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2023.01.16

マンション売却

税金

マンション売却で損が出たらどうする?確定申告と特例を紹介

マンション売却で損が出た場合、どう処理するべきなのでしょうか。この記事では、マンション売却で損が出た場合の対象法を知りたい人向けに、売却損の基本から確定申告方法、特例、売却損を出さないためのコツまでを解説します。

マンション売却損とは

マンションの売却損とは、具体的にどのような状態なのでしょうか。ここでは、マンションの売却損の定義と基本について解説します。

マンション売却損とは譲渡所得がマイナスになった状態

マンション売却損を一言でいうと、「譲渡所得」がマイナスになった状態のことです。所得とは、「収入」から「必要経費」を引いた金額のことです。マンションなどの不動産を売却して得た売却金額という収入から、経費を引いて計算された所得を「譲渡所得」といいます。
譲渡所得は下記の通りです。

・譲渡所得=売却金額-取得費-譲渡費用
「売却金額」は、売却によって得たお金です。
「取得費」とは、売却したマンションを購入したときに支払った金額で、マンション本体の購入代金のほか、マンションの購入に関連する仲介手数料や税金などの諸費用を合計した金額です。

譲渡費用とは、マンションを売却するためにかかった仲介手数料や税金などの費用の合計です。売却金額から、取得費と、譲渡費用を引いて出た利益は、譲渡益(売却益)といいます。計算の結果がマイナスであれば、譲渡損失(売却損)が出たことになります。マンションの売却損とは、譲渡所得がマイナスになった状態、つまり譲渡損失が出た状態のことです。

または売却時の価格が購入時の価格を下回った場合、「売却損が出た」という表現をすることもあります。ここでは前者の譲渡所得のマイナスを「譲渡損失」、後者の売却価格と購入価格の差を「キャッシュ・アウト」と呼びます。計算方法の違いにより、両者は必ずしも一致しません。

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マンション売却損が出るのは珍しくない

キャッシュ・アウトが起きるのは珍しいことではなく、むしろ赤字になるケースが一般的です。一般社団法人不動産流通経営協会が公表している「不動産流通業に関する消費者動向調査<第26回(2021年度)>」によると、2021年度の全国の買い替え世帯が元の住宅を売却した結果、マイナスの売却差額が発生している世帯は 53.7%、プラスの売却差額が発生している世帯は 37.5%となっています(※8.8%の世帯は差益なし)。

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マンション売却損が出た場合の確定申告

マンションで売却損が出た場合、確定申告は必要なのでしょうか。ここからは、税務上の譲渡損失が出た場合の確定申告の対応方法について解説します。

マンションで売却損の場合は確定申告不要だがやるべき

「確定申告」とは、1年間の所得と所得にかかる税金を計算して、申告して納税する手続きです。マンションの売却で売却益が出た場合、確定申告が必要です。マンション売却で売却損(譲渡損失)が出た場合、所得がないため法的には確定申告の必要はありません。

しかし5年以上住んだマイホームのマンションを売却して、売却損が出た場合、確定申告を行って節税できる場合があります。

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マンション売却損で使える特例

マンション売却損で使える特例は以下の2つです。

(1)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マイホームの買い替えをする人が、住宅ローン残高があり、5年以上所有して売却、売却損が出て、面積50㎡以上ある新しいマイホームを購入した場合に使える特例です。

損失分の金額をその年のほかの所得から控除して(差し引いて)、控除しきれなかった分は以降3年間に繰越できます。他の所得から損失分を控除することを「損益通算」、控除しきれない損失分を翌年以降に繰越して控除することを「繰越控除」といいます。

この特例の適用例として、例えば所得が給与所得500万円のみの人が、マンションを売却して1,800万円の損失が出た場合、売却の年に給与所得から500万円の控除、翌年に500万円の控除、翌々年に500万円の控除、4年目の年に300万円の控除が可能です。

(2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
上記の「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と同じ内容ですが、「買い替えが条件ではない」、「繰越控除の限度額が異なる」という2点が違います。

この特例の場合、繰越限度額は損失分そのままの金額ではなく、次のように計算します。
繰越限度額=住宅ローンの残債-マンションの売却価格

例えばマンションを売却して1,000万円の譲渡損失が出たとします。このマンションの住宅ローンの残債が2,500万円、マンション売却価格が2,300万円の場合、この特例を使って繰越控除できる限度額は、200万円までとなります。売却損1,000万円をそのまま繰越控除できない点に注意が必要です。

マンション売却損を出さないための対策

キャッシュ・アウトを出さないために、何ができるでしょうか。ここでは、マンション売却損を出さないための対策をお伝えします。

経験豊富な不動産会社に仲介を依頼する

マンションの売却は、仲介を依頼する不動産会社の働きにかかっているといえます。仲介の依頼先は、マンションの売却実績が豊富で、信頼できる不動産会社を選びましょう。選ぶ際には、過去の取り引き事例について、売り出し価格と実際の売却額を聞くなど、過去の具体的な販売戦略について確認するのが有効です。

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余裕を持った売却計画を立てる

マンションの売却活動を行うと、よく値引き交渉が入ることがあります。中には大きな値引きを要求されるケースもあります。マンションを売り急ぐと、大幅な値下げに応じてしまい、売却損が出る可能性が高くなります。できる範囲で、マイホームの売却は余裕を持った売却計画を立てましょう。

リフォーム不要だが修繕・清掃を行う

マンション売却の際に数百万円単位のリフォームを行ってしまうと、売却損になる可能性が高くなります。なぜなら、リフォーム費用はそのまま売却価格に上乗せできないためです。
売却のためのリフォームは不要ですが、修繕・清掃は費用対効果が高くおすすめです。壊れた部分、不具合部分は修繕して、きれいに清掃を行うと、印象がよくなり売却できる可能性が高まります。

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まとめ

自己居住用のマンションの売却で損失が出るケースは多いです。損失分を取り戻すためにも確定申告を行いましょう。また信頼できる不動産会社を選ぶことで、マンション売却を有利に進めることができます。本記事がご参考になれば幸いです。

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