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住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説

マンション売却

2022.10.19
住まなくなったマンションを売却するか賃貸に出すかは、簡単に決めてよい事柄ではありません。売却や賃貸に関する知識が不足していると、得られるはずの利益を失ってしまったり、住宅ローンの一括返済を迫られてしまったりする可能性もあります。この記事では、マンションを売却するか賃貸に出すか、迷っている人に向けて、売却・賃貸双方のメリット・デメリットを解説します。その上で、売却か賃貸の判断基準をお伝えします。 マンションを売却するメリット・デメリット マンションを売却した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。 マンションを売却するメリット マンションを売却する大きなメリットとしては、一度に大きな金額が手元に入ることです。住宅ローンがまだ残っている場合は、売却価格から住宅ローンの残債と売却の諸経費を差し引いた残りの金額が手元に残ります。 また当然ですが、マンション売却後は管理が不要となるため、マンションにかかる維持費がかからなくなります。マンションは所有しているだけで月々の管理費・修繕積立金の支払いが発生しますし、毎年の固定資産税や都市計画税の支払いも必要です。 そして自己居住用のマンションを売却して利益が出た場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用できる可能性があります。この特例は、売却して得た利益(譲渡所得)を3,000万円まで控除できるというものです。つまり、マンションを売却して出た利益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税を支払う必要はなくなります。ただし、この控除を使ってマンションを売却し、住宅ローンで新居を購入した場合、年末の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できる「住宅ローン控除」は、併用できない点には注意が必要です。 マンションを売却するデメリット マンションを売却するデメリットとしてまず挙げられるのは、いつ売却できるのかわからないという点です。通常のマンション売却の流れは、まず不動産会社に売却予定のマンションの査定を依頼し、仲介を依頼する不動産会社を選んで媒介契約を結び、ポータルサイトへの掲載、そして内見対応などの販売活動を経て、売買契約を結び、その後に代金の決済とマンションの引き渡しを行って、売却完了となります。マンション売却の流れは上記の通りですが、マンションが実際にいつ売れるのかは、誰にもわかりません。早く確実に売却したい場合は、不動産会社による買取も検討してもよいでしょう。 もう一つのデメリットとしては、自分の希望する売却価格で売却できるとは限らないことです。住宅ローンの残債がある場合は、住宅ローンの残債以上の金額で売却できることを希望することが多いですが、売却価格はマンションの築年数やエリア、状態などのマンション側の要因のほか、売却希望者の購入希望額にも左右されるため、売主側の希望する金額で売れるとは限りません。 関連記事はこちら ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! マンションを賃貸するメリット・デメリット マンションを賃貸に出した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。 マンションを賃貸するメリット マンションを賃貸するメリットとしては、まず家賃収入が得られることです。毎月の定期収入は経済的な魅力があります。次に、マンションを賃貸に出した場合、将来的に自分で住む選択肢も確保できる点です。将来的に住む予定があるが、しばらくは住まない場合は、賃貸に出した方がよいでしょう。ただ通常の賃貸契約で賃貸に出すと、賃借人が住み続けたい可能性もあるため、決められた期間だけ賃借人に賃貸する、定期借家契約を結ぶなどの工夫が必要でしょう。 またマンション賃貸を行うことで節税できる可能性があります。マンションの賃貸で生じた赤字を給与所得と合わせて計算することで、所得税を抑えることができます。その他、収益物件として、賃貸人がいる状態で売却することもできます。 関連記事はこちら ▶︎住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説 ▶︎マンション売却はオーナーチェンジの場合どうなる?売却の流れ・ポイント・注意点を解説 マンションを賃貸するデメリット マンションを賃貸する上での大きなデメリットは、空室リスクです。上述した賃貸のメリットの一つである「定期収入」は、入居者がいて始めて得られるものであり、入居者が入っていなければ収入はゼロです。 固定費の支出がある点も賃貸のデメリットといえます。マンションの場合、毎月決まった額の管理費・修繕積立金の支払いが必要になり、さらに毎年の固定資産税や都市計画税の支払いがあります。 またマンションを賃貸に出す場合、マンションの管理面として、修繕費も発生します。修繕積立金はマンション全体についての大規模修繕に対する積立金なので、マンション設備の修繕、入居者が退去した際の原状回復工事、清掃などは所有者が行う必要があります。 マンション売却か賃貸するかの判断基準 ここでは、所有するマンションを売却するか賃貸するかの判断基準について解説していきます。 住宅ローンがあると賃貸はできない そもそも原則として、住宅ローンがある場合は、そのマンションは賃貸に出すことはできません。住宅ローン契約は、契約者自身の居住用住宅に対するローンであるため、住宅ローン返済中のマンションを無断で賃貸住宅として貸し出す場合は規約違反となり、一括返済を求められることもあります。急な転勤や親の介護など、やむを得ない事情であれば、銀行に相談できるケースもありますが、基本的には住宅ローンで買った住宅を賃貸住宅として貸し出すことはできないと考えておきましょう。 売却であれば、ローンの残債があった場合も、売却で得たお金で返済することで、ローンを完済できます。売却しても残債を返済できない場合は、自己資金で返済するか、新居の住宅ローンと売却後に残った住宅ローンの残債もまとめて借りられる「住み替えローン」を利用するなどの対応方法があります。 関連記事はこちら ▶︎住宅ローンが残っていたらマンション売却は難しい? 再び住む予定があれば賃貸も検討すべき 上述したマンション賃貸のメリットでも言及した通り、再び住む予定があれば賃貸を検討してもよいでしょう。ただし、住宅ローン返済中のマンションは賃貸には出せない点は注意が必要です。具体的に何年後に住む予定なのか、賃貸後はリフォームを行うのかなど、賃貸から自分自身の入居までのプランを立てることが重要となります。 賃貸事業の運営が難しいなら売却した方がよい マンションを賃貸する際、最初に考えなければいけないのは、不動産賃貸業という、一つの事業として行っていく覚悟が必要なことです。入居者がいなければ、空室を埋めるためのリフォームや家賃の改定、管理会社を変更するなどさまざまな対策を講じる必要があります。 マンションに入居者がいた場合も、入居者の滞納、騒音など近隣住民とのトラブルなど、管理面での責任が伴います。設備の修繕が発生したら、設備を交換するか修繕するのかの判断が必要になりますし、修繕費を抑えるために相見積もりを取るなど、さまざまな課題が発生します。 このように、マンションの賃貸経営はハードルが高いため、慎重に考える必要があります。 長期的にマンション経営を行う気持ちがない場合は、売却を選択した方が無難でしょう。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします まとめ マンションを売却するか賃貸に出すのかは、住宅ローンが残っているのか、将来的に住む予定があるのかなど、個々人の条件によって異なります。売却するなら、まずはマンション査定が必要です。もし賃貸に出すのであれば、エリア、立地、マンションの状態など、そのマンションに賃貸需要があるのかの見極めがまず必要となります。売却か賃貸かで迷っている場合は、専門家である不動産会社に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
マンション売却の主な注意点とは?失敗しない方法をご紹介

iBuyer

2022.10.19
マンション売却時にはさまざまな注意点があります。この記事では、マンション住み替えの際の売却前、売却中、売却後の3つの段階ごとに注意すべき点をまとめました。この記事を読めば、マンション売却の注意点が把握できて、自信を持って売却活動に臨めます。 マンション売却前に売却プランを立てる マンション売却の注意点として、まずはどのように売却するのか方針を決めて売却のプランを立てる必要があります。ここでは売却に先立って決めておくべきポイントを解説します。 自宅の売却の場合は「買い先行」がおすすめ 自宅の売却をする場合、まず新居を購入してから現在の住居を売却する「買い先行」と、先に売却を行ってから新居を購入する「売り先行」の2つのパターンがあります。おすすめの売却方法は「買い先行」です。 買い先行の場合、住みたい住居をじっくり検討してから購入できるメリットがあります。ただし住宅ローンを利用して新居を購入する場合は、新居を購入してから前の住居が売却できるまでローンが重複する、いわゆるダブルローンの状態になり、月々の支払いが重くなる点には注意が必要です。 売り先行の場合、売却後に売却代金をもとに新居を購入できる、ローンのない状態で新しいローンを組めるなどのメリットはあります。しかし売り先行は、売却後に仮の賃貸住宅への引っ越しをしなければ、じっくりと時間をかけて新居を選ぶことが難しくなります。仮住まいへの引っ越しをする場合も、引っ越し費用、購入までの賃貸費用などが余計にかかってきます。 また売り先行の場合、まず現在の住居を売却する前提のため、自分が住みたいと思う条件の物件を見つけてもすぐに購入に踏み切ることができず、売れてしまう可能性が高くなります。このため買い先行の方が、納得のいく新居を選ぶことができるといえます。 仲介か買取か売却方法を選ぶ マンションの売却は、不動産会社の仲介を通じて一般の人向けに売却する方法が一般的ですが、仲介会社から買取業者に売却する買取の方法と、仲介会社を挟まず、売主から直接買取業者へ買取を依頼する方法があります。仲介の主なメリットは市場価格で売却できる点、デメリットとしてはいつ売却できるかはわからない点です。 不動産買取業者への売却や直接買取の主なメリットは確実に早期売却できる点、デメリットは仲介に比べると売却価格が低くなる点です。自分自身の都合に合わせて、売却方法を選びましょう。買取の特徴については記事後半でも解説しています。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします 相続したマンション売却なら名義変更を行う 相続したマンションを売却したい場合、まずは売却前に名義変更を行う必要があります。元の所有者(被相続人)の名義のままでは、売却することができないためです。この名義変更のことを「相続登記」といい、2024年4月1日からは相続登記が義務化されるため、すぐにマンションの売却を考えていない場合も、名義変更はきちんと済ませておきましょう。 また、通常遺産分割協議や相続登記は司法書士に依頼するケースが一般的ですが、よくわからない場合には売却を依頼予定の不動産会社に任せるのもよいでしょう。日頃から業者と付き合いのある司法書士事務所に依頼するケースが多いため、相続に関する手続きから売却まで、面倒に感じることも一括してお願いすることができます。 関連記事はこちら ▶︎マンション相続時の名義変更はどうするべき?基礎知識と失敗しない方法を解説 マンション売却活動で失敗しないための注意点 ここからはマンションを売却するための各種アクションについての注意点を解説します。いずれも早く高く売るためには重要なポイントとなるため、しっかりと確認しましょう。 実績のある不動産会社を選ぶ マンションを仲介で売却する場合、仲介を依頼する不動産会社の力量が販売活動に大きく影響します。不動産会社選びのポイントはいくつかありますが、マンションの売却実績が数多くある会社を選ぶことが重要です。 売却件数が多い会社は、それだけマンション売却のためのノウハウを持っていると考えられます。また仲介を依頼する前に、マンションの査定を依頼することが一般的ですが、査定結果についての根拠をきちんと明示してくれること、こちらの質問に明確に答えてくれることなども、信頼できる不動産会社なのかを判断する大切なポイントとなります。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! 不動産会社任せにしない マンション売却の実質的な活動は、仲介を依頼した不動産会社が行います。しかし、不動産会社に任せたままではなく、きちんと販売状況をチェックすることが早期売却につながるコツです。販売価格は市場相場と比べて適切か、ポータルサイトには掲載されているか、掲載内容はきちんと売却物件の特徴を説明できているかなど、不動産担当者の意見も聞きながら積極的に確認していきましょう。 リフォームは基本的に不要 マンション売却というと、売却のためのリフォームが必要だと思われる人もいますが、基本的には売却のためのリフォームは不要です。なぜなら自分が住みたい住宅と、購入希望者が住みたい住宅のイメージが必ずしも一致しないため、間取りを変えたり壁紙の色を新調したりすることは、必ずしも成約率アップにはつながらないからです。 またリフォームにかかった費用をそのまま販売価格に上乗せすることはできないため、費用対効果の面からもあまりおすすめできません。ただし、壁に穴が空いている、設備に不備があるなどの各種修繕が必要な場合は、処置しておくべきです。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時にリフォームは不要!その理由と高値で売るコツも紹介 マンション売却後の注意点 マンション売却を考えている人は、売却後について考えることは少ないかと思います。ここからは、売却後に注意しておきたい点について解説します。 引き渡しまでに引っ越しを間に合わせる 自宅マンションの売買契約が成立したあと、引き渡しまでに自分自身の引っ越しを済ませておく必要があります。当たり前の話かもしれませんが引っ越しの繁忙期の場合、引っ越し直前になって業者に依頼しても、忙しくて対応してもらえない可能性があるためです。 また引っ越しに慣れていない場合は、荷造りなどは想像以上に時間がかかるため、余裕を持った準備・引っ越し業者の手配を心がけましょう。 売却後は損益にかかわらず確定申告を行う マンション売却後に忘れがちなのが確定申告です。マンションを売却して利益が出た場合、確定申告が必要になります。マンション売却益から3,000万円を控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受ける場合も、確定申告することが求められます。 またマンションを売却して損が出た場合、確定申告をしなくてもよいですが、給与所得など他の所得から、マンション売却によって生じた赤字を控除して節税することができます。そのためマイホームを売却する場合は、利益が出ても損が出ても、確定申告を行いましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンションを売却したら確定申告は必要? 引き渡し日までに新居への引っ越しができない場合のリスク 売り先行でマンションを売却する場合、引き渡し日までに新居への引っ越しができないと、購入するまでの仮住まいとして、賃貸物件に引っ越しするのが一般的です。しかし短期間だけ入居できる賃貸物件は少ないこと、2回の引っ越しの手間と費用が重なる、新居購入するまでの賃貸費用がかかる、などのリスクがあります。 同じ売り先行のマンション売却でも業者買取の場合であれば、次にすぐ住む人がいるわけではないため、引き渡しまでにある程度の融通が利くケースもあります。気軽に買取業者に相談してみてもよいでしょう。 買い先行でマンションが売れない場合は買取も視野に入れる 買い先行で新居を購入後、元の住居がなかなか売却できない場合は、不動産買取業者による直接買取を依頼してみるのもよいでしょう。直接買取の場合、仲介よりも売却価格が下がる点はデメリットですが、確実に素早く売却でき、現状のままで売却が可能な点がメリットといえます。また一般の方向けに売却する場合、仲介のようにポータルサイトに販売情報を掲載するなど情報公開をしないため、周囲に知られずに売却ができ、仲介手数料がかからないなど他にもメリットが多くあります。 いつまでも売却できない状態が続くと、月々の管理費・修繕積立金の支払いや毎年の固定資産税等を支払い続けることになるリスクもあります。相談することで、持っているマンションの買取価格もわかるので、一度問い合わせしてみてはいかがでしょうか 関連記事はこちら ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! ▶︎マンション売却によくあるトラブルと回避方法 まとめ マンション売却に関する主な注意点について解説してきました。記事内でもお伝えした通り、基本的には、納得できるよい条件の物件を購入しやすい、買い先行のやり方がおすすめです。本記事の内容が、マンション売却で失敗しないために少しでもご参考になれば幸いです。
マンション売却に必要な書類とは?

マンション売却

2022.10.19
マンションの売却を検討する中、必要な書類をあらかじめ調べておこうと考えたことはありませんか。しかし、マンション売却に必要な書類をインターネットで検索すると、さまざまなものが出てきて、自分に必要なものが何かわからないということもあるようです。そこで今回の記事では、マンション売却を検討されている方がスムーズに売却への一歩を踏み出せるように、マンション売却の流れについて簡単に説明した上で、それぞれの段階で必要になる書類について解説します。 マンション売却の流れ マンションを売却するまでには、次のような3つの段階があります。それぞれ解説した上で、必要な書類については後述します。 段階1:査定依頼 マンションが市場でどれくらいの価格で売却できるのかを知り、売却価格の設定をするために、不動産会社に査定依頼を行います。査定には、同じマンションや近隣の類似物件についての過去の売買データから査定価格を算出する「机上査定」と実際にマンションを見て査定価格を算出する「訪問査定」があります。 まず机上査定を複数の不動産会社に依頼し、相場価格を把握します。その上で、査定価格について納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を選び、訪問査定を依頼します。その結果、信頼のおける査定価格を提示してくれた不動産会社と媒介契約を締結し、売り出し価格を設定します。 段階2:売買契約 買主が決定したら、売買契約を締結します。売買契約書や重要事項説明書については、不動産会社が作成してくれます。ただし、マンションの周辺環境や設備等について、重要事項説明書の中に盛り込んでおいた方がよい点などについて、不動産会社との打ち合わせも必要です。また、買主が遠方に居住していたり、多忙であったりする場合、対面での契約は日程調整が難しい場合もあります。その場合には、契約方法(対面、郵送、電子契約)の検討も必要になります。 段階3:【決済および売却後手続き】 売買契約の終了後は、売買代金の決済および引き渡しを行います。決済時には、所有権移転登記や抵当権抹消登記の手続きも必要になります。 また、マンションの売却収入(損失)について、「譲渡所得が発生する場合」または「税制特例の利用をする場合」には、確定申告の手続きが必要になります。 確定申告の際には、住民票(他の市町村に引っ越した場合は除票住民票)、売買契約書の写し、税制特例の利用に必要な資料が必要になります。取得費がわかるもの(購入時の売買契約書の写し等)や譲渡費用のわかる領収書などがあると、より望ましいです。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の流れを徹底解説!初心者が損しないためのポイントもお伝えします マンションの査定依頼時に必要な書類 マンションの机上査定依頼時に不動産会社が知りたい情報は、間取りや専有面積、住宅ローン残高、所有権者等です。インターネットならさらに手軽に依頼ができます。不動産会社のWebサイトや一括査定サイトの情報入力画面に、マンションの所在地や専有面積、築年数など必要なデータを入力すれば査定依頼は完了するため、特に提出する書類はありません。 「訪問査定」の際にも提出する書類は特にありません。ただし、住宅ローン残高についての質問にも答えられるように返済予定表または残高証明書を準備しておきましょう。なお、必須ではありませんが、マンションの所有者であることを示すための登記済証(権利証)または登記識別情報、購入時のマンションの様子や間取り詳細がわかる分譲時のパンフレットもあると望ましいでしょう。 売買契約および決済時に必要な書類 売買契約および決済時に必要な書類に共通する書類と、売買契約および決済時にのみ必要な書類に分けてご説明します。 【共通】 売買契約および決済時に共通して必要な書類は、以下の通りです。 ・登記済証(権利証)または登記識別情報通知書 売買契約時には真の所有者であることを示すため、また決済時には所有権移転登記や抵当権抹消登記の手続きをするために必要になります。 ・印鑑証明書 売買契約および登記手続きは実印で行うため印鑑証明書が必要になります。 ・固定資産税納税通知書 売買契約時に固定資産税の清算についての説明をするため固定資産税納税通知書が必要になります。これは、一般的に引き渡し以降の固定資産税については日割り計算で買主が負担するためです。 また、登記手続きにおける登録免許税を計算する際にも固定資産税納税通知書が必要になります。 ・本人確認書類 売買契約には犯罪収益防止法による売主と買主の双方の本人確認のため、決済時には司法書士に対する本人確認のために、本人確認書類が必要です。写真付きの本人確認書類(免許証、パスポートなど)を準備しましょう。 【売買契約時のみ】 売買契約時にのみ必要な書類については以下の通りです。 ・管理費・修繕積立金の額の確認書 引き渡し後の管理費・修繕積立金は買主が負担します。そのため、管理費・修繕積立金の精算額について売買契約時に説明のために必要な書類です。マンションの管理会社が保管していますので、不動産会社を通じて手配をお願いしましょう。 ・付帯設備表 マンションにはさまざまな付帯設備があります。付帯設備とは、専有部内に付いている住宅設備のことを指します。中には、分譲当初から年数を経て不具合が生じているものもあるでしょう。また、不具合のある付帯設備を交換、撤去したというケースもあると思います。その付帯設備の状況について、記載したのが付帯設備表です。書式は特に決まったものはありません。不動産会社から提示された書式を利用するのもよいですし、あらかじめインターネット上で取得することもできます。 ・物件状況確認書(告知書) 付帯設備のみならず、マンションそのものや周辺環境について、買主に伝えた方がよい事項は物件状況確認書に記載しておきましょう。後々のトラブルを避けるためにも、付帯設備表と合わせて、物件状況確認書も準備しておく方がよいでしょう。どのような事項について記載が必要であるかは、気になる点を不動産会社に伝えて相談しながら決めていくとよいでしょう。 【決済時】 決済時のみに必要な書類として、売主自ら用意するのは住民票のみです。以下でご紹介するもの以外にも、買主が持っていた方が望ましい「分譲時のパンフレット」「管理規約」「使用細則」「理事会の議事録」「設備取扱説明書や保証書」「アフターサービス規準書」などが手元にあれば、準備しておくと親切です。 ・委任状 登記手続きを司法書士に依頼する場合には、委任状が必要です。自ら登記手続きを行う場合には必要ありません。なお、書式は司法書士が準備します。 ・抵当権の抹消に必要な書類 抵当権の抹消登記に必要になる書類が必要です。書類は銀行担当者が準備します。 ・住民票 登記手続きに登記申請者の住所の証明が必要であるため、住民票が必要となります。 まとめ マンション売却の際に必要な書類といっても、各段階に応じて必要な書類は異なります。いざ、マンション売却に向けて動き出す際に、書類が見当たらなくて困ったということにならないようにしておきましょう。あらかじめ必要な書類を確認し、そろえておくと落ち着いて売却活動を進めることができるだけでなく、不動産会社や買主にも安心感を与えることもできます。今回の記事を参考に、自宅の中にある必要書類を探してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
マンション売却までの平均期間は?最新データと早期売却のコツをご紹介

マンション売却

2022.10.19
マンション売却までにどのくらいの期間がかかるのかは気になりますよね。この記事では、これからマンションを売却する人に向けて、マンション売却にかかる平均的な期間についてお伝えします。その上で、早期売却の方法、なかなか売却できない場合の対応方法までご紹介します。 マンション売却までの平均期間と流れ マンション売却まで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。マンションの売却には、売り出しから売却までの基本的な流れがあり、平均的な売却期間もデータからわかっています。ここからは、マンション売却までの平均期間と流れについて解説します。 マンション売却までの平均期間は4カ月程度 マンション売却までの平均期間は4カ月程度といえます。公益財団法人東日本不動産流通機構による「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」によると、中古マンションの「登録から成約に至る日数」はレインズの平均で、2020年は88.3 日、2021年は74.7日となっています。 レインズとは、不動産会社が全国の不動産会社に販売情報を共有するネットワークシステムのことです。登録から成約までの日数が2~3カ月であるため、前後の活動、つまり実際に売却のための活動を始めてから不動産会社を選定するまでの期間と、成約してから実際に引き渡しに至るまでの日数を考慮すると、4カ月程度が平均といえます。ただしこのデータは首都圏の中古マンションに関するデータであり、実際には1カ月で成約に至るケースもあれば、半年や1年経っても成約しないケースもあるため、あくまでも目安として考えましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却を最短で行うコツとは?誰でもできる3つのポイントをご紹介 マンション売却までの流れ マンションの売却を不動産会社に仲介を依頼した場合の基本的な流れは、下記の通りです。 (1)マンションの査定を不動産会社に依頼する (2)不動産会社と媒介契約(仲介契約)を結ぶ (3)マンションの売却活動(購入希望者の内見対応など) (4)売買契約の締結 (5)マンションから新居への引っ越し(自宅マンションの売却の場合) (6) マンションの決済・引き渡し ケースバイケースですが、上記の(1)はおよそ約1~2週間、(2)から(4)の「登録から成約に至る日数」は約2~3カ月、(5)と(6)は約4週間が目安となります。 半年以上経っても売却のめどが立たない場合は、何かしらの対策を立てる必要があると思われます。具体的な対策は記事後半で解説します。 マンション売却の方法には仲介以外に買取もある マンションを売却する方法としては、不動産会社に仲介を依頼して一般の人向けに売却活動を行う形が通常です。しかし仲介以外に不動産買取業者へ売却する「買取」という方法もあります。 買取の一番のメリットは、確実に早く売却を完了できる点です。買取による売却のケースの特徴、詳細については記事後半で詳細を載せています。マンションを一日でも早く売却したいといった事情がある場合は、買取がおすすめです。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします マンション売却までの期間を短縮するコツ マンションはなるべく早く売却したいですよね。ここではマンション売却までの期間を短縮するコツについて解説します。 販売実績の豊富な不動産会社に依頼する 販売実績の豊富な不動産会社に依頼することは、マンション売却までの期間を短縮するコツでもあり、マンションを高くスムーズに売却するコツでもあります。実際の売却活動は不動産会社が担当するため、販売実績が多い不動産会社はそれだけ信頼できると考えてよいでしょう。 また販売実績に加えて、マンション査定の際に直近の取引や、最近の市場の販売状況等について質問してみて、受け答えが明確か、しっかりした根拠を元に話をしているかなども確認して、信頼できる不動産会社を選びましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! 適正な販売価格を設定する マンション販売の期間が長引く要因の一つに、販売価格が市場よりも高く設定されていることがあります。売主の立場からすれば、できる限り高く販売したいのが本音でしょう。また、住宅ローンの残債から考えて、最低でもこのくらいの販売価格にしたい、という気持ちはあって当然です。しかし、売却するマンションの地域相場よりも高値で設定してしまうと、結局は売れ残ってしまい、本末転倒になってしまいます。不動産会社とも相談して、相場に見合った適正な販売価格の設定が、早期売却のポイントです。 売り出しのタイミングを引っ越しシーズンに合わせる 3~4月と9~10月の引っ越しシーズンは、マンションがよく売れる時期です。マンションの売り出し時期を、これらの引っ越しシーズンの数カ月前頃に設定できれば、成約率は高くなる可能性はあります。しかし実際には売却したいタイミングが売却時期ともいえるので、無理に販売期間を変更する必要はありません。調整可能であれば引っ越しシーズンに合わせるくらいの気持ちでよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却のタイミングとは?大原則とコツを解説 マンションが売れない場合の対策 ここからは実際にマンションの販売を開始したにもかかわらず、なかなか売却に至らなかった場合の対応策について解説していきます。 販売価格を見直す 上述したマンション売却までの期間を短縮するコツの中にもありましたが、販売価格が市場相場と乖離している場合、売れ残ってしまう可能性が高くなります。ただし価格の下げ幅が大きすぎても損をするため、売れないからと慌てて大きく価格を下げるのではなく、不動産会社とよく相談して適正価格に調整していくことが重要です。 不動産仲介会社を変更する 市場相場に見合った適正な価格設定なのに、販売期間中に内見希望がほとんどなかったり、販売状況についても説明が曖昧だったりする場合、仲介を依頼している不動産会社の変更を検討してもよいかもしれません。 しかし専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合、3カ月間は契約期間となるため、契約期間終了後に変更という形がよいでしょう。ただし、不動産会社が販売情報を共有するシステムであるレインズへの登録義務を怠っていたり、定期報告をまともに行っていなかったりするなど、明らかに販売活動を怠っている場合は契約途中のキャンセルも可能です。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却で不動産会社を変更すべき?タイミングとリスクを解説 オンライン査定サイトを使ってみる 仲介を依頼しているにもかかわらず、なかなか売却できない状況が続いている場合、セカンドオピニオンを得る目的で、オンライン査定サイトを利用するのも一つの手です。インターネット上で査定依頼から査定結果を得ることができ、オンラインで査定が完結するため、気軽に利用することができます。 いくつかの査定結果を参考に、現在販売中のマンション価格に反映させることもできます。また実際にその中から、納得のいく不動産仲介会社があれば、仲介会社を検討してみてもよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! 買取も検討する しばらくマンション販売を続けてみて、どうしてもマンションが売却できない場合は、買取も検討してみてもよいでしょう。買取とは不動産会社によるマンションの買取のことです。買取の一番のメリットは、確実に早く売却を完了できる点です。 不動産会社が買主のため、売却相手を探す必要はなく、購入希望者の住宅ローンが通らずに売買契約が解除されてしまうこともありません。また買取の場合、販売情報を公開しないので、周囲に知られずに売却することができます。 買取の中でも、仲介会社を挟まずに不動産買取業者へ直接を依頼する場合、「(売買価格×3%+6万円)+消費税(※売買金額が400万を超える場合)」の金額となる仲介手数料の支払いも不要です。売却先が業者であるため、購入希望者への内見対応など、ご自身による売却活動の必要がないこと、売却後のマンション引き渡し時期も柔軟に相談できる点もメリットです。 一方で買取のデメリットは、仲介による売却価格に比べると市場価格と比較して低めの価格になる点です。買取業者にもよりますが、仲介会社を挟まない直接買取の場合、一定期間、市場で販売して、売却できない場合は買取を行う、「買取保証付き仲介」サービスなどもあるので、ご自身の状況を考えて検討してみてもよいでしょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション買取のデメリットとは?通常の仲介との違いや業者選びのポイントを解説 まとめ マンションを売却する際にどのくらいの期間がかかるのかについて解説してきました。マンションの売却までの期間は平均で4カ月程度ですが、売却したいマンションのエリア、築年数や状態はさまざまなため、売却に4カ月以上の時間がかかるケースも多くあります。売却できない場合は、本記事でご紹介したポイントを踏まえて販売活動を改善していきましょう。どうしても売却できない場合は業者による買取も視野に入れてみることをおすすめします。
マンション相続したらどう売却する?相続から売却までの流れとポイントを解説

相続

2022.09.09
マンションを相続して売却が必要になったとき、多くの人は経験がなく、どう対処すべきか困惑してしまうケースが大半です。この記事では、マンションを相続する際に、どのように売却すればいいのかわからない人に向けて、マンション相続時の流れ、売却方法、売却時にかかる税金、確定申告について解説します。 マンション相続から売却までの基本的な流れ マンション相続から売却に至るまでには、いくつかのステップがあります。ここではマンション相続から売却までの基本的な流れについてお伝えします。 相続の発生、相続人の確定 ある人(被相続人)が亡くなると、まずは遺言書があるかどうかで相続のやり方が決まります。遺言書があれば、その遺言書の指示内容が優先されます。遺言書がない場合は、被相続人の財産を相続する人(相続人)が誰なのか、何人いるのかを確定する必要があります。 民法において、相続人になる資格がある人は、下記のように決まっています。被相続人の配偶者は必ず相続人となります。配偶者以外は、相続できる順位が決まっています。 ・第1順位:直系卑属(子ども・孫など):配偶者がいれば、配偶者と子どもが相続人です。配偶者がいないなら、子どものみが相続人です。子どもが複数人の場合、子ども全員が相続人になります。子どもも孫もいれば、子どもを優先します。例えば、長男と次男の2人の兄弟が相続人である場合で、長男が亡くなっていて長男の子ども(孫)がいる場合は、次男と長男の子どもが相続人になります。 ・第2順位:被相続人の直系尊属(父母・祖父母など)。父母も祖父母もいるときは、父母の方が優先されます。第2順位の人は、第1順位の人がいないときに相続人になります。つまり、被相続人の子や孫がいる場合は、相続人にはなりません。 ・第3順位:被相続人の兄弟姉妹。その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子どもが相続人となります。第3順位の人は、第1順位と第2順位のいずれの人もいないときに、相続人になります。つまり被相続人の配偶者か、子ども・孫か、父母・祖父母がいる場合、兄弟姉妹は相続人にはなりません。 相続人を確定させるためには、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍と、相続人全員の戸籍謄本を用意する必要があります。 関連記事はこちら ▶︎マンション相続時は相続税評価額が重要!基礎知識と計算方法を解説 ▶︎マンションを相続したら、相続税はいくらかかるの? 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成 相続人が決まったら、遺産をどのように分けるかの会議である「遺産分割協議」を行います。遺産分割協議の方法はいくつかありますが、節税の視点で決める必要があります。節税のポイントについては記事後半で解説します。 相続の登記(名義変更):名義変更しないと売却できない マンションの所在地を管轄する法務局にて、所有権移転登記(相続登記)を行います。名義変更をせずに、故人の名義のままでマンションを売却することはできません。遺産分割協議によってマンションを相続することが決まった相続人が、相続登記を行います。 関連記事はこちら ▶︎マンションを相続!どんな手続きが必要なの? ▶︎マンション相続時の名義変更はどうするべき?基礎知識と失敗しない方法を解説 不動産会社に売却の仲介または買取を依頼する マンションの相続登記が完了したら、マンションの売買を取り扱っている不動産会社に、売却の仲介を依頼します。不動産の買取を行っている不動産会社に、マンションの買取を依頼することもできます。その場合は、マンションの販売活動をすることなく、スピーディーな売却が可能です。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします 売買契約 仲介会社とマンション売却のための媒介契約を結んで、販売活動を行います。販売価格の調整や内見対応などを経て、購入希望者(買主)が見つかったら、売買契約を結びます。売買契約の際に売主である相続人に対して買主から手付金(売買金額の5~10%程度が相場)が支払われます。 決済・引き渡し(売却完了) マンションの売買契約完了後、売主と買主双方の都合に合わせて、マンションの引き渡し日を決めます。引き渡し日当日に、売買金額から手付金を差し引いた残金の決済が行われ、所有権移転登記が行われて、マンションの売却完了となります。 マンション相続で注意すべきポイント マンション相続の際に、注意するべきポイントについて解説します。 早めに専門家に相談する 相続税は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内に申告・納付期限があります。相続税の基礎控除額は、「3,000万円+相続人の数×600万円」で計算されます。例えば相続人が1名の場合、相続税の基礎控除額は3,600万円となります。 マンションという不動産に加えて現金など、合わせて基礎控除額以上の遺産がある場合、相続税の支払いが必要になります。マンション売却の件も含め、相続が発生したら、まずは専門家に相談するべきでしょう。 相続登記の手続きを代行できるのは、司法書士か弁護士になります。特に相続で揉めるなどの問題がなければ司法書士、もしも揉める可能性があるならば、弁護士に相談しましょう。相続税の節税、不動産の売却時の特例など、税制面で相談すべき専門家は税理士となります。 節税の視点を持って相続を行う マンションの売却が予定される相続の遺産分割協議の方法は、「換価分割」と「代償分割」という2つのやり方があります。換価分割とは、相続人全員が共同でマンションを相続し、マンション売却後は、決まった分割割合に応じて売却益を分割するという相続方法です。 代償分割は、まず相続人の一人がその人物だけでマンションを相続して売却します。その後、マンションの相続人から、他の相続人に対して、決まった分割割合に応じて売却益を支払うという分割方法です。 一見するとどちらも同じように思えますが、換価分割の場合、相続人それぞれで譲渡所得が発生し、譲渡所得税を支払う必要が出てきます。 一方の代償分割の場合、マンションの相続人がマンションを売却する際、その相続人が被相続人と同居していた場合、3,000万円の特別控除の特例を使用して、譲渡所得税から3,000万円を控除することができるケースがあります。 売却益が控除額以下であれば、この相続人は譲渡所得を支払う必要はなくなります。このように相続方法によって、マンション売却した場合、税を多く支払うなどで損する場合があるため、専門家への相談が必要になります。 相続で確定申告が必要になる可能性がある マンションを相続して確定申告が必要となるケースがあります。相続したマンションを売却して、売却益が出た場合です。この場合、換価分割、大小分割など分割手法に関わらず、譲渡所得が発生するため確定申告が必要です。 もう一つは、家賃収入があるマンションを相続した場合、不動産所得として確定申告が必要です。また、その年の最初から相続が発生した日までは、被相続人に家賃収入が発生していたため、相続人は被相続人の代わりに、その期間の所得を確定申告する必要があります。この確定申告は準確定申告といいます。 信頼できる不動産会社を選ぶ マンションを相続後に売却を行う場合、不動産会社への依頼が必要です。マンションの売買は、やり方次第で売却価格に数百万単位の差額が発生する可能性があるため、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。 信頼できる不動産会社の条件としては、マンションの売買実績が豊富である、こちらの質問に根拠を持って応答してくれる、こちらの都合に合わせたプラン提案をしてくれるなどがあります。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! マンションの売却は仲介か買取の2つの方法がある マンションの売却方法には、仲介と買取の2つがあります。ここでは、仲介と買取それぞれのメリット・デメリットについて解説します。 仲介のメリット・デメリット マンションを売却する方法の一つ目は、不動産会社に売却の仲介を依頼するというやり方です。仲介によるマンション売却のメリット・デメリットは下記の通りです。 <仲介のメリット> ・不動産市場の相場に応じた価格で販売可能 <仲介のデメリット> ・いつ売却できるかはわからない 不動産会社を通じて販売活動を開始しても、いつ売却ができるのかはわかりません。販売開始から半年や1年以上かかっても売却できないこともあります。 ・買主側の都合で売買契約がキャンセルになることがある マンションの販売活動を通じて買主が見つかり、売買契約の締結まで進んでも、買主のローン審査が通らず、売買契約が白紙に戻ることもあります。またそのほかにも、買主側の都合で売買契約がキャンセルになる可能性があります。 買取のメリット・デメリット マンションを売却するもう一つの方法は、買取を行っている不動産会社に、買取を依頼することです。 <買取のメリット> ・スピーディーに、周囲に知られずに売却できる 買取の場合、不動産会社が買主になるため、大々的な販売活動をする必要がなく、周囲に知られずに売却できます。また買取依頼から売却まで、およそ1カ月程度で完了できます。 ・仲介手数料がかからない 仲介手数料は通常「(売買価格×3%+6万円)+税」なので、仲介手数料がかからないのは大きなメリットになります。 ・確実に売却できる 不動産会社が買主になるので、買主側のローン審査もなく、確実に売却できます。相続の場合、売却したい時期が決まっているケースも多いので、相続と買取は相性が良いといえます。 ・マンションに家具などの残置物があってもそのまま売却可能 ・引き渡し猶予がつけられる 通常、マンション売却の決済が完了したら、すぐに引き渡す必要があります。しかし買取の場合、引き渡しまでに猶予を設ける「引き渡し猶予」がつけられます。 <買取のデメリット> ・売却価格が安くなる マンションの状態によっても異なりますが、個人間で売買する価格よりは下がるケースが多くなります。これは、買取業者がリフォームにかかる費用や維持費用と市場の相場から再販価格を逆算し、買取金額を算出するためです。仮に個人で内装をリフォームし付加価値をつけてから売り出すのはなかなか難しいものです。お部屋の状態に不安があり、売却に躊躇されている場合には、多少価格が下がっても買取を検討するのも一つの手でしょう。 ・マンションのエリア・状態によっては、買取不可能な場合もある 関連記事はこちら ▶︎住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説 迷ったら不動産会社に相談する 相続したマンションを売却する場合、仲介か買取かで迷ったら、不動産会社に気軽に相談してみても良いでしょう。不動産会社によっては、「買取保証付き仲介」という、最初に期限を決めて仲介で販売開始して、期限までに販売できなければ、買取してもらえるサービスもあります。 まとめ マンションを含む不動産の相続は人生で何度も経験するものではありません。そのため、基本を抑えて行動しないと、思わぬ損や失敗が起きやすいといえます。本記事で紹介した内容が、賢く確実なマンション相続と売却のご参考になれば幸いです。
マンション相続時は相続税評価額が重要!基礎知識と計算方法を解説

相続

税金

2022.09.09
マンション相続した際、マンションの正確な評価額を計算するにはさまざまな計算が必要です。この記事では、マンション相続でお困りの方に向けて、相続におけるマンションの評価方法、相続税の計算方法、およびマンション相続時に注意すべき点について解説します。 マンション相続時における評価額の考え方とポイント マンション相続の際、相続対象となるマンションを正しく評価する必要があります。ここでは、相続税評価額の概要と計算方法について解説します。 相続税評価額とは 相続が発生した際、相続税の計算をするために、相続対象となる財産が、全部でいくらあるのかを把握して、最終的な相続税の金額が決まります。相続対象となる現金や不動産など、それぞれの財産の種類ごとに評価する基準があります。 現金1億円の場合、相続税評価額はそのまま1億円になりますが、マンションなどの不動産の場合は、別途計算が必要です。基準に基づいて評価された金額を相続税評価額といい、マンションの相続税を計算する際は、相続税評価額を用いて計算されます。 この相続税評価額は、市場で売買されている時価とは異なります。例えば時価5,000万円のマンションの相続税評価額は、5,000万円ではなく、土地、建物を分けて計算するなど、基準に基づいた計算が必要です。マンションの相続税評価額の具体的な計算方法は記事後半で解説します。 相続税は控除額以上の資産がある場合に支払う 相続税には基礎控除があり、相続税は控除額以上の資産がある場合に支払うことになります。相続税の基礎控除は下記の計算式で計算できます。 ・相続税の基礎控除= 3,000万円+600万円×法定相続人の人数 ※法定相続人とは、民法で定められた財産相続できる人のことです。 例えば、法定相続人が1人の場合、相続税の基礎控除額は下記のように計算されます。 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×1人=3,600万円 相続が発生する場合、法定相続人は1人以下にはならないので、マンション含む全ての資産が3,600万円以下ならば、相続税の支払いは不要です。相続人が複数の場合は、基礎控除額が増えます。 例えば夫が亡くなって相続が発生し、法定相続人が妻と子ども2人の計3人であった場合、相続税の基礎控除額は下記の通り、4,800万円になります。 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円 この場合、相続対象となる全ての財産が4,800万円以下である場合、相続税の支払いは不要です。 また、配偶者の相続に関しては「配偶者の税額軽減の特例」があり、 1億6,000万円まで、もしくは法定相続分(相続財産の1/2)までは相続税が発生しません。 相続税の計算事例 相続税の計算では、不動産以外にも現金などの資産を全て合計した金額(課税遺産総額)から、控除額を差し引きます。 ・相続税の課税対象額=遺産総額―基礎控除額 相続税の課税対象額が決まったら、相続人ごとに相続税を計算後、最終的な相続税額が決まります。相続税の税率は下記の通りです。 <相続税の税率 早見表> 相続財産に対する法定相続分(財産の取り分)は下記の通り決まっています。 ・配偶者のみの場合:全て ・配偶者と子(直系卑属):配偶者が1/2、子が 1/2を人数で分ける ・配偶者と父母(直系尊属):配偶者が2/3、父母が1/3を人数で分ける ・配偶者と兄弟姉妹(甥・姪):配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4を人数で分ける ※配偶者は常に相続人になり、配偶者以外は相続順位が決まっています。 第1順位は子(直系卑属)、第2順位は父母(直系尊属)、第3順位は兄弟姉妹(甥・姪)です。配偶者と子がいる場合、配偶者と子が相続人になります。第1順位の相続人がいる場合、第2~3順位の人は相続人にはなりません。第2順位の相続人がいる場合、第3順位の人は相続人にはなりません。 例えば相続の対象となる財産が、相続税評価額4,800万円のマンションと、マンション以外の資産が現金200万円であった場合、遺産総額は5,000万円となります。相続人が子ども1人のケースでは、相続税の課税対象額は以下の通り計算されます。 5,000万円―3,600万円(3,000万円+600万円×1人)=1,400万円 相続税の課税対象額が1,400万円の場合、相続税率は15%、控除額は50万円となるため、相続税は下記のようになります。 相続税=1,400万円×15%-50万円(控除額)=160万円 別の計算例として、遺産総額が5,000万円で相続人が妻と子ども2人の計3人のケースでは、相続税は下記の通りとなります。 ①相続税の課税対象額を出す 5,000万円―4,800万円(3,000万円+600万円×3人)=200万円 ②相続人それぞれの法定相続分に応じた課税対象額を計算する 妻:200万円×1/2(配偶者の法定相続分割合)=100万円 子どもA:200万円×1/4(子どもの法定相続分割合)=50万円 子どもB:200万円×1/4(子どもの法定相続分割合)=50万円 ③相続税率をかけて相続税を計算する 妻:100万円×10%=10万円 ※妻は配偶者の税額軽減の特例により、相続税は0円になります。 子どもA:50万円×10%=5万円 子どもB:50万円×10%=5万円 よって、このケースの相続税の総額は10万円(5万円+5万円)です。 実際の相続財産の分割方法が法定相続分で分けた場合と異なるケースでは、法定相続分を用いて相続税総額を算出した後に、実際の取り分に応じて計算して、それぞれの最終的な相続税額が決まります。 関連記事はこちら ▶︎マンションを相続したら、相続税はいくらかかるの? マンションの相続税評価額の計算方法 マンションの相続税評価額の計算は、建物と土地の相続税評価額を別々に計算した後、足し合わせることで計算できます。それぞれの計算方法を確認していきましょう。 建物部分の相続税評価額 建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じになります。固定資産税評価額は、市町村から郵送される「固定資産税税明細書」に記載されています。 土地部分の相続税評価額 マンションの土地部分は、マンション全体の土地の評価額を出して、自分の持分割合をかけることで算出できます。 ・土地の相続税評価額=マンションの土地全体面積(㎡)×路線価×持分割合 路線価とは、国が毎年公表する土地の価額のことで、道路ごとに設定されています。路線価は国税庁のHPで確認できます。路線価がない場合、固定資産税評価額に「評価倍率表」の倍率をかけて、相続税評価額を計算します。評価倍率表も国税庁のHPで確認できます。 マンションの相続税評価額の具体的な計算 それでは、マンションの相続税評価額の具体的な計算を行っていきます。あるマンションの固定資産税評価額が500万円、マンションの土地面積が1,100㎡、路線価が60万円、持分割合が1/ 60であった場合、下記の通り計算します。 ①建物部分の相続税評価額=マンションの固定資産税評価額=500万円 ②土地の相続税評価額=1,100㎡×600,000円×1/ 60=1,100万円 ③マンションの相続税評価額=500万円+1,100万円=約1,600万円 このマンションの相続税評価額は1,600万円となります。 マンション相続時に注意すべきポイント 相続では思わぬトラブルから、大きな損失につながることもあります。ここからは、マンション相続時に失敗しないために注意するべきポイントについて解説します。 まずは専門家に相談するべき 相続が発生したら、まずは専門家に相談しましょう。相続手続きは、自分で全て行うこともできますが、特に多くの財産がある場合、複雑な計算や処理を行う必要が発生するため、できれば専門家に依頼した方がよいでしょう。 マンションを含む財産相続に際して、相続税が発生しない場合は、司法書士に依頼して、相続登記を行い名義変更後、マンションを売却あるいは保有する、流れになります。相続税が発生する場合は、複雑な計算が必要になるため、税理士に相談すべきでしょう。もしも相続の分割等でもめる可能性ある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。 相続税の申告・納付期限は相続開始後10カ月以内 上述した通り、相続税基礎控除以上の相続財産がある場合は、相続税の支払いが必要です。相続税の支払いは、相続税の申告・納付期限は相続開始後10カ月以内と決まっていて、現金での一括納付が原則となっています。分割納付などの方法もありますが、利息がかかかります。 支払うべき相続税が高額の場合、マンションなどの不動産を申告期限内に売却して相続税を支払う可能性もあります。通常、マンション等不動産の売却には買い手が見つかるまで時間がかかります。 相続税の納付期限が迫っている場合は、すぐに現金化できる不動産会社による買取という方法も検討すべきでしょう。買取であれば、不動産会社への買取依頼から査定額の決定、売買契約から引き渡しまで、およそ1カ月程度で完了することができます。 買取会社によっては、「買取保証付き仲介」という、期限を決めてマンション販売をスタートし、期限までに販売できなければ、買取を頼めるサービスもあります。いずれにしろ相続においては、相続対象の財産の把握や不動産を売却すべきかの判断など、早め早めに動くことが大切です。 マンションは保有するべきか売却するべきか 分割協議の結果にもよりますが、不動産を相続した場合、売却せずに保有する選択肢もあります。保有後、賃貸用マンションとして賃貸に出す場合は、マンションを賃貸業という事業として運用していく意識が必要となります。また、そもそもそのマンション自体に、賃貸のニーズがあるかの調査なども必要になります。 売却せずに保有して賃貸運用の可能性を探ってみたい場合は、知識の豊富な不動産会社に事前に相談しましょう。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします ▶︎住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説 まとめ 本記事で解説した通り、マンションの相続から売却までは、マンション含む相続財産の把握、評価額の計算、専門家への依頼、相続方法の選択、マンションの販売活動など、やることがたくさんあります。相続を無事に終えるために、専門家の意見を聞いてやるべき事柄を一つ一つ確実に対応していきましょう。