介会社を選んで媒介契約を結ぶ 査定結果をもとに仲介会社を選び、媒介契約を結びます。 (3)販売活動を行い、売買契約を結ぶ 仲介会社が物件の販売活動を行います。一般の居住用住宅の売却と異なり、賃貸人が生活している部屋には入れないため、内見対応はありません。購入希望者が出て、売買条件が合えば、売買契約を結びます。 (4)決済・引き渡し 売買契約後、売主・買主双方の都合を合わせて、決済と物件の引き渡しを行います。オーナーチェンジ物件には入居者がいるため、登記上の所有者が変更されるという意味での引き渡しとなります。新規のオーナーは、賃貸借契約を引き継ぎます。 オーナーチェンジでのマンションの売却のメリット・デメリット ここからはオーナーチェンジのマンションを売却する上でのメリットとデメリットについて解説します。詳細は下記で詳しく解説しますが、オーナーチェンジではなく、空室の状態の方が売却しやすいといえます。 オーナーチェンジでのマンションの売却のメリット ・売却まで家賃収入が入る マンションはいつ売却できるのかわかりません。空室の状態であれば、毎月の管理費・修繕積立金の支払いと年ごとの固定資産税の支払いで収支はマイナスです。オーナーチェンジ(賃貸中)の状態であれば、売却期間中も家賃収入を得ることができます。 ・入居者の退去を待たずに売却ができる オーナーチェンジでの売却なら、入居者が入った状態での売却であるため、入居者の退去を待つことや、売却のための退去を入居者にお願いする必要もありません。 オーナーチェンジでのマンションの売却のデメリット ・空室の状態より売却価格が安くなる オーナーチェンジのマンションは空室の状態より売却価格が安くなります。空室であれば、居住用物件としても売却できますが、オーナーチェンジ物件は収益性を求められるためです。通常の居住用物件の場合、購入希望者は金利が安くて返済期間が長い住宅ローンを利用するため、販売価格が多少高くても売却することができます。 オーナーチェンジ物件の場合、購入者は投資家なので、収益性の高い物件、つまり販売価格が低く、家賃が高い物件でないと売れないため、空室の状態より売却価格が安くなる可能性があります。 ・買手が投資家に限定される オーナーチェンジ物件は買手が投資家に限定される点もデメリットです。なぜなら自己居住目的で家を探している人の数と不動産投資家の数では、投資家の人数の方が少ないためです。買手となる投資家の絶対数が少ないため、売却できるチャンスも少なくなります。 オーナーチェンジでのマンションの売却の注意点 ここからは、オーナーチェンジのマンションを売却する際の注意点について解説していきます。 オーナーチェンジ物件の売却が得意な不動産会社に仲介依頼する オーナーチェンジ物件を売却する場合は、収益物件を専門に扱っている不動産会社を選んで仲介を依頼すべきです。不動産会社選びのための査定依頼は、オンラインの査定サービスがおすすめです。オンライン査定であれば、AI査定や匿名査定、一括査定などのさまざまな便利なサービスをオンライン上で利用できます。査定額の根拠がしっかりしていて、こちらの連絡質問に対して誠実な対応をする会社を選びましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! 売却価格の設定は利回りを高めに設定する 中古マンションの投資家向けの売却となるため、売却価格を下げることで利回りをある程度高く設定する必要があります。マンションのエリア、築年数、間取りなどにもよりますが、利回りの目安となる10%は確保するべきです。 購入希望者は投資家なので、収益性が高い(=利回りが高い)物件を求めます。利回りは下記の計算式で求められます。 表面利回り=年間家賃÷販売価格×100 ※表面利回りは、税金や諸経費などを考慮しない利回りのこと 例えば家賃10万円利回り10%の場合、下記の式のように計算され、販売価格は1,200万円です。 利回り10%=(10万円×12ヵ月)/販売価格 販売価格=10%/120万円=1,200万円 同じ物件を2,400万円で売ろうとすると、利回りは5%となり、投資家向けの売却は難しくなります。 立ち退き交渉は必ずうまくいくとは限らない オーナーチェンジではなく空室で売却するためには、現在の入居者と立ち退き交渉を行う必要があります。家主には入居者の意思に反して退去を強制する権利はありません。 立ち退き交渉の際は、退去料を支払うのが一般的です。退去料に決まりはありませんが、新居に移るための諸費用(引っ越し代、新居の敷金、新居の仲介手数料など)を支払うのが一般的です。退去料はケースバイケースですが、家賃の6カ月分が相場です。 交渉のタイミングとしては、賃貸契約更新時期の半年〜1年ほど前から、入居者に退去のお願いをするとよいでしょう。ただし、入居者の同意が得られない可能性もある点は留意しましょう。 不動産業者の買取も検討すべき オーナーチェンジ物件の売却は、上述した通り、価格設定が難しく、かといって退去交渉も簡単に行えるものではないという問題があります。売却相手である投資家は、居住用物件の購入者よりも見る目が厳しく、収益性を高めるために低い金額の購入希望額を提示するケースも多いようです。 スムーズに早急に売却したい場合には、不動産会社による買取も検討してもよいでしょう。買取は市場価格よりも低い金額での売却になるデメリットがあります。しかし、買取であれば、売却先がすでに決まっているので、退去交渉など面倒な交渉事もなく、スピーディーに売却が可能です。また、不動産買取業者との直接買取であれば仲介手数料も不要であること、さらに残置物の撤去やリフォームする必要がないことも買取のメリットです。 まとめ オーナーチェンジのマンションの売却には、空室よりも販売価格が低い、売却先が投資家に限られており売却のチャンスが少ないなどのデメリットも多くあります。可能であれば、退去交渉を行い空室の状態にして売却した方が売却価格も高くなります。面倒な手続きを避けて売却したいのであれば、買取もおすすめです。本記事がオーナーチェンジ物件の売却で悩まれている方々の助けになれば幸いです。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

マンション売却

2023.05.29
「マンションの売却を進めているのに、一向に買主が決まらない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。売れないマンションの特徴や、マンションには問題がないのに売れない理由についてなど、知らない方も多いかもしれません。この記事では、マンション売却に苦戦している方に向けて、売れないマンションの特徴をご紹介するとともに、売るための対策についてもご説明していきます。 売れないマンションの特徴とは? 売れないマンションには、以下のような特徴があります。所有されるマンションに共通点がないかを確認してみましょう。 築年数が需要と合っていない 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の「年報マーケットウォッチ2020年度中古マンションの築年帯別状況[首都圏]」によると、築年数が30年超のマンションの成約比率は2010年に16.0%でしたが、2021年は27.5%と大幅に増加しています。築古マンションに注目が集まっている背景には、高性能なマンションが増えたことや、リフォームやリノベーションという選択肢が増えたことなどがあると考えられます。逆に築15年までの比較的新しい物件や、大規模修繕の予定が直前に迫る築25~30年までの物件の人気は縮小傾向にあり、売れない要因となっています。 管理費や修繕積立金が高い 管理費や修繕積立金が高すぎるのも、売れないマンションの特徴といえます。周辺のマンションと比べて、管理費や修繕積立金が相場程度なのかを確認してみましょう。また、適切な修繕計画が立てられており、将来、大規模修繕が行われる際に、大きな負担が生じる計画になっていないかも合わせて確認しておきたいポイントです。 人気のないエリアに立地している 利便性が悪かったり、災害に弱かったりと一般的に購入検討者から敬遠されるエリアにマンションが立地しているのも売れないマンションの特徴です。一般的には利便性が悪くても購入検討者にとっては利便性が高い(職場が近隣など)場合もありますし、防災対策が講じてある可能性もあるでしょう。どのような人に需要があるマンションなのか、ターゲットを改めて再確認したり、マンションに対する不安を払拭する強みをアピールできているかを見直したり、今からできることを考えてみましょう。 売り出し価格が高すぎる 査定依頼をして、納得のいく説明も受けないままに査定価格の高さに飛びついて不動産会社を選んでしまうと、適正価格よりも高い売り出し価格で売却活動をスタートしてしまう可能性があります。値下げ交渉を見越して、戦略的に少し高めに売り出し価格を設定するのは問題ありませんが、高すぎるのは売れない原因になります。売り出し価格の根拠や近隣エリアの相場観について、不動産会社に説明を求めてみるとよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎より高く!より早く!マンション売却のコツとは? マンションには問題がないのに売れない場合がある? ここまで売れないマンションの特徴についてご紹介しましたが、マンションには問題がないのに売れない場合もあることを知っておきましょう。 不動産会社が積極的でない 不動産会社が、買主を探すのに積極的ではない可能性があります。不動産会社は、どこも同じではありません。賃貸と売買のどちらが得意か、強みとするエリアがあるなど、不動産会社ごとに得手不得手があります。所有するマンションの立地エリアの売買に強みを持っていない不動産会社に売却を依頼しても、得意分野でないために積極的に動いてもらえない可能性があります。 また、媒介契約には3類型ありますが、一般媒介契約は、買主を見つけて成約に至った不動産会社以外は一銭も報酬を得ることはできません。そのため、あまり積極的に売却のサポートをしてもらえない可能性があります。媒介契約は、他の不動産会社に重ねて依頼ができない専任媒介契約、または専属専任媒介契約を選択する方が望ましいでしょう。 参考記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! 内覧の対応が不十分 内覧の申し込みは入るけど、その後につながらないというケースは、内覧の対応が不十分という可能性があります。居住中マンションの売却を進める場合、生活感をゼロにするのは不可能です。しかし、いずれ引っ越しをするわけですから断捨離を進めたり、清掃を行ったりするなど、購入検討者のイメージを少しでも良くする努力や工夫は必要です。また、居住中のマンションでない場合には、生活イメージができるようにホームステージング(モデルルームのように室内を整えること)を施すなどの演出も有効です。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却の内覧のコツとは?内覧の印象を上げるポイントと注意点を解説 時期が悪い マンションの購入需要が高まるのは、2~3月ごろです。4月は進学、就職などを機に新生活がスタートする時期なので、その前にマンションを購入しようと考える人が多くなるようです。買主は一人いればいいわけですが、より多くの購入検討者の目に留まれば、売れる可能性は高まります。売れない場合には、タイミングを見て、再度売り出しをスタートさせるのも一案です。 また、同じマンション内に売り出し中の物件があるときも時期が悪いです。価格で比較されてしまう可能性があるからです。所有するマンションの強みを整理し、その強みをアピールできているかどうかを確認しておきましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却にベストな時期はある?時期を決める3つの要素と売却タイミングをご紹介 3ヵ月以上売れないときは見極めのとき マンションに原因があったとしても、3ヵ月以上売れない状態が続くときは、以下のポイントを確認しておきましょう。 不動産会社の検討 不動産会社が、所有するマンションのエリアでの売買に強みを持っているのかどうか、確認をしてみましょう。エリアと売買に強みを持っていない不動産会社の場合は、売却を依頼する不動産会社を変更するのも一案です。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却で不動産会社を変更すべき?タイミングとリスクを解説 媒介契約の検討 前段でも触れましたが、媒介契約を一般媒介契約で締結している場合は、専任媒介契約か専属専任媒介契約への変更を検討してみましょう。それぞれの類型には、以下のような特徴があります。いずれも、契約の有効期間は最長3カ月です。 【専任媒介契約】 ・他の不動産会社に重ねて媒介契約を依頼することができない。 ・売主が買主を見つけて契約することもできる。 ・不動産会社には2週間に1度以上の報告義務がある。 【専属専任媒介契約】 ・他の不動産会社に重ねて媒介契約を依頼することができない。 ・売主が買主を見つけて契約することはできない。 ・不動産会社には1週間に1度以上の報告義務がある。 広告費の検討 不動産会社は、売り出し中の物件の広告宣伝を行ってくれます。より多くの広告宣伝を行い、多くの人の目に触れてほしいと考える場合には、別途広告費を支払う必要があります。マンションの売却がなかなか進まない場合には、不動産会社に相談して広告費を検討するのもよいでしょう。 業者買取の検討 さまざまな対策を講じてもマンションが売れない場合には、業者買取を活用するのもの方法です。買取金額は相場価格を下回る可能性がありますが、売却期限が決まっているのであれば、マンションを現金化できる有効な方法といえるでしょう。また、長期間売れないままにしておくと購入検討者から勝手にネガティブな憶測をされてさらに売れなくなる可能性もありますし、売主としても「ずっと売れないのではないか」と不安は高まるばかりです。マンションが売れないときには、業者買取の可否も含めて、今後の対応を不動産会社に相談してみるとよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎古いマンションは買取が便利?買取のメリット・デメリットを解説 ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! まとめ いざマンションを売り出してみても、なかなか買主が決まらないと不安になるものです。特に、住み替えを検討しているなど、売却期限が決まっているときには、その不安はより強くなるでしょう。 所有するマンションの強みと弱みを整理して、アピールポイントやフォローポイントをどのようなターゲットに向けて訴求していくのかを整理しておくことが、まずは大切なことです。 その上で、売却活動をスタートさせても3ヵ月以上売れない場合、不動産会社任せにして不安を募らせても始まりません。売主として、売れない理由を見極めて、戦略を考える姿勢を持つことも大切です。信頼できる不動産会社と二人三脚で、業者買取の選択肢も頭に入れながら、マンションの売却を進めていきましょう。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

マンション売却

離婚

2023.05.28
離婚の際にはマンション売却をするべきでしょうか。本記事では、離婚でマンションを売るべきか住み続けるか迷っている方向けに、マンションを売却するメリット・デメリットと注意点を解説します。結論からいえば、売却した方がよいケースが多いようです。その理由についても記事内で詳しく解説していきます。 住宅ローンが残っている場合のマンション売却方法 ここでは、住宅ローンが残っている場合の、マンション売却の方法について解説します。マンション売却時には、住宅ローン残債が大きく影響します。 マンション売却で住宅ローンを完済できるケース 売却するマンションの資産価値より、ローン残債が少ない状態をアンダーローンといいます。資産価値は、売却した場合の予想売却価格で、不動産会社の査定結果などで判断します。アンダーローンであれば、マンション売却で得た代金で住宅ローンを完済できるので、問題なく売却できます。 アンダーローンのマンションは離婚時の財産分与の対象となります。例えばマンション売却の価格が3,000万円、ローン残債が2,000万円、売却にかかった諸経費が200万円の場合、差額は800万円となり、夫と妻それぞれに1/2ずつ(400万円ずつ)財産分与するのが一般的です。 マンション売却しても住宅ローンが残るケース オーバーローンとは、不動産の資産価値よりローン残債が多い状態のことです。オーバーローンの場合、差額を自己資金で払うか、任意売却として売却前にローン債権者(金融機関)の承諾を得た上で、残債の返済方法を分割支払いなどにできるか相談する必要があります。 オーバーローンの場合、マンションの価値はマイナスとなるので、法的には財産分与の対象とはなりません。実際には、可能であれば財産分与の対象となる預貯金から売却によるマイナス分を相殺する、売却後の債務をいずれか一方が引き受ける、などといった調整方法がとられます。任意売却後の債務の取り扱いは、ベストの解決方法というものはなく、個別の経済状況に照らし合わせて、ケースバイケースで判断します。 関連記事はこちら ▶︎住宅ローンが残っていたらマンション売却は難しい? 離婚でマンション売却するメリット・デメリット 最初に結論をいえば、離婚時にはマンション売却がおすすめです。ここからは、離婚でマンション売却するメリット・デメリットについてお伝えしていきます。 離婚でマンション売却するメリット ・公平に財産分与可能 マンションという不動産は、現金などと異なり、半分ずつ分けることはできません。マンション売却によってマンションの価値を現金に換えることができます。売却で得た金額を半分ずつ公平に財産分与できる点が、マンション売却の最も大きなメリットです。 ・離婚後の住宅ローン滞納など将来のリスクを回避できる 離婚時のマンションの取り扱いでよくあるケースが、住宅ローン名義人である夫が離婚後も住宅ローンの支払いを続け、妻と子どもがそのままマンションに住み続けるというものです。一見合理的に感じますが、住宅ローンが滞納されるケースが多いようです。 マンションを売却することで、将来的に起こり得る住宅ローン滞納などのさまざまなリスクを回避することができます。 離婚でマンション売却するデメリット ・これまでの生活環境を変える必要がある これまで住んでいたマンションを売却するため、当然ですがそのまま住み続けることはできず、引っ越しすることになります。離婚という家族構成の変化に加えて、住む場所という生活環境が変わる点はデメリットといえます。 離婚時のマンション売却でよくあるトラブルと対処法 ここからは、離婚時のマンション売却でよくあるトラブルと対処法について解説していきます。 マンション売却は贈与税が発生しないように離婚後に速やかに行う マンション売却のタイミングは、離婚後に速やかに行うべきです。離婚前にマンションを売却して分配すると、たとえ夫婦間であっても分配を受けた配偶者に贈与税が発生します。財産分与では原則として贈与税は発生しません。また離婚後、一定期間がたつと一方と連絡が取れなくなり、マンション売却を進められないというケースも多く見られます。離婚後の財産分与の請求は2年以内なので、離婚後速やかに売却するのが理想です。 住宅ローンの名義人変更は難しい 一般的に住宅ローンの名義人は夫のケースが多いようです。離婚後も妻がマンションに住み続けようとしても、夫から妻への住宅ローンの名義人変更は基本的には難しいといえます。住宅ローンの審査ではローンを組む人の年収・年齢などを考慮しているため、妻への名義変更は基本的にできないと考えた方がよいでしょう。 また上述した通り、離婚後に夫が住宅ローンの負担をして、妻がマンションに住み続けるのはリスクが高いので、トラブル回避のためには離婚時はマンション売却した方がよいでしょう。 売却期間が長引くと周囲に理由を詮索されるリスクがある マンションの売却期間が長引くと、周囲にマンション売却が周知され、マンション内で理由を詮索されるなどのリスクもあります。特に子どもがいる場合、精神的な影響も考慮する必要があるでしょう。離婚が決まってから一緒に住み続けるのは精神的ストレスになります。なかなか売却できない場合は、価格を下げることや、後述する買取なども検討すべきでしょう。 なかなか売却できないなら買取も検討する 離婚によるマンション売却活動を行っても、なかなか売却できないなら、買取専門の不動産会社による買取も検討するべきでしょう。 買取の場合、市場価格より低い売却金額になるデメリットはありますが、買主を見つける必要がないため、1カ月程度でマンションの売買が成立します。買取は、離婚後の財産分与を速やかに行うための有効な手段といえるでしょう。 また、買取は、不動産会社が買主となり直接取引ができれば、仲介手数料が発生しないこともあります。 さらに、残置物の撤去やリフォームの必要がないといったメリットもあります。 関連記事はこちら ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! ▶︎マンション買取は損?注意点、失敗事例、成功させるためのポイントを解説 ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします まとめ 離婚におけるマンション売却は、住宅ローンの残債と、財産分与をどうするかという、厄介な問題があります。住宅ローンがある場合、名義変更は難しく、住み続ける場合は将来的なリスクがあるため、離婚時にはマンション売却した方がよいといえるでしょう。本記事が離婚時のマンション売却の参考になれば幸いです。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

マンション売却

2023.05.27
マンション売却活動中でも、仲介を依頼している不動産会社の変更は可能です。この記事では不動産会社を変更すべきか検討している人向けに、不動産会社の変更タイミングとリスクについて解説します。 不動産会社の変更を検討すべきタイミング ここでは、マンション売却の際に、不動産会社の変更を検討すべきタイミングについて解説していきます。 囲い込みなどの不正な対応を行った 囲い込みとは、マンションなどの不動産の仲介を依頼された不動産会社が、「両手仲介」を目的に、販売中の物件情報を他の不動産会社に伝えない行為のことです。両手仲介は、売主と買主双方の仲介を行うことで、双方からの仲介手数料を得ることができます。 具体的な囲い込みの方法としては、REINSへの未登録、他の不動産会社からの物件問い合 わせに対して、販売中であるにもかかわらず 「商談中」 「担当者が不在である」などと嘘をつくといった行為があります。 仲介契約が専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、全国の不動産会社が不動産情報を共有できるネットワークであるREINSへの登録が義務であり、怠ると宅建業法違反となります。 REINSの登録については、REINS登録後に業者から提供される「登録証明書」をもとに、記載されているインターネットURLから確認できます。 囲い込みは、知り合いの不動産会社に、売却中の物件について仲介会社に問い合わせしてもらうなどしないと、なかなか発見が難しいといえます。しかし、そのような不正があった場合は、一般的に売主は媒介契約の終了期間を待たずに契約解除することができます。 不動産会社が義務を怠っている 仲介契約が専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、REINSへの登録義務と、売主に対する定期的な報告義務があります。報告の頻度は、専任媒介であれば2週間に1回以上、専属専任媒介であれば1週間に1回以上と定められています。 国土交通省の標準媒介契約約款に従った場合、報告義務を果たしていない場合は、売主は媒介契約の終了期間を待たずに契約解除できます。 契約期間が終了する 一番よくあるパターンで一番迷うケースが、不動産会社に特別な問題がない中で、契約期間が終了するタイミングです。 専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、契約期間は最長3ヵ月で自動更新はありません。 不動産会社に不正や悪質な行為はなくとも、仲介活動に問題はないものの、内見の数が少ない、今後の売却についての意見を持っていない状況は、変更を検討するタイミングといえます。担当者の熱意や努力が感じられなかったり、今後の売却プランが明確でなかったりする場合は、更新せずに新しい不動産会社を探した方がよいかもしれません。 しかし契約更新をするか、他の不動産会社に変更するかを決める前に、一度不動産会社の担当者と話し合うべきでしょう。 また、市場相場に準じた適正な売却価格を設定しているかどうかは、契約更新か不動産会社変更かを決める前に、改めて確認しておくべきでしょう。 不動産会社の変更による違約金などのリスク ここでは、 不動産会社の変更による違約金などのリスクについて解説します。 契約中に別の会社で売買成立させたら違約金が発生 一般的な媒介契約では、マンションなど不動産の売却の仲介を(専属)専任媒介契約で依頼していて、媒介契約期間中に別の不動産会社の仲介で売買を成立させた場合、違約金の対象となります。 国土交通省の標準媒介契約約款に従うと、違約金の上限は約定報酬額(売買が成立した場合その仲介手数料の金額)となります。 売却価格が400万円以上の場合は、売却価格×3%+6万円+消費税です。 契約期間中の一方的な解除は実費請求される可能性 不動産会社の活動に落ち度がなく、売主の自己都合による媒介契約期間中の途中解除の場合、それまでの広告費用などの実費を請求される可能性があります。 実際には、自己都合による契約解除でも実費請求がなされることはそう多くありませんが、その可能性があることは留意しておきましょう。 一般媒介契約でも明示型だと費用償還請求のリスクがある 一般媒介契約には、他にどの不動産会社と契約を結んでいるのかを不動産会社に伝える明示型と伝えない非明示型の2通りがあります。 専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合と異なり、一般媒介契約ならいつでも解除できます。 しかし一般媒介契約が 「明示型」で、明示していない場合は、広告費などを実費請求される可能性もあります。 このケースも実際には請求される可能性は低いのですが、契約上、不動産会社に請求権があるかどうか確認しておきましょう。 新しい不動産会社の選び方 ここからは、新しい不動産会社の選び方について解説します。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! 担当者が誠実か 新しい不動産会社を選ぶ際、不動産会社の担当者が誠実であるかがとても重要です。 担当者は不動産の売却活動の全般を担います。担当者の印象が悪ければ、購入希望者が受ける印象も悪いと予測できます。具体的には、こちらの質問に誤魔化さずにきちんと答える、不動産に関する知識が深い、メールや電話の応答が早いなどがポイントとなります。 査定価格は妥当か 仲介を依頼する不動産会社からの査定価格はとても重要です。不動産会社によっては、媒介契約を得るために相場よりも高めの査定価格を出す会社もあります。 査定価格が妥当かは、日本全国の成約価格などの取引情報が載っているREINSマーケットインフォメーションや不動産ポータルサイトなどで、市場相場を知ることで判断できます。 インターネットを活用している 不動産ポータルサイトを複数活用するなどインターネットによる販売活動を積極的に行っている会社を選ぶべきです。現在、新しいマンションや戸建てを購入したいと考えている人のほとんどは、インターネットのポータルサイトを利用します。不動産会社によっては、レインズへの登録のみで、あとは自社のHPに掲載するだけというところもあります。 多くのポータルサイトへの掲載を行う、自社HP自体のアクセス数が多いなど、インターネ ットを活用している不動産会社を選ぶべきでしょう。 まとめ マンション売却の際に、不動産会社の変更のタイミングとしては、不動産会社に不正や悪質な囲い込みといった問題行為があった場合が一つです。また販売活動に努力が見られなかったり、今後の見通しが不透明であったりする場合も変更のタイミングといえます。 不動産会社に非がない場合に、媒介契約を解除すると、実費請求される可能性があるので注意が必要です。実際に違約金が発生するタイミングや金額については、媒介契約書を確認してください。 変更後の不動産会社は、担当者が誠実で、査定価格の根拠もあり、インターネットを有効に活用している不動産会社を選びましょう。本記事が、不動産会社の変更を検討する上でお役に立てれば幸いです。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

マンション売却

2023.05.26
「マンションの売却は大変」とよくいわれますが、その理由は何でしょうか。この記事では、マンションの売却が大変であるといわれる主な理由と、その対策について解説していきます。 マンションの売却が大変な理由①いつ売れるかわからない マンションの売却が大変な理由として、「いつ売れるかわからない」ことがまず挙げられます。ここからは、いつ売れるかわからないという状況について詳しくみていきます。 マンションの売却にかかる期間は3カ月から1年 マンションの売却にかかる期間は、短くて3カ月、長いと1年以上になることもあります。 公益財団法人東日本不動産流通機構が発表している「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」における2011年から2020年までのデータによると、中古マンションの情報が同機構に登録されてから成約に至るまでの日数は、2015年は65.5日(約2.2カ月)、2020年は88.3日(約3カ月)と幅があります。 これは登録から成約までの日数なので、不動産会社探しから媒介契約を経て登録に至るまでの期間と、売買契約の成約から引き渡しまでの期間を考えると、プラス2カ月ほどはみておく必要があります。これからマンションを売却しようと考えている人は、4カ月から半年程度はみておくべきでしょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却までの平均期間は?最新データと早期売却のコツをご紹介 ▶︎マンション売却を最短で行うコツとは?誰でもできる3つのポイントをご紹介 いつ売れるかわからないから住み替えが進まない マンションの住み替えには、マンションを売却してから新居を購入する「売り先行」と、新居を購入してから元のマンションを売却する「買い先行」の2通りの方法があります。 売り先行の場合、マンションの売却ができないと、新居の購入・引っ越しが進まないことになります。また、買い先行の場合も、元のマンションが売れるまで元のマンションと新居の2つのローン(ダブルローン)を支払わなければならず、負担が大きい状態が続きます。 関連記事はこちら ▶︎マンション住み替えを大変にする要素とは?失敗しないためのポイントをご紹介 いつ売れるかわからないから不安が大きい もう1つ、マンションの売却で大変なのが、いつ売れるかわからないことからくる不安やプレッシャーです。 マンションを売却する人の多くが、本当に買手がつくのかという不安を抱えたまま、売却活動を続けます。また、マンションの売却活動では、買手がついて引き渡しが終わるまでは気が抜けません。 そのような不安を完全になくすのは難しいことです。「マンション売却は数カ月間もの長丁場になるのだから、不安になって当然だ」とあらかじめ覚悟した上で、内覧の数などを確認しながら不動産会社と相談し、状況に応じて価格調整などを行っていきましょう。 マンションの売却が大変な理由②マンション売却に慣れていない マンションの売却が大変な理由として、マンション売却に慣れていないことも挙げられます。ここでは、売却に慣れていないことでどのような問題が出てくるか解説します。 マンション売却のために何をどうすればよいのかわからない 多くの人にとって、マンション売却は初めての経験です。不動産会社探しや物件の価格設定、さまざまな書類の準備など、初めてのことばかりで、どう進めればよいのかわからないという大変さがあります。 マンションを売却しようと考えるタイミングは、出産や転勤など、ライフスタイルが変化する時期が多いものです。そのため、引っ越しの期日などが事前に決まっているというケースも少なくありません。慣れない作業をしなければならない上に、期限が差し迫ってくるという焦りが加わり、余計に混乱してしまいます。 不動産会社の良し悪しがわからず大変 不動産を売却する際は、通常、不動産会社に売却の仲介を依頼します。マンションの売却に慣れていないと、売却のパートナーとなる不動産会社をどのように選べばよいのか、また選んだ会社がよい会社なのかどうかわからないという問題が発生します。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! ▶︎マンション売却で不動産会社を変更すべき?タイミングとリスクを解説 マンションの内覧希望者への対応が大変 居住中のマンションを売却する場合、内覧希望者への対応も大変です。内覧時には在宅していなければならないため、相手の都合に合わせて時間を調整・確保する必要があります。また、内覧希望者は1組とは限らないため、申込が多い場合には毎週のように内覧希望者への対応に追われることもあります。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却の内覧のコツとは?内覧の印象を上げるポイントと注意点を解説 マンションの売却を大変にしないための対策 ここまで、マンションの売却に関する大変さについて解説してきました。ここからは、マンションの売却を大変にしないための対策について解説していきます。 オンライン査定サイトを利用する マンション売却の重要なパートナーとなる不動産会社選びについては、複数の会社に査定を依頼し、その中から自分に合った会社を選ぶのがセオリーです。しかし、複数の不動産会社にそれぞれ電話やメールで査定を依頼していては、時間と手間がかかります。不動産会社への査定依頼には、オンライン査定サイトを利用すると効率的です。 オンライン査定サイトなら、サイト上から売却予定のマンションの地域や間取り、築年数などの情報と自分自身のメールアドレスや電話番号などの連絡先を入力するだけで、簡単に自分のマンションの査定金額を確認することができます。 オンライン査定サイトには、AIによる査定で査定結果がすぐにわかるAI査定サイトや、匿名で不動産会社にマンションの査定依頼ができる匿名査定のサイト、複数の不動産会社に一括で査定依頼をかけられる一括査定サイトなどさまざまな便利なサイトがあります。自分の状況に合ったサイトを利用するとよいでしょう。 住み替えの場合は新居への引っ越しを先に行う マンションの住み替えの場合、買い先行にして新居を先に購入し、引っ越しをしておけば、内覧希望者への対応のために時間を調整する必要はなくなります。先に新居への引っ越しができれば、空室になった売却予定のマンションの内覧への対応は仲介会社に任せることができます。 実績があり信頼できる不動産会社を選ぶ マンションの売却活動においては、募集広告の作成、ポータルサイトへの情報掲載や購入希望者への対応、内覧の調整、売買契約から引き渡しまでの段取りなど、不動産会社の存在が極めて大きいといえます。 マンション売却の実績があり信頼できる不動産会社を選ぶことで、マンション売却の大変さを軽減できます。ポイントとしては、マンション売却の実績が豊富であること、市場価格と比較して妥当な査定価格であること、電話・メールのレスポンスの速さ、質問への誠実な対応などが挙げられます。 買取も検討する マンション売却の最も大きな不安は、買手がいつ見つかるかわからないという点です。特に、引っ越しまでの期限が決まっている場合には精神的に大きなプレッシャーを感じるものです。売却の見通しがつかない場合、また、期限内に必ず売却する必要がある場合には、不動産会社に買い取ってもらうことも検討してみるべきでしょう。 買取の場合、売却価格が一般市場よりも下がるデメリットはありますが、確実に売却できる、売買契約から引き渡し(売却完了)までの期間が1カ月以内とスピーディーであるなど、多くのメリットがあります。買取価格の相場を知るためにも、買取を視野に入れてもよいでしょう。また、仲介会社を介さずに買取会社に買取を依頼する場合は、仲介手数料がかからないというメリットもあります。 参考記事はこちら ▶︎マンション買取は損?注意点、失敗事例、成功させるためのポイントを解説 ▶︎マンション買取のデメリットとは?通常の仲介との違いや業者選びのポイントを解説 まとめ マンションの売却はいろいろと大変です。普段は不動産取引とは無縁という人がほとんどであり、さまざまな慣れない作業を行う必要がある上、売却の見通しがつかないと精神的にも大変な状況が続きます。 マンションの売却活動を大変にしないためにも、一括査定サイトなどの便利なサービスを利用する、信頼できる不動産会社を選ぶなどの対策を講じましょう。早めの売却、確実な売却が必要であれば、不動産会社による買取も選択肢の1つになり得ます。本記事が、マンション売却の大変さを軽減する手助けになれば幸いです。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。