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2023.05.27

マンション売却

マンション売却で不動産会社を変更すべき?タイミングとリスクを解説

マンション売却活動中でも、仲介を依頼している不動産会社の変更は可能です。この記事では不動産会社を変更すべきか検討している人向けに、不動産会社の変更タイミングとリスクについて解説します。

不動産会社の変更を検討すべきタイミング

ここでは、マンション売却の際に、不動産会社の変更を検討すべきタイミングについて解説していきます。

囲い込みなどの不正な対応を行った

囲い込みとは、マンションなどの不動産の仲介を依頼された不動産会社が、「両手仲介」を目的に、販売中の物件情報を他の不動産会社に伝えない行為のことです。両手仲介は、売主と買主双方の仲介を行うことで、双方からの仲介手数料を得ることができます。
具体的な囲い込みの方法としては、REINSへの未登録、他の不動産会社からの物件問い合 わせに対して、販売中であるにもかかわらず 「商談中」 「担当者が不在である」などと嘘をつくといった行為があります。
仲介契約が専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、全国の不動産会社が不動産情報を共有できるネットワークであるREINSへの登録が義務であり、怠ると宅建業法違反となります。
REINSの登録については、REINS登録後に業者から提供される「登録証明書」をもとに、記載されているインターネットURLから確認できます。
囲い込みは、知り合いの不動産会社に、売却中の物件について仲介会社に問い合わせしてもらうなどしないと、なかなか発見が難しいといえます。しかし、そのような不正があった場合は、一般的に売主は媒介契約の終了期間を待たずに契約解除することができます。

不動産会社が義務を怠っている

仲介契約が専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、REINSへの登録義務と、売主に対する定期的な報告義務があります。報告の頻度は、専任媒介であれば2週間に1回以上、専属専任媒介であれば1週間に1回以上と定められています。
国土交通省の標準媒介契約約款に従った場合、報告義務を果たしていない場合は、売主は媒介契約の終了期間を待たずに契約解除できます。

契約期間が終了する

一番よくあるパターンで一番迷うケースが、不動産会社に特別な問題がない中で、契約期間が終了するタイミングです。
専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合、契約期間は最長3ヵ月で自動更新はありません。
不動産会社に不正や悪質な行為はなくとも、仲介活動に問題はないものの、内見の数が少ない、今後の売却についての意見を持っていない状況は、変更を検討するタイミングといえます。担当者の熱意や努力が感じられなかったり、今後の売却プランが明確でなかったりする場合は、更新せずに新しい不動産会社を探した方がよいかもしれません。
しかし契約更新をするか、他の不動産会社に変更するかを決める前に、一度不動産会社の担当者と話し合うべきでしょう。
また、市場相場に準じた適正な売却価格を設定しているかどうかは、契約更新か不動産会社変更かを決める前に、改めて確認しておくべきでしょう。

不動産会社の変更による違約金などのリスク

ここでは、 不動産会社の変更による違約金などのリスクについて解説します。

契約中に別の会社で売買成立させたら違約金が発生

一般的な媒介契約では、マンションなど不動産の売却の仲介を(専属)専任媒介契約で依頼していて、媒介契約期間中に別の不動産会社の仲介で売買を成立させた場合、違約金の対象となります。
国土交通省の標準媒介契約約款に従うと、違約金の上限は約定報酬額(売買が成立した場合その仲介手数料の金額)となります。
売却価格が400万円以上の場合は、売却価格×3%+6万円+消費税です。

契約期間中の一方的な解除は実費請求される可能性

不動産会社の活動に落ち度がなく、売主の自己都合による媒介契約期間中の途中解除の場合、それまでの広告費用などの実費を請求される可能性があります。
実際には、自己都合による契約解除でも実費請求がなされることはそう多くありませんが、その可能性があることは留意しておきましょう。

一般媒介契約でも明示型だと費用償還請求のリスクがある

一般媒介契約には、他にどの不動産会社と契約を結んでいるのかを不動産会社に伝える明示型と伝えない非明示型の2通りがあります。
専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合と異なり、一般媒介契約ならいつでも解除できます。
しかし一般媒介契約が 「明示型」で、明示していない場合は、広告費などを実費請求される可能性もあります。
このケースも実際には請求される可能性は低いのですが、契約上、不動産会社に請求権があるかどうか確認しておきましょう。

新しい不動産会社の選び方

ここからは、新しい不動産会社の選び方について解説します。

関連記事はこちら
▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説!

担当者が誠実か

新しい不動産会社を選ぶ際、不動産会社の担当者が誠実であるかがとても重要です。
担当者は不動産の売却活動の全般を担います。担当者の印象が悪ければ、購入希望者が受ける印象も悪いと予測できます。具体的には、こちらの質問に誤魔化さずにきちんと答える、不動産に関する知識が深い、メールや電話の応答が早いなどがポイントとなります。

査定価格は妥当か

仲介を依頼する不動産会社からの査定価格はとても重要です。不動産会社によっては、媒介契約を得るために相場よりも高めの査定価格を出す会社もあります。
査定価格が妥当かは、日本全国の成約価格などの取引情報が載っているREINSマーケットインフォメーションや不動産ポータルサイトなどで、市場相場を知ることで判断できます。

インターネットを活用している

不動産ポータルサイトを複数活用するなどインターネットによる販売活動を積極的に行っている会社を選ぶべきです。現在、新しいマンションや戸建てを購入したいと考えている人のほとんどは、インターネットのポータルサイトを利用します。不動産会社によっては、レインズへの登録のみで、あとは自社のHPに掲載するだけというところもあります。
多くのポータルサイトへの掲載を行う、自社HP自体のアクセス数が多いなど、インターネ ットを活用している不動産会社を選ぶべきでしょう。

まとめ

マンション売却の際に、不動産会社の変更のタイミングとしては、不動産会社に不正や悪質な囲い込みといった問題行為があった場合が一つです。また販売活動に努力が見られなかったり、今後の見通しが不透明であったりする場合も変更のタイミングといえます。
不動産会社に非がない場合に、媒介契約を解除すると、実費請求される可能性があるので注意が必要です。実際に違約金が発生するタイミングや金額については、媒介契約書を確認してください。
変更後の不動産会社は、担当者が誠実で、査定価格の根拠もあり、インターネットを有効に活用している不動産会社を選びましょう。本記事が、不動産会社の変更を検討する上でお役に立てれば幸いです。

監修者:キムラミキ

ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

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