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2022.09.09
マンション相続した際、マンションの正確な評価額を計算するにはさまざまな計算が必要です。この記事では、マンション相続でお困りの方に向けて、相続におけるマンションの評価方法、相続税の計算方法、およびマンション相続時に注意すべき点について解説します。 マンション相続時における評価額の考え方とポイント マンション相続の際、相続対象となるマンションを正しく評価する必要があります。ここでは、相続税評価額の概要と計算方法について解説します。 相続税評価額とは 相続が発生した際、相続税の計算をするために、相続対象となる財産が、全部でいくらあるのかを把握して、最終的な相続税の金額が決まります。相続対象となる現金や不動産など、それぞれの財産の種類ごとに評価する基準があります。 現金1億円の場合、相続税評価額はそのまま1億円になりますが、マンションなどの不動産の場合は、別途計算が必要です。基準に基づいて評価された金額を相続税評価額といい、マンションの相続税を計算する際は、相続税評価額を用いて計算されます。 この相続税評価額は、市場で売買されている時価とは異なります。例えば時価5,000万円のマンションの相続税評価額は、5,000万円ではなく、土地、建物を分けて計算するなど、基準に基づいた計算が必要です。マンションの相続税評価額の具体的な計算方法は記事後半で解説します。 相続税は控除額以上の資産がある場合に支払う 相続税には基礎控除があり、相続税は控除額以上の資産がある場合に支払うことになります。相続税の基礎控除は下記の計算式で計算できます。 ・相続税の基礎控除= 3,000万円+600万円×法定相続人の人数 ※法定相続人とは、民法で定められた財産相続できる人のことです。 例えば、法定相続人が1人の場合、相続税の基礎控除額は下記のように計算されます。 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×1人=3,600万円 相続が発生する場合、法定相続人は1人以下にはならないので、マンション含む全ての資産が3,600万円以下ならば、相続税の支払いは不要です。相続人が複数の場合は、基礎控除額が増えます。 例えば夫が亡くなって相続が発生し、法定相続人が妻と子ども2人の計3人であった場合、相続税の基礎控除額は下記の通り、4,800万円になります。 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円 この場合、相続対象となる全ての財産が4,800万円以下である場合、相続税の支払いは不要です。 また、配偶者の相続に関しては「配偶者の税額軽減の特例」があり、 1億6,000万円まで、もしくは法定相続分(相続財産の1/2)までは相続税が発生しません。 相続税の計算事例 相続税の計算では、不動産以外にも現金などの資産を全て合計した金額(課税遺産総額)から、控除額を差し引きます。 ・相続税の課税対象額=遺産総額―基礎控除額 相続税の課税対象額が決まったら、相続人ごとに相続税を計算後、最終的な相続税額が決まります。相続税の税率は下記の通りです。 <相続税の税率 早見表> 相続財産に対する法定相続分(財産の取り分)は下記の通り決まっています。 ・配偶者のみの場合:全て ・配偶者と子(直系卑属):配偶者が1/2、子が 1/2を人数で分ける ・配偶者と父母(直系尊属):配偶者が2/3、父母が1/3を人数で分ける ・配偶者と兄弟姉妹(甥・姪):配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4を人数で分ける ※配偶者は常に相続人になり、配偶者以外は相続順位が決まっています。 第1順位は子(直系卑属)、第2順位は父母(直系尊属)、第3順位は兄弟姉妹(甥・姪)です。配偶者と子がいる場合、配偶者と子が相続人になります。第1順位の相続人がいる場合、第2~3順位の人は相続人にはなりません。第2順位の相続人がいる場合、第3順位の人は相続人にはなりません。 例えば相続の対象となる財産が、相続税評価額4,800万円のマンションと、マンション以外の資産が現金200万円であった場合、遺産総額は5,000万円となります。相続人が子ども1人のケースでは、相続税の課税対象額は以下の通り計算されます。 5,000万円―3,600万円(3,000万円+600万円×1人)=1,400万円 相続税の課税対象額が1,400万円の場合、相続税率は15%、控除額は50万円となるため、相続税は下記のようになります。 相続税=1,400万円×15%-50万円(控除額)=160万円 別の計算例として、遺産総額が5,000万円で相続人が妻と子ども2人の計3人のケースでは、相続税は下記の通りとなります。 ①相続税の課税対象額を出す 5,000万円―4,800万円(3,000万円+600万円×3人)=200万円 ②相続人それぞれの法定相続分に応じた課税対象額を計算する 妻:200万円×1/2(配偶者の法定相続分割合)=100万円 子どもA:200万円×1/4(子どもの法定相続分割合)=50万円 子どもB:200万円×1/4(子どもの法定相続分割合)=50万円 ③相続税率をかけて相続税を計算する 妻:100万円×10%=10万円 ※妻は配偶者の税額軽減の特例により、相続税は0円になります。 子どもA:50万円×10%=5万円 子どもB:50万円×10%=5万円 よって、このケースの相続税の総額は10万円(5万円+5万円)です。 実際の相続財産の分割方法が法定相続分で分けた場合と異なるケースでは、法定相続分を用いて相続税総額を算出した後に、実際の取り分に応じて計算して、それぞれの最終的な相続税額が決まります。 マンションの相続税評価額の計算方法 マンションの相続税評価額の計算は、建物と土地の相続税評価額を別々に計算した後、足し合わせることで計算できます。それぞれの計算方法を確認していきましょう。 建物部分の相続税評価額 建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じになります。固定資産税評価額は、市町村から郵送される「固定資産税税明細書」に記載されています。 土地部分の相続税評価額 マンションの土地部分は、マンション全体の土地の評価額を出して、自分の持分割合をかけることで算出できます。 ・土地の相続税評価額=マンションの土地全体面積(㎡)×路線価×持分割合 路線価とは、国が毎年公表する土地の価額のことで、道路ごとに設定されています。路線価は国税庁のHPで確認できます。路線価がない場合、固定資産税評価額に「評価倍率表」の倍率をかけて、相続税評価額を計算します。評価倍率表も国税庁のHPで確認できます。 マンションの相続税評価額の具体的な計算 それでは、マンションの相続税評価額の具体的な計算を行っていきます。あるマンションの固定資産税評価額が500万円、マンションの土地面積が1,100㎡、路線価が60万円、持分割合が1/ 60であった場合、下記の通り計算します。 ①建物部分の相続税評価額=マンションの固定資産税評価額=500万円 ②土地の相続税評価額=1,100㎡×600,000円×1/ 60=1,100万円 ③マンションの相続税評価額=500万円+1,100万円=約1,600万円 このマンションの相続税評価額は1,600万円となります。 マンション相続時に注意すべきポイント 相続では思わぬトラブルから、大きな損失につながることもあります。ここからは、マンション相続時に失敗しないために注意するべきポイントについて解説します。 まずは専門家に相談するべき 相続が発生したら、まずは専門家に相談しましょう。相続手続きは、自分で全て行うこともできますが、特に多くの財産がある場合、複雑な計算や処理を行う必要が発生するため、できれば専門家に依頼した方がよいでしょう。 マンションを含む財産相続に際して、相続税が発生しない場合は、司法書士に依頼して、相続登記を行い名義変更後、マンションを売却あるいは保有する、流れになります。相続税が発生する場合は、複雑な計算が必要になるため、税理士に相談すべきでしょう。もしも相続の分割等でもめる可能性ある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。 相続税の申告・納付期限は相続開始後10カ月以内 上述した通り、相続税基礎控除以上の相続財産がある場合は、相続税の支払いが必要です。相続税の支払いは、相続税の申告・納付期限は相続開始後10カ月以内と決まっていて、現金での一括納付が原則となっています。分割納付などの方法もありますが、利息がかかかります。 支払うべき相続税が高額の場合、マンションなどの不動産を申告期限内に売却して相続税を支払う可能性もあります。通常、マンション等不動産の売却には買い手が見つかるまで時間がかかります。 相続税の納付期限が迫っている場合は、すぐに現金化できる不動産会社による買取という方法も検討すべきでしょう。買取であれば、不動産会社への買取依頼から査定額の決定、売買契約から引き渡しまで、およそ1カ月程度で完了することができます。 買取会社によっては、「買取保証付き仲介」という、期限を決めてマンション販売をスタートし、期限までに販売できなければ、買取を頼めるサービスもあります。いずれにしろ相続においては、相続対象の財産の把握や不動産を売却すべきかの判断など、早め早めに動くことが大切です。 マンションは保有するべきか売却するべきか 分割協議の結果にもよりますが、不動産を相続した場合、売却せずに保有する選択肢もあります。保有後、賃貸用マンションとして賃貸に出す場合は、マンションを賃貸業という事業として運用していく意識が必要となります。また、そもそもそのマンション自体に、賃貸のニーズがあるかの調査なども必要になります。 売却せずに保有して賃貸運用の可能性を探ってみたい場合は、知識の豊富な不動産会社に事前に相談しましょう。 まとめ 本記事で解説した通り、マンションの相続から売却までは、マンション含む相続財産の把握、評価額の計算、専門家への依頼、相続方法の選択、マンションの販売活動など、やることがたくさんあります。相続を無事に終えるために、専門家の意見を聞いてやるべき事柄を一つ一つ確実に対応していきましょう。

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税金

2022.09.09
将来的に親が所有しているマンションを相続する方の中には、どれくらい税金がかかるのか不安に思っている方もいらっしゃるでしょう。今回の記事では、マンションを相続予定の方に向けて、相続税の計算方法およびその他にかかるお金についてご説明します。マンションの相続に際して、注意すべきは相続税のことだけではありません。相続してから慌てないように、マンションを相続する際の注意点についてもお伝えします。 相続税の計算方法 相続税は、個別の相続財産ごとに計算されるわけではありません。相続財産全体を把握した上で、以下の相続税の計算方法の手順に従って相続税が課税されます。 相続財産の総額計算 被相続人(亡くなった方)が所有していた相続財産の総額を計算します。財産の種類によっては、評価方法が決められていたり、非課税枠が設定されていたりする場合もあります。 マンションの相続税評価 マンションのような不動産は、建物と土地に分けて相続税評価額を求めます。マンションの建物部分は、固定資産税評価額と同額です。市町村の固定資産税窓口で確認できます。 一方、マンションの土地部分は、マンション全体の土地の相続税評価額に、持分割合を乗じて算出します。路線価のあるエリアであれば路線価方式、路線価のないエリアであれば倍率方式でマンションの敷地全体の相続税評価額を求めた後、マンションの契約書または登記簿謄本等に記載のある持分割合を乗じて求めることができます。 建物部分と土地部分の相続税評価額を合計したものが、マンションの相続税評価額になります。ご自身で確認するのが難しい場合には、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。 法定相続人を確定し、基礎控除額を計算 被相続人が産まれてから亡くなる(事前に調べる場合は現在)までの戸籍謄本を取得して、法定相続人を確定します。法定相続人が確定すると、基礎控除額を次の計算式で算出できます。 基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人 相続税額の総額を計算 相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた金額(課税標準)を、いったん各法定相続人の法定相続分に応じて按分します。その按分した相続財産額に応じた税率を乗じて、相続税を算出して、合計します(相続税額の総額)。 各法定相続人の相続税額を計算 相続税額の総額を実際の相続財産分与に応じて按分し、各相続人が納税する納税額を算出します。 マンションを相続すると必要になるお金 マンションを相続して所有する場合、必要になるお金は相続税だけではありません。以下のようなお金が必要になります。「相続したものの、利用予定もなくお金だけが出ていく」という状態を回避するためにも、マンションを相続した後にどのように利用するか、売却も含めた検討を早めに家族間で話し合っておきましょう。 登録免許税 マンションを相続して所有する場合には、法務局でマンションの名義人変更の手続きが必要になります。その手続きに際して、登録免許税を納めます。相続の際の登録免許税は、以下の算式で求めます。 登録免許税額=固定資産税評価額×0.004 固定資産税 毎年1月1日時点における不動産等の固定資産の所有者に対して課税される税金です。マンションを相続すると、マンションの所有者となり、固定資産税の納付義務が生じます。 管理費および修繕積立金 マンションは、管理費と修繕積立金が毎月必要になります。例えば月々の支払いは1~2万円だとしても、年間で考えると20万前後の出費となります。大規模修繕が実施される際には、月々の修繕積立金とは別に、数十万から数百万円の追加徴収が行われるなど、マンション相続のタイミングで大規模修繕が重なってしまった場合には、思わぬ出費がかさむこともあります。 マンションを相続する際の注意点 マンションの相続にかかる相続税について注目するばかりに、マンションを相続してから「こんなはずではなかった」と慌てないようにするため、マンションを相続する際の注意点についてお伝えします。 名義人が被相続人になっているか 相続が発生する前に、相続予定のマンションの登記簿を取得して、名義人を確認してみましょう。所有権移転登記は義務ではありませんし、期限も設けられていません。そのため、場合によっては被相続人に名義変更されていない状態になっている可能性もあります。そのような状態である場合、手続きが煩雑になりますし、放置してしまうと処分(売却等)も難しくなります。念のため、相続発生前にあらかじめ登記簿を確認し、名義人が被相続人になっていない場合は、司法書士等に相談しましょう。 共有名義はできる限り避ける マンションは、現金のように簡単に分割できる種類の財産ではありません。そのため、財産分与についての話し合いがまとまらない際に、「とりあえず共有名義」にしておこうという結論になりがちです。親子、兄弟姉妹のような家族間で共有しているだけの間は、トラブルも起きにくいかもしれません。 しかし、共有者の中からマンションを処分(売却等)したいという声が上がった時などに意見が一致しない可能性もあります。また、共有者が亡くなった後、その共有持分を子や孫などが共有で相続する状況が続けば、共有者の数はさらに増えます。その結果、マンションの処分等を行いたいと思っても、顔も知らない親族等の総意を得る必要が生じる可能性もあり、実行は極めて困難になります。 このような事態が想定されることから、共有は「問題の先送り」と称されることもあります。共有名義はできる限り避け、財産分与の話し合いを行うように心がけましょう。 相続後の利用見通し マンションの相続が発生する可能性がある場合には、時間をかけて家族間で利用の見通しについて、話し合いを持ちましょう。居住予定がないのに相続しても、先にご説明した管理費や修繕積立金等が必要になります。賃貸に出すのであれば、入居者の満足度を維持するために管理も必要になりますし、定期的な修繕も必要になります。話し合いがまとまらないからといって、共有にすれば将来、マンションが処分もできない塩漬け状態になる可能性もあります。話し合いがまとまらない場合には、マンションを売却して得られた収益を分割する選択肢(換価分割)を視野に入れて、マンションの査定依頼を行っておくのも一案です。 ※換価分割 換価分割とは、相続財産を売却して生じた収益を遺産分割する方法をいいます。仲介手数料などの諸費用がかかる分、財産価格の目減りが生じる点がデメリットになります。マンションなど遺産分割しづらい資産を、現預金などの遺産しやすい資産に変えることができる点が最大のメリットといえます。 まとめ 人が亡くなると、親族、知人友人への連絡および対応、葬儀準備や法要、遺品整理など、さまざまなやりとりに追われます。しかし、相続税の申告期限は相続発生から10カ月と決められています。故人への悲しみに暮れている間もないほどの忙しさの中、慌てて相続について考え始めていては、焦る気持ちから誤った判断もしかねません。「まだ相続は先のこと」と考えずに、いざという時にスムーズに手続きを行えるように、あらかじめできることから考え始めてみませんか?

税金

2022.08.09
「マンションを売却したのも初めてで、手続きが多くて大変なのに、確定申告が必要と言われて、頭がいっぱい…」という方はいませんか?マンション売却の際、必ずしも、確定申告が必要なわけではありません。この記事では、マンション売却予定、またはマンション売却を進めている方に向けて、確定申告が必要なケース、確定申告の必要書類について説明を行った上で、申告書の作成方法についても解説していきます。 マンション売却で確定申告が必要な場合ってどんなとき? 確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得に対する納税金額を税務署に申告する手続きのことを言います。 マンションを売却した場合、譲渡所得税(所得税および住民税)が課税されます。確定申告は、マンション売却をした年の翌年の2月16日から3月15日の間に行う必要があります。ただし、全てのケースで確定申告が必要ではありません。マンションを売却して、確定申告が必要となるときは、次の2つのケースです。 マンションの売却益が生じた場合 マンションの売却収入に対する譲渡所得税は、給与所得などその他の所得と切り離して計算される、分離課税によって以下の計算式で算出されます。 譲渡所得税=(収入金額-取得費※1-譲渡費用※2)×税率 ※1 不動産を取得したときに要したお金 ※2 不動産を売却したときに要したお金 収入金額が取得費と譲渡費用の総額を上回る場合は、売却益が生じている状態です。その場合には、確定申告が必要となります。逆に、収入金額が取得費と譲渡費用の総額を下回る場合は売却損が生じている状態であり、譲渡所得税は課税されないため確定申告は不要です。 税制の特例の適用を受けた場合 マンション売却に際して、3,000万円控除の特例※3など所得控除等の税制を活用する場合には、売却益の有無に関わらず、確定申告が必要となります。 ※3 居住用財産を売却したとき、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例 例) マンション売却収入2,000万円、取得費および譲渡費用200万円、3,000万円控除の特例適用を受ける場合、「収入-(取得費+譲渡費用)-特別控除」は、△1,200万円となります。そのため、譲渡所得税は課税されませんが、特例適用を受けているため確定申告は必要となります。 確定申告に必要な書類とは? 確定申告には、確定申告書の他に、以下のような書類が必要となります。確定申告書については、後段で説明します。 マンション売却時の売買契約書(コピー) 売却収入が、いくらであったかを示す根拠として必要となります。 マンション売却時の諸費用の領収書(コピー) 仲介手数料、収入印紙代、司法書士の報酬、抵当権抹消のための登録免許税など、売却時に要した諸費用の領収書が必要となります。これらは、先に触れた通り、譲渡費用として収入から差し引ける金額の根拠となります。 マンション取得時の売買契約書や諸費用の領収書(コピー) 譲渡所得税を算出する際の取得費は、「購入金額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いたもの」と「諸費用」を合算して算出します。マンション取得時の売買契約書や諸費用の領収書は、その根拠となります。なお、相続で取得したマンションなどで、取得時期が古く売買契約書や諸費用の領収書が残っておらず、取得費が不明である場合には、概算取得費(マンション売却収入×5%)で計算できます。 売却したマンションの登記事項証明書 売却したマンションの所有権が、買主に譲渡されていることを示すために、売却したマンションの登記事項証明書が必要となります。 本人確認書類 確定申告の際に、本人確認ができる運転免許証やマイナンバーカードなどの書類が必要になります。 特例適用に必要な書類 特例適用を受ける場合には、一定の要件を満たしていることを示すために、必要な書類を準備する必要があります。例えば、3,000万円控除の特例の適用を受ける場合には、戸籍の附票など、売却したマンションに居住していたことを証明する書類が必要となります。 申告書を作成してみよう マンション売却に際して、確定申告が必要となる場合には申告書の作成が必要になります。その手順について順を追って説明します。 譲渡所得の内訳書を作成する まず、確定申告書の記載をする前に、内訳書の作成をします。内訳書には、「売買契約の概要」、「マンションをいくらで売却したのか」、「マンションを取得する際、いくらかかったのか」、「売却益(損)はいくらなのか」などを記入します。先にご紹介した確定申告に必要な書類がないと作成できないため、書類収集を行ってから取り掛かりましょう。 引用:国税庁「譲渡所得の内訳書」 内訳書は、「税務署か国税庁HPで様式を入手して、手書きで作成」、または「国税庁の確定申告書作成コーナーで必要事項を入力して作成」できます。 確定申告書B様式を作成する 譲渡所得についても記入欄のある確定申告書B様式で、確定申告書を作成します。 まず、第一表には、確定申告を行う方の住所やマイナンバー、氏名を記入した後、譲渡所得税は分離課税で計算されるため「種類」の欄にある「分離」に〇をします。 引用:国税庁「申告書B【令和3年分以降用】」 また、「所得から差し引かれる金額」の該当する控除の欄に、金額を記入します。 引用:国税庁「申告書B【令和3年分以降用】」 第一表には、他にも記載するところがありますが、いったん第三表の作成を行います。 引用:国税庁「申告書第三表(分離課税用)【令和2年分以降用】」 先に作成した内訳書を基にして、下にオレンジ色で示した部分の該当する部分に収入金額と所得金額を書き入れます。 引用:国税庁「申告書第三表(分離課税用)【令和2年分以降用】」 短期譲渡の場合は「一般分」、長期譲渡の場合は、所有期間が10年超のマンションであれば「軽課分」、それ以外は「一般分」に当たるのが一般的です。不安がある場合には、税務署に尋ねるとよいでしょう。 引用:国税庁「申告書第三表(分離課税用)【令和2年分以降用】」 オレンジ色で示した「64 65対応分」の欄には、先に記入した所得金額欄の短期譲渡所得の金額、「66 67 68対応分」の欄には所得金額欄の長期譲渡所得の金額を転記します。 引用:国税庁「申告書第三表(分離課税用)【令和2年分以降用】」 分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項は、内訳書から転記します。 ここまで、必要事項を記入できれば、後は番号の指示に従って計算を進めていけば、確定申告書が完成します。給与収入など、マンション売却収入以外にも収入がある方は、それも併せて申告が必要です。 確定申告書も、税務署か国税庁HPで様式を入手して、手書きで作成することもできますが、内訳書とともに国税庁の確定申告書作成コーナーで必要事項を入力して作成するほうが、計算も自動で行われるので分かりやすいでしょう。なお、パソコンを使い慣れていない方は、先ほど示した部分までの情報を確認した上で、確定申告会場で申告資料を作成することもできます。 まとめ 経験がない方にとって、確定申告をすることは非常に難しい作業であると感じるかもしれません。ただ、全てのケースで確定申告が必要ではありませんし、必要な資料を整えれば作成自体は決して難しいものではありません。 とはいえ、不慣れなことには時間がかかる可能性もありますので、確定申告の時期ギリギリになってから取り掛かるのではなく、余裕を持って資料集めや申告書作成を行いましょう。一人では不安に感じる方は、不動産会社や税務署、税理士にあらかじめ相談されてみてはいかがでしょうか。

税金

2022.08.09
マンションの売却を検討しているものの、実際に売却したらどれくらいの税金がかかるのか、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。この記事では、マンションの売却にかかる税金についての不安を解消するため、売却をすると「どんな税金」が「どれくらいかかるのか」について説明するとともに、利用できる特例についてもご紹介します。 不動産売却にかかる税金とは? マンションなどの不動産売却時にかかる税金の概要について説明していきます。 譲渡所得税 所有する不動産(土地・建物)、株式、貴金属などを、売却して得た利益に課税される税金が、譲渡所得税(所得税と住民税が含まれる)です。なお、不動産の売却収入に対する譲渡所得税は、給与所得などその他の所得と切り離して計算される、分離課税によって以下の計算式で算出されます。 譲渡所得税=(収入金額-取得費-譲渡費用)×税率 短期譲渡と長期譲渡 譲渡所得税の税率は、「短期譲渡」と「長期譲渡」で異なります。どちらに該当するかは、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えているか否かで判別されます。不動産の所有期間が5年以下である場合には短期譲渡、5年超である場合には長期譲渡となります。それぞれの税率は以下の通りです。   税率 短期譲渡 39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%) 長期譲渡 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%) 取得費 取得費は、不動産を取得したときに要したお金のことです。取得費には、以下のようなものが該当します。 ・土地や建物の購入代金、建築代金 ・購入手数料(仲介手数料) ・設備費 ・造成費用・改良費 ・測量費 なお、不動産の取得費が不明な場合は、売却金額の5%を取得費とすることもできます。これを概算取得費といいます。 譲渡費用 譲渡費用は、不動産を売却したときに要したお金のことです。譲渡費用には、以下のようなものが該当します。 ・仲介手数料 ・印紙税(売主が負担したもの) ・売買契約締結後に支払った違約金 譲渡費用は売却のために直接かかった費用が該当するため、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のための費用、売却代金を取立てるための費用などは譲渡費用になりません。 その他の税金 譲渡所得税以外に、印紙税、登録免許税(抵当権抹消)、仲介手数料の消費税が必要となる場合があります。 マンション売却時に利用できる特例がある!? 不動産売却時に、利用できる特例についてご紹介します。 3,000万円控除の特例 3,000万円控除の特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)は、居住用財産を売却したときに、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。この特例の適用を受ける場合には、以下のような一定の条件を満たす必要があります。 ・居住用不動産であること。以前に住んでいた不動産である場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却されること ・売却の年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと ・売却の年の前年および前々年にマイホームの買い替えやマイホームの交換の特例などの適用を受けていないこと ・売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと 長期譲渡の税率軽減の特例 長期譲渡の税率軽減の特例は、居住用財産を売却して、一定の要件に当てはまるときに、長期譲渡所得の税額を通常よりも低い税率で計算することができるものです。この特例は、先にご紹介した、3,000万円控除の特例と併用することができます。 ・居住用不動産であること。以前に住んでいた不動産である場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却されること ・売却した年の1月1日において不動産の所有期間が10年を超えていること ・売却の年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと ・売却の年の前年および前々年にマイホームの買い替えやマイホームの交換の特例などの適用を受けていないこと ・売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと ■軽減税率 課税長期譲渡所得金額(=A)※1 税額※2 6,000万円以下の部分 A×14% 6,000万円超の部分 (A-6,000万円)×20%+600万円 2013年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。 マンション売却には税金がどれくらいかかるのか? 所有期間15年のマンションを4,500万円で売却した場合に、税金がどれくらいかかるのかシミュレーションを行います。なお、取得費は概算取得費で計算し、譲渡費用は仲介手数料のみかかるものとします。また、3,000万円控除の特例と長期譲渡の税率軽減の特例の適用を受けるものとします。 1.取得費(概算) 4,500万円×5%=225万円 2.譲渡費用(仲介手数料) (4,500万円×3%+6万円)×1.1%(消費税)=155.1万円 ■仲介手数料の速算表(下記計算結果に消費税が加わる) ※1 課税長期譲渡所得金額=(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除 ※2 2013年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。 3.譲渡所得 収入金額4,500万円-取得費225万円-譲渡費用155.1万円=4,119.9万円 4.3,000万円控除の特例適用 譲渡所得4,119.9万円-控除3,000万円=1,119.9万円 5.長期譲渡の税率軽減の特例の適用による税額 1,119.9万円×14.21%(所得税+住民税+復興特別所得税)=159.1377万円 この場合、およそ159万円の税金がかかるという結果になりました。 実際には、印紙税や抵当権抹消費用にかかる登録免許税、司法書士の依頼費用などが譲渡費用に加わります。また、今回は取得費を概算取得費で計算していますが、売却するマンションの売買契約書が手元にあり、具体的な取得費が分かる場合には、今回よりも大きな金額を収入から差し引くことができます。 つまり、譲渡所得が少なくなるため、税額はシミュレーション結果を下回る金額になる可能性が高いでしょう。なお、譲渡所得(収入から取得費、譲渡費用、3,000万円控除を差し引いた金額)がマイナスになる場合、申告は必要ですが譲渡所得税は課税されません。 今回のシミュレーションを参考にして、所有するマンションの場合、どれくらいの税金がかかるのかを、ご自身で計算して大まかな税額を把握してみるとよいでしょう。 まとめ マンションを売却する際にかかる税金は、主に譲渡所得税です。しかし、説明した通り、マンションの売却収入を取得費などが上回る場合には、譲渡所得税はかかりません。不動産会社の査定結果など、想定される売却価格をもとにして、あらかじめ税金がどれくらいかかるのかを考えておくことで、不安を感じながら売却を進める必要もなくなります。まずは、不動産業者に気軽に相談されてみてはいかがでしょうか。