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マンションの1階が売れない原因は?対策と売却のコツをご紹介

マンション売却

マンション買取

2023.09.05
マンションの1階は売れないというイメージがありますが、うまくポイントをおさえることで売却の確率を上げることができます。この記事では、マンションの1階が売れにくい理由について解説した上で、マンションの1階のメリットや特徴、スムーズに売るポイントなどについてもお伝えします。   マンションの1階が売れにくい理由 マンションの1階が売れにくい理由について解説します。 防犯上の懸念がある マンションの1階には防犯面の懸念があるからです。 マンションによっては、オートロックなどのほか、雨戸・鎧戸といった設備をつけているケースもありますが、ベランダから簡単に入り込むことができるため、2階以上と比べると防犯面の懸念が大きくなる可能性があります。別途、警備会社との契約などの対策が必要になります。 プライバシーの問題 高い塀などがないマンションの1階では、通行人や自転車、車からの視線と住民の目線が同じ高さであるため、プライバシーを守ることが難しい傾向にあります。外から見られている、覗かれているという気持ちから、洗濯物を干しづらいというケースもあります。 害虫が入りやすい問題 マンションの1階は地上の植物や土地がすぐそばにあるため、害虫が入りやすいという問題があります。市販の防虫商品などで対策を講じることが必要です。 浸水被害のリスク マンションの1階の場合、自然災害による浸水被害のリスクは高くなります。 近年、日本では毎年のように台風や線状降水帯といった異常気象が起こっており、水害や土砂災害なども頻発しています。特に海や河川の近くにある土地、低い土地にあるマンションは浸水被害のリスクが高く、マンション購入を検討している人からは敬遠される原因となっています。 騒音と振動のリスク マンションの1階は、通行人の話し声、バイクや自動車の走行音、トラック通過時の揺れなどが伝わりやすく、騒音と振動のリスクがあります。 眺望と日当たりが悪い マンションの1階は、眺望と日当たりが悪いケースが多くみられます。眺望に関しては、1階からの景色となり、塀や植物、隣家がみえるだけ、といったケースも少なくありません。 また1階の部屋の場合、周囲に高層マンションやビル等といった高い建築物がある場合、日当たりや風通しが悪くなる傾向にあり、湿気がこもりやすいため対策が必要になります。 地面からの冷気リスク マンションの1階には、地面からの冷気が上がってきやすく、日当たりが悪いことも重なり、それらの影響から冬は底冷えする可能性があります。 マンションの2階以上の部屋は、下の階があり地面から直接冷気が伝わってくることはないため、冬の時期の底冷えは1階特有のデメリットといえるでしょう。。 マンションの1階のメリット マンションの1階のメリットについて解説します。 重い荷物を搬入・搬出しやすい マンションの1階の場合、重い荷物を搬入・搬出しやすいというメリットがあります。 エレベーターを占拠しないため、他の住人への配慮も少なくて済みますし、大型の家具や家電搬入・取り付けの際、直接部屋に運び込むことができるため、追加料金も不要です。 災害時の避難経路を確保しやすい マンションの1階の場合、災害時の避難経路を確保しやすいというメリットがあります。 地震が起こった際は、上層階ほど揺れが大きくなりますが、1階は最も揺れが少ない場所となります。火災時は煙が上に昇りますが、1階であれば迅速な避難が可能です。また、停電によってエレベーターが使えない場合にも1階であればスムーズに避難できます。 落下の心配がない 小さい子どもを育てている家庭は、子どものマンションの転落事故について心配があります。 マンションの1階の場合、窓やベランダからの落下による危険がないので安心です。 エレベーターを利用する必要がない マンションの1階であれば、エレベーターを使うこともなく、すぐに共用エントランスへ移動できます。 エレベーターの待ち時間がないため、小さい子どもがいたり、荷物を抱えていたりするときなどにも、ストレスがありません。 また、エレベーターの定期点検、交換等でエレベーターが一定期間できない可能性もあります。そのようなときにも1階であれば、そもそもエレベーターを使う必要がないため、ストレスを感じることはありません。 専用の庭やテラスが利用できる 物件にもよりますが、マンション1階には専用の庭やテラスがついていることがあります。 専用庭やテラススペースがあれば、家庭菜園やガーデニング、子どもの遊び場として活用できます。 1階のマンション売却の際のポイント 1階のマンション売却の際のポイントについて解説します。 売却するターゲットの明確化 マンションに限らず、不動産を売却する際は、どのような層をターゲットとするかを明確にし、効果的な販売広告や内覧対応を行いましょう。 ターゲット例:高齢者世帯 高齢者世帯は足腰が弱っていたり、将来的な介護に備えるといった観点から、階段やエレベーターを使う必要がなく、移動の時間と負担が少ない1階などの低層階を選ぶ傾向にあります。 また高齢の方は趣味としてガーデニングや家庭菜園などを好む人も多く、そのような高齢者にとって専用庭のある1階は、うってつけの環境といえます。 ターゲット例:幼い子どもがいる家族世帯 子育て世帯にとって、上述したように子どもの落下リスクがない1階の部屋は安心です。また、エレベーターを使わなくても共用エントランスへの移動ができますし、専用庭があれば子どもの遊び場としても活用できるといったメリットもあります。 1階ならではの魅力を強調する マンションの1階売却の際は、1階ならではの魅力を強調することが大切です。 1階であれば、エレベーターを使う必要がないため災害時の避難がしやすいですし、専用庭がある場合はガーデニングや家庭菜園などに興味がある人に対して、アピールできます。 セキュリティ面をアピールする 防犯面の心配を取り除くことができれば、高価売却、早期売却につながりやすくなります。 マンション1階の購入希望者の中にも、セキュリティ面での心配がある人はいますので、不安払拭の情報提供を行いましょう。 1階のマンション売却時の注意点 ここからは、1階のマンション売却時の注意点について解説していきます。 内覧時の部屋の紹介方法 マンション1階の内見の際には、特に明るさに注意するべきです。 1階は日当たりが悪いことも多いため、可能であれば内覧の時間は日が入りやすい時間帯にして、部屋中の全ての照明をつけて、明るい雰囲気をつくることが重要です。 ミラーカーテンを利用するのも、外の目が気にならない印象を与えるコツです。 洗濯物の心配を取り除く 1階マンションに住む上で気になるのが洗濯物のことです。購入希望者の立場としては、日当たりが悪い、また外から洗濯物が見られるのではという心配があります。 外部から洗濯物を見られないための対策としては、風を通して視線は遮るベランダ用の目隠しカーテンを使用する、洗濯物カバーを利用するなどが一般的です。 マンションによって日当たりが違うので一概には言えませんが、あまりに日当たりが悪いケースでは、衣類乾燥機の利用ができることを伝えるのも一つの方法です。これらの対策を内覧時に伝えることで、洗濯物の不安を軽減することができるでしょう。 防犯上の懸念を払拭する オートロックや防犯カメラ、警備会社との契約など、実際に取り入れている防犯対策について事前に情報提供し、防犯上の懸念を払拭することが重要です。 売りやすい1階のマンションの特徴 売りやすい1階のマンションの特徴について解説します。 日当たりが良い 1階でも日当たりが良ければ、湿気や洗濯物が乾きにくいといった心配がなく、売りやすいマンションと言えます。 1階マンションでも、周囲に高い建物がないなど立地環境によっては日当たりが良い部屋もあります。 セキュリティがしっかりしている 防犯対策がしっかりしている1階の部屋は売りやすい物件です。 オートロックのエントランスのあるマンションであれば、1階であっても外部から侵入しにくいマンションであるといえます。その他、防犯カメラ、警備会社によるセキュリティなどが充実していれば、セールスポイントとなります。 専用の庭がある 専用の庭がある1階のマンションは、アピールポイントが明確で売却しやすい物件といえます。 戸建てと同じように庭を活用できれば、花や野菜を育てたり、子育てのスペースに使ったりと自由な使い方ができます。 1階のマンションをスムーズに売る方法 1階のマンションをスムーズに売る方法について解説します。 セールスポイントの把握・アピール マンションの部屋の良いところも悪いところも、一番理解しているのは住んでいる売主自身です。内覧の際は、生活者の視点からのメリットやセールスポイントを事前に整理しておき、伝えることで、購入希望者が、その家で生活するイメージを持ちやすくなります。 1階ならではの専用庭や専用のカーポートなど、物件特有のセールスポイントを整理して、アピールできるように準備をしておきましょう。 1階のデメリットへの対策 不動産売却時にやってはいけないことは、デメリットを隠すことです。 デメリットを隠して売却してしまうと、最悪の場合、法的に訴えられて損害賠償を請求されることもあり得ます。 上述したように1階マンションのよくあるデメリットは、日当たりや防犯、騒音などさまざまなものがあります。それぞれについてどのような対策がなされているのかを正直かつ正確に話すことが、スムーズな売却を実現する最も健全な方法です。 マンション売却に強い不動産会社に任せる 1階のマンションをスムーズに売るには、マンション売却に強い不動産会社に仲介を依頼することが大切です。 不動産会社はどこも同じではありません。新築物件の売却をメインに行なっている会社や、管理専門の会社などさまざまです。 不動産会社の見極めのポイントは、中古マンションの売却実績が豊富であること、担当者が誠実であること、査定内容やその根拠が正確であることなどが挙げられます。また1階マンションの売却について担当者に意見を聞いて、セールスポイントはどこか、どのような販売プランが良いかなどを質問して判断することも有効です。 売却と並行して買い取りも視野に入れる 売却までの期限が決まっている、早めに売却を終わらせたい、といった都合があればは、売却と並行して不動産会社による買い取りも視野に入れることがおすすめです。 マンションの売却は、購入したいという人が現れるまで続くため、いつ売却できるかは誰にもわかりません。 買い取りであれば、おおむね1か月程度でマンションの売却と引き渡しまでが完了します。内覧対応、部屋の片付け・清掃やリフォームなど、売却のための各種作業も不要です。販売広告を出さないので、誰にも知られずに売却することができ、引き渡し時期も融通が利きます。 売却価格が市場価格を下回る可能性があることがデメリットとなりますが、確実な売却方法であるため、売却がうまくいかない場合は検討するだけの価値はあるでしょう。 まとめ 売れにくい、人気が低いといわれる1階の部屋を売却する場合、1階特有のデメリットについての対策を明確にすると同時に、メリットを最大限に前面に押し出すことが重要です。買い取りも視野に入れながら、信頼できる不動産会社と一緒に売却活動を進めていきましょう。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
2階マンションはなぜ売れない?売れにくい理由と売却のコツを解説

マンション売却

マンション買取

2023.09.05
マンションの2階に位置する部屋、「2階マンション」は売れないといった意見がありますが、ポイントをおさえることで、売却の成功率を上げることができます。 この記事では、2階マンションのデメリット・メリットを理解した上で、2階マンションのターゲット層にスムーズに売却する方法をお伝えしていきます。 2階マンションのデメリット 2階マンションのデメリットについて解説します。 湿気がこもりやすい 2階マンションは、湿気がこもりやすいというデメリットがあります。 湿気がこもりやすい原因としては、隣地の建物との距離が近くて風通しが良くない、日当たりが良くない、地面からの湿気が昇ってくる、などが挙げられます。 ベランダからの眺望が良くない 立地環境にもよりますが、2階マンションは、眺望に恵まれない事が多いです。特に都市部の場合は、近隣のマンションや戸建て住宅などが見られる程度で、あまり眺望には期待できないケースが多いでしょう。 防犯上のリスク 2階マンションは防犯上のリスクがある傾向にあります。2階程度の高さであれば、オートロックのエントランスがあったとしても、バルコニー側から侵入される可能性があるからです。 立地により日当たりが悪い可能性がある 近隣にマンションやビルなどがある2階マンションの場合、日当たりが悪い可能性があります。 周囲に建物が少ない場所であれば、日当たりが良いマンションもあるため一概には言えませんが、マンションが都市部や住宅密集エリアにある場合、2階の部屋は日当たりが悪い傾向にあります。 階下が駐車場の場合は底冷えする マンションの構造によって、1階にも部屋があるタイプと、1階がエントランスや駐車場になっているタイプがあります。1階がエントランスや駐車場などの場合、空間が空いているため2階の部屋が底冷えすることがあります。 2階マンションのメリット 2階マンションのメリットについて解説します。 安く購入することができる 2階マンションは、需要が限られるため資産価値が低く、比較的安く販売されています。 売主側としては、少しでも高く売却したいところですが、購入希望者側からすると、安く購入することができる点は魅力的なセールスポイントとなります。 もちろん、2階の部屋だからといって必ずしも安く売却する必要はなく、物件の良い点をアピールすることで、より高値で売却できる可能性は上がります。 コストパフォーマンスが良い 付属設備・サービスが充実しているマンションの場合、2階の部屋はコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。 マンションによってはジム・プールやフロントサービスといった付属の設備・サービスが提供されているところもあります。 そのようなマンションの場合、2階であれば他の部屋よりも安価に購入できる一方で、他の部屋と同じ設備・サービスを利用できることが大きなメリットとなるでしょう。 固定資産税が安くなる(タワマンの場合) 2017年4月以降に新築されたタワーマンションの2階の部屋であれば、他の部屋よりも毎年の固定資産税が抑えられることが期待できます。 2017年の税制改正により、2017年4月以降に新築されたタワーマンションの2階の部屋は、高層階よりも固定資産税が安くなります。2017年4月以前に建てられた中古のタワーマンションの場合は、従来どおり、低層の部屋も高層の部屋も固定資産税は変わりません。 20階以上(60メートル超)の建物をタワーマンションと定義されていて、中間階を基準に、階が下がるごとに、約 0.26%ずつ固定資産税が安くなります。 移動する際に便利 2階マンションは、エレベーターの他に、階段でも簡単に移動が可能です。朝の忙しい時間にも、ストレスなく外出できる点は大きなメリットといえます。 高層マンションの上層階では数分間のエレベーターの待ち時間が発生することも珍しくありません。 災害時に避難しやすい傾向にある 移動の便利さは、災害時の避難しやすさにもつながります。 火災が起こった際は煙が発生しますが、煙は下から上に昇っていく性質があります。2階の部屋であれば煙に巻かれる前に迅速な避難が可能です。水害の際にも、1階より高さがあるため、被害にあいにくい特徴があります。 地震の際に揺れが少ない 地震が起こったとき、マンションの上層階ほど大きく揺れ、2階マンションは比較的、揺れが小さくなります。また被災後の生活においても、停電でエレベーターが使えないと、マンションの上層階は階段の上り下りで大変ですが、2階の部屋ならスムーズに出入りできます。 エレベーターと階段を併用できる 2階マンションは、エレベーターと階段を併用できます。 エレベーターの待ち時間が長ければ、階段を利用してすぐに外出できます。小さな子どもがいる子育て世帯や高齢者世帯にとって、出入りしやすい2階の部屋は一定の需要があるといえます。 2階マンションを売却する際のポイント 2階マンションを売却する際のポイントについて解説します。 2階の部屋特有の魅力を強調 売却する際は、2階マンション特有の魅力を、購入希望者に対してアピールすることが大切です。購入希望者の内覧対応時には、上述した2階マンションのメリットに加えて、自分自身が生活する中で感じているメリットも伝えられると良いでしょう。 メリットだけでなく、デメリットについても正直に伝えることで、売却後のトラブルを防ぎ、購入を検討している人の信頼を得ることができます。 リフォームや改修で価値向上を行う リフォームや改修で価値向上を図るのも一案です。 ただし、売却のためだけに、過度なリフォームはやらないほうが良いです。お金をかけても、購入希望者の嗜好にあうか分からないためです。 とはいえ、マンションの設備が故障している、壁に穴が開いているといった生活に支障が出るほどの不具合がある場合は、改修後に売却したほうが購入検討者の心象も良くなり、売却の成功率が上がります。 最低限の修繕を行った上で、キッチンやお風呂、トイレなど水回りを中心に清掃を行いましょう。 売却がうまくいかない場合は、不動産会社とも相談の上で、安価にできるクロス(壁紙)の張替えなど、費用対効果の高いリフォームを検討してもよいでしょう。 売却ターゲットの明確化 売却ターゲットを明確化することで、アピールするべきポイントがはっきりして、効果的な販売活動ができます。具体的なターゲットについては次項で詳しく解説します。 2階マンションのターゲット 2階マンションのターゲットには、以下のような方が挙げられます。 マンション購入のコストを抑えたい方 マンションの2階は高層階に比べると比較的安価に取引きされることが多いです。 そのため、日当たりや眺望の悪さ、湿気が多いなどのデメリットを理解した上で、マンションの購入コストをおさえるために2階を選ぶ世帯は存在します。 子どもがいるファミリー世帯 子育て世帯の場合、エレベーターと階段を併用できるため、小さな子どもを待たせずに移動できます。そのため、荷物の出し入れにも時間がかからず便利です。また1階部分が駐車場などの空間であれば、下の階に子どもの足音が響くことを気にせずに生活できます。 災害時の避難しやすさを重視する方 災害時の迅速な避難を重視する世帯には、2階マンションは人気があります。上述したように地震や火災などの万が一の事態が発生すると停電が起こる可能性もあります。停電でエレベーターが使えない状況でも、2階マンションなら上層階よりも不便を感じることなく避難が可能です。 共用エントランスまでの移動に時間をかけたくない方 マンションの共用エントランスまでの移動に時間をかけたくないというニーズもあります。 2階であれば、エレベーターが混雑していても階段の利用が比較的楽にできるため、共用エントランスまで移動しやすさを重視する高齢者世帯などに2階マンションのメリットを訴求できるでしょう。 売却しやすい2階マンションの特徴 売却しやすい2階マンションの特徴について解説していきます。 日当たりが良い 日当たりが良い物件は売却しやすいといえます。 2階マンションであっても、周囲に建物がなかったり、低い建物ばかりであったりなど、立地・周辺環境によって日当たりが良い物件もあります。 交通アクセスが良い 交通の便の良さは大きなセールスポイントとなります。 マンションの購入を検討する際、通勤通学のための交通アクセスの良さを重視する世帯は多いです。そのため、2階特有の出入りのしやすさもあわせて、アクセスの良さを重視する世帯に訴求できます。 防犯対策がしっかりしている 防犯対策がしっかりしている2階マンションであれば、不審者が侵入しやすいという防犯上のデメリットを払拭でき、売却しやすい物件となります。 オートロックのエントランス、管理人が常駐している、高い塀がある、警備会社と契約しているなど、マンションの防犯対策についてチェックしておきましょう。 2階マンションをスムーズに売却するコツ 2階マンションをスムーズに売却するコツについて解説します。 高層階の物件より売却価格を下げる 2階マンションをスムーズに売却するためには、高層階の物件より売却価格を下げることが基本となります。2階マンションは高層階と比べて需要が限られているためです。 高層階の部屋よりも売却価格を高く設定する場合、「角部屋で南向きの物件である」、「フルリフォーム済」など物件特有の諸条件や理由の説明が必要です。 水回り設備を中心にきれいにする 水回り設備をきれいにすることは、売却の成功率を上げる鉄則といえます。 なぜなら、キッチンやお風呂、トイレといった水回り設備は、その物件の印象を決める重要なポイントとなるからです。自分自身で清掃しきれない場合は、プロのハウスクリーニング業者に依頼しても良いでしょう。 売却に強い不動産会社に仲介を依頼する マンションを早期売却するためには、中古マンション売却の実績が豊富な不動産会社に仲介を依頼しましょう。 特に売却予定のマンションのあるエリアでの、マンションの売却実績が豊富であることが望ましいでしょう。実際に不動産会社を選ぶ際は、マンションの査定を通じて、査定価格の根拠や、担当者の人柄も確認しましょう。 売却だけでなく買い取りも検討する マンションの売却期間は、売り出してから売買契約成立まで平均で3か月から6か月程度といわれています。しかし、売却したい期限が決まっている、現金化を急いでいるなどの事情がある場合は、不動産業者の買い取りサービスを検討しても良いでしょう。 買い取りなら買主を探す手間も時間もかからず、1か月程度でスムーズに売却が完了します。 また、買い取りの場合、引き渡し時期の相談に応じてくれますし、周囲に知られずに売却できるなどのメリットもあります。不動産業者によっては、清掃や不用品処分、リフォーム等を引き受けてくれる場合もあります。 買い取り価格は市場価格を下回る可能性がある点はデメリットですが、状況によっては、買い取りも選択肢の一つとして考えても良いでしょう。 まとめ 2階マンションの部屋は、日当たりや防犯面などでデメリットはありますが、低層階特有のメリットもたくさん存在します。ターゲットに対して、2階マンションのメリットを上手にアピールすれば、売却できる確率を上げることができます。買い取りも視野にいれながら、信頼できる不動産会社と納得のいく売却活動を進めてみてはいかがでしょうか? 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
マンションの最上階は高く売れる?市場価値と高値売却のコツを解説

マンション売却

マンション買取

2023.09.05
人気のあるマンション最上階の部屋の売却にも、注意しておきたい点があります。この記事では、これからマンション最上階の部屋の売却を検討されている方に向けて、最上階の部屋のメリット・デメリットについて解説したうえで、高く売却するコツについてお伝えします。 マンションの最上階の資産価値が高い理由 マンションの最上階の資産価値が高い理由について解説します。所有するマンションに該当するポイントがあるかを確認してみましょう。 眺望・日当たりが良い 最上階の部屋の大きなメリットとして、眺望・日当たりが良いことが挙げられます。 最上階の場合、周辺に大きなマンションが建っていない限り、常に良い眺めを楽しむことができます。海や山といった自然はもちろん、首都圏であれば富士山や東京スカイツリーなどのランドマークなど、その土地の美しい景色を遮蔽物なしに見晴らせることは、大きなポイントとなります。 また最上階は上階がないため、日当たりは抜群で、家庭菜園にも向いています。高い場所にあるため風通しもよく、カビが発生しにくい環境もメリットです。 上からの物音・騒音がない 最上階は上階がないため、上の階の生活音・騒音がなく快適に過ごせます。 マンションなどの集合住宅の場合、上階の子どもの足音や掃除機の音といった生活音はストレスになることも多く、深刻なケースでは裁判に発展することもあります。 また、地上からの距離もあるため、車やバイクが走行する音、通行人の声などの騒音も気にならないメリットがあります。 虫が入りにくい マンションは階層が上がるほど虫が入りにくい傾向にあります。 ゴキブリは高層階であるほど発生しにくくなります。蚊の場合は自力で飛べる高さは地上10mくらいまでとされており、これはマンションの3階程度の高さになります。よって4階以上であれば蚊の心配はほとんどないといえるでしょう。 虫が苦手であるという人は多いので、虫が寄り付きにくいマンションの最上階の部屋は大きなアピールポイントとなります。 最上階の部屋というステータス マンションは階層が高くなるほど売買価格も高くなり、最上階が最も高額になります。また最上階は戸数が少なく希少性があります。 最上階の部屋が最も高いことは広く周知されており、それが一種のステータスとなっています。他の部屋よりも希少性の高い部屋に住む優越感を得られることが、最上階が選ばれる大きな理由の一つとなっています。 また最上階というステータスから、築年数が経過した中古マンションとなっても値下がりしにくいという売却の際のメリットもあります。 防犯やプライバシーが確保しやすい マンションは階層が上がるほどに不審者・犯罪者の侵入が難しくなり、最上階は、マンションの中で最も防犯性に優れているといえます。 警視庁の侵入窃盗の発生場所についてのデータによると、住宅における生じた侵入窃盗の件数割合は4階建て以上の共同住宅では最も低くなっています。最上階だから絶対安心とは言い切れませんが、安全性は高いと言えるでしょう。 また、最上階の部屋は、高い位置に部屋があるためプライバシー保護の面でも優れています。通行人や走行する車から部屋を覗かれることはありませんし、近隣住宅からの視線も入りづらい状況であるためプライバシーを保つことができます。 特別なスペースをアピールできる可能性がある マンションによりますが、高層マンションの最上階には、ルーフバルコニー、ルーフテラスと言った特別なスペースや、他の階よりも広い間取りがある場合が多いでしょう。 これは隣の土地の日当たりを確保するための法律である「北側斜線制限」によって、斜めに一定の角度をつけて建物を建てる必要があり、最上階に設定できる住戸数に限りがあるからです。そのスペースの活用としてルーフバルコニーなどの特別なスペースの設置や広い間取りの設計となり、開放感のある快適な住まいの環境が生まれやすくなります。 マンションの最上階のデメリット マンションの最上階のメリットは多いですが、次に挙げるようなデメリットもあります。それぞれのデメリットについて、所有するマンションにどのような対策が講じられているかを確認してみましょう。 夏場に冷房が効きにくい場合がある 最上階は日当たりが良いというメリットがある反面、日当たりが良すぎて夏は暑くなるというデメリットもあります。 最上階の部屋は上部に部屋がなく、外気に触れる面積が大きいことから、季節の影響を受けやすく、夏場は常にエアコンで冷房をかけるケースが多いといえます。 ただし、近年は断熱性の高い建材を使っていて、外気の影響を受けにくいマンションもあります。中古マンションの中でも築年数の古い高層マンションの方が、日当たりが強すぎるといった外気の影響を受けやすいといえます。 実際に暮らしてみた感覚を伝えることができるように、事前に整理されておくとよいでしょう。 エレベーターの待ち時間が長い マンションの高層階の住民にとって大きな不満となるポイントが、エレベーターの待ち時間が長いことです。 エレベーターの待ち時間はマンションが高層であればあるほど長くなります。これは、地上からの距離はもちろん、途中の階での乗り降りによる停止時間があるためです。 特に通勤・通学の時間帯はエレベーターが混雑するため、数分の待ち時間が発生するマンションもあります。混雑を避けるため、マンションによっては複数のエレベーターを備えているケース、エレベーターが高層階用と低層階用に分けられて効率的に運用されているケースもあります。 所有するマンションにおいて、朝の通勤・通学の時間帯にどれくらい時間がかかるかを確認されておくとよいでしょう。 他の部屋よりも値段が高い 最上階は他の部屋よりも売買価格が高くなる傾向があります。それが一種のステータスになる一方で、購入希望者にとっては購入のハードルが高くなります。 つまり、他の部屋に比べて購入できる世帯が限られることになり、売却のチャンスが減ることにつながります。ただし、最上階の購入希望者層は比較的裕福な世帯が多く、価格よりも最上階というプレミア感や良い間取り、設備を重視する傾向にあります。 価格よりも最上階のステータスが欲しいと考える、購入希望者層に適した広告宣伝の戦略を不動産会社と一緒に考えておく必要があります。 災害の影響を強く受けやすい 万が一の災害時に、マンション最上階の部屋は影響を強く受けやすいというデメリットがあります。地震の際は、下層階よりも上層階が大きく揺れ、最上階は最も揺れが大きくなります。また火災の際は、煙は上に昇ってくるため、一酸化炭素中毒などのリスクが増します。 被災後に停電や断水が発生した場合は、電気が復旧するまで階段での昇り降りが必要です。最上階は地上までの距離が長く、さらに飲料水や荷物を運ぶ不便さもあり、生活が困難になる可能性があります。 所有するマンションが、地震の揺れに対してどのような構造(耐震、免震、制振)になっているかなど、地震に対してどのような備えや対策を講じているかを確認しておくとよいでしょう。 売れ残りやすい最上階の部屋の特徴 売れ残りやすい最上階の部屋には、以下のような特徴があります。 エレベーターがない 4階や5階といった低層マンションでは、エレベーターが設置されていない建物も多く存在します。 そのようなマンションの最上階の部屋は、移動の困難さが予測されるため、敬遠されて、売れ残りやすい傾向にあります。 ただし不便な点を踏まえた価格設定が行われるため、昇り降りを苦にしない若い世帯や最上階のメリットを享受しつつコストを抑えたい世帯向けのニーズは期待できます。 築年数が古い 最上階の部屋に限らず、築年数が経過しているマンションの部屋は売れ残りやすいといえます。 マンションは数十年に一度の定期的な大規模修繕が行われますが、築年数が経つごとに修繕すべき箇所が増えるため、それに伴い修繕積立金も増加する傾向にあります。 水圧が弱い 水圧の弱さが、マンションの売れ行きに影響する可能性があります。 給水方法が、高置水槽方式である場合、最上階の部屋は水圧が弱いケースがあります。 高置水槽方式とは、水道管から水を引いてマンションの屋上にある水槽に一旦貯めて、水槽から各部屋に給水する方法のことです。重力を利用して水に圧力をかけることから、水槽の位置が高くないと水圧が足りず、最上階の水の出が悪くなってしまいます。 最上階特有のメリットがない部屋 最上階特有のメリットがない部屋は売れ残ってしまう可能性が高くなる傾向にあります。 上述した通り、マンションの最上階には日当たりの良さ、眺望が良いといったたくさんのメリットがあります。そのメリットがあるからこそ、他の部屋よりも高額な販売価格であったとしても、購入希望者が出てきます。 しかし、全てのマンションの高層階が、日当たりが良い、眺望が良いわけではありません。隣地により高層のマンションがある場合は、眺めが悪くなったり、プライバシーの問題が出てきたりと、最上階特有のメリットがなくなる可能性もあります。 マンションの最上階を高く売却する方法 マンションの最上階の部屋は人気がありますが、高く売るためには、様々な工夫が必要です。ここからは、マンションの最上階を高く売却する方法について解説していきます。 価格上昇時に売却する マンションの価格が上昇傾向にある時期は、マンションを高額で売却しやすくなります。 金融緩和政策による低金利により住宅ローンが組みやすくなったこともあり、2013年以降、日本のマンション価格は上昇を続けています。 不動産価格は市場の動きや社会情勢、景気など様々な要因によって上下するため、今後の不動産価格がどう動くかを正確に読み取ることはできません。そのためマンション売却は早めに販売活動を行うことが高く売るコツといえるでしょう。 築年数が浅い期間に売る 築年数が浅い時期に売却することで、高額でマンションを売却する可能性が高くなります。 マンションの価格は築年数が経つごとに下落していきます。最上階の部屋は、他の部屋に比べると価格の下落が少ない傾向にはあります。しかし、古くなるごとに価値が下がる事実は変わりません。特に築数年~10年といったいわゆる築浅のマンションの場合、新築よりは価格が手ごろになっている一方で、マンションの機能はそれほど落ちていないことから、人気が出る傾向にあります。 災害時の最上階の不安を解消する 最上階の部屋の購入を検討している人がもつ災害に対する不安を解消しましょう。 上述した通りマンション最上階の部屋は、災害の影響を強く受けやすい傾向にあります。 この不安を解消するために、耐震構造や耐火構造などの災害に対するマンション自体の耐久性、マンションや地域自治体の災害時対応マニュアルを提示する、売主個人としての災害の備えなど、様々な情報を提供することが重要です。 まとめ 最上階のマンションは売却する上で、日当たりや間取りが良い、虫がいない、防犯面で優れている、ステータスがある、など数多くのメリットが存在します。一方で価格が高額になりやすく購入層が限られてきますし、最上階のマンション特有の、デメリットも存在します。 最上階のマンションを高く売却するためには、最上階のメリットを前面に押し出したうえで、デメリットに対する不安を解消するための誠実な情報提供が大切です。 最上階は不動産業者による買い取りでも査定額が下がりにくいので、不動産売却の期間に限りがある場合や売却がスムーズにいかない場合は、買い取りを検討してみてもよいでしょう。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
50代の住み替えを成功させるには?基本的な考え方から失敗リスクをおさえるコツまで解説

住み替え

2023.06.27
50代は、マイホームの住み替えを検討する方が多い年齢です。本記事では、50代で住み替えをする際の注意点を踏まえて、住み替えで失敗しないためのポイント、持ち家の具体的な取り扱い方法までをわかりやすく解説していきます。 50代が住み替えを考える人が多い理由 なぜ50代で住み替えを考える人が多いのか、その理由について解説します。 子どもの独立などで老後を踏まえたライフスタイルが確立する ライフスタイルが確立して、サイズや間取りなど必要な家のニーズが定まっているため、住み替え先の住宅を探しやすい、または建てやすい時期だからといえます。 50代という年齢は、子どもの進学や就職などで子どもが独立して、子育てが終わったという方が多い世代といえます。加えて、経済的にも余裕ができる時期でもあるため、ずっと検討していた場所への移住や、老後を見据えての終の棲家探しに目を向けやすくなるのかもしれません。 20代・30代で購入した家が老朽化している 持ち家の老朽化に伴うリフォームの必要性に迫られ、リフォームのみならず、新たな家に移る選択肢も併せて検討される時期だからといえます。 20代・30代で購入した持ち家が50代になると、新築で建築した家でも築20~30年となるため、老朽化が進んでいる可能性が高いでしょう。中古住宅を購入していた場合は、より老朽化が進んでいるといえます。 リフォームの費用は部分的なものでも100万円単位のお金がかかる場合があります。また、建物全体のリフォームの場合、リフォーム費用は1000万円以上かかることもあります。そのため、リフォームに費用をかけるよりは新居の賃貸や購入、新築を検討する人も多いでしょう。 収入が高く、まだ住宅ローンの利用も可能 50代は経済的に余裕があり、ゆとりのある住宅ローンを組むラストチャンスだからです。 50代の人の場合、20~30代に比べると収入に余裕のある方も多い傾向にあります。また完済年齢を考慮しても50歳なら、ゆとりのある住宅ローンが利用できる可能性が高いでしょう。さらに、年齢を重ねるとゆとりのある住宅ローンの利用が難しくなるため、住宅ローンを使った住み替えを考えているなら50代がラストチャンスといえるかもしれません。 関連記事はこちら ▶ マンション住み替えタイミングの決め方は?おすすめのタイミングと損しないためのコツを紹介 50代で住み替えを検討するなら早い方が良い 先述のようにさまざまな理由から、50歳で住み替えを検討される人がいるでしょう。しかし、その検討と着手は早い方が望ましいです。その理由について解説していきます。 50代なら気力・体力がまだまだ充実している 50代は住み替えに必要な気力と体力があるからです。 住み替えは、元々の住居の売却と、新居を探すか新しく建てるという、2つの大きなイベントを同時に行う必要があります。住み替えには相当な時間と労力がかかるため、60代以降になると健康面でも精神面でも新しい環境に適応することが年々難しくなります。いずれ住み替えをやると決めているのであれば、元気なうちに早めに行動を起こすことが望ましいでしょう。 関連記事こちら ▶︎マンション住み替えを大変にする要素とは?失敗しないためのポイントをご紹介 60代以降になると選択肢が限られてくる 年を重ねるにつれて、特に60代以降になると、住宅ローンの利用や賃貸の住み替えなど、クリアしなければいけない条件が厳しくなるため、選択肢が限られてしまうからです。 住宅ローンは申し込みができる年齢制限が65歳以下、あるいは70歳以下という金融機関がほとんどです。住宅ローンを活用して新居の購入、新築を行う場合には、年を重ねれば重ねるほど、退職した後に毎月の返済を行っていく収入面の懸念、団体信用生命保険に加入する際に持病で審査が通りにくくなる健康面の懸念があります。 また賃貸住宅に住み替えを検討する場合、高齢となると入居やその後の更新を断られてしまうケースもあります。 現在の家の資産価値があるうちに売却すべき 建物は築年数を経れば経るほど、売却価格が下落していくからです。 持ち家に住んでいる場合、その持ち家は、年々市場価値が減少していることを認識しておきましょう。住み替えの予定があるのであれば、持ち家の市場価値が下落して、売却が難しくなる前に、売却を決断した方が望ましいでしょう。また、老朽化が進み、設備故障や破損が生じれば、修繕費用が必要となる可能性もあります。 もちろん、築年数が古くなったからとはいえ売却は可能です。しかし、築20年よりも築30年、築30年よりも築40年と築年数を経るほど売却しにくくなり、売却価格はどんどん下落していきます。 50代の住み替えで失敗しないためのポイント 50代の住み替えで失敗しないためにおさえておきたいポイントについて解説していきます。 住宅ローンは余裕のある資金計画をもとに利用する 余裕のある資金計画を立てるように心がけましょう。 退職後は大きく収入が減る可能性もあります。その一方で、50代で住宅ローンを組む場合、返済期間が短くなる可能性もあるため、月々の返済の負担は大きくなります。状況を考慮して、借りられる上限ぎりぎりではなく、余裕のある住宅ローンの返済プランとなるようにしましょう。 また、老後生活の資金計画も考えると、将来的な退職金の取り扱いにも注意が必要です。基本的に退職金は、住宅ローンの返済には使わず、老後の備えとして確保しておき、不測の事態が起こった時に対応できるようにしておきたいものです。 関連記事はこちら ▶︎マンション住み替えにはどんな費用がかかる? マンションか一戸建てか、持ち家か賃貸かを慎重に選択する 住み替え先として、住宅種別としてマンションか一戸建てか、購入するか賃貸にするかを慎重に判断しましょう。 50代からの新居選びは年齢を重ねていくことも考慮して、自分自身だけでなく、家族とも十分に相談を重ねる必要があります。 住み替え先として、マンションもしくは一戸建てを購入する際に、マンションから戸建て、あるいは戸建てからマンションへの住み替えの場合は、生活スタイルの変化に戸惑う可能性にも留意しておきましょう。なお、マンション、一戸建ていずれにしても購入(新築)に加えて、メンテナンスも必要になります。過度な費用や体力の負担が生じないか、確認も必要です。 一方、賃貸住宅を選ぶ場合には、年齢を重ねてからの契約更新の可否、介護が必要になった時のリフォームの可否を確認する必要があります。年齢を重ねると収入面や健康面の懸念が大きくなることから、契約更新ができないケースもあります。また、リフォームについて、貸主の同意を得られない場合もあります。生涯にわたって家賃支払いを継続できるか否かも考慮して、慎重に検討を進めましょう。 新天地への移住は移住先の事前調査をしっかり行う 今まで住んだことがない新天地への移住なら、事前の移住先の調査をしっかり行うことが大切です。 50代からの住み替え先として、新天地を選ぶ人もいるかと思います。田舎暮らしへの憧れはもちろん、近年のコロナ禍によるリモートワークの普及もあり、都心から地方への移住を希望する人は多いでしょう。 しかし、憧れだけで移住した結果、想像以上の気温の変化、厳しさなどを後から知って後悔するケースもあります。 住んだことがない場所へ移住する際には、スーパーや病院など必要な生活施設があるか、周辺の環境の下調べを行うほか、さまざまなシーズンに、実際に現地に何度も足を運んで、体感しておくことが重要です。 将来的な介護の必要性・バリアフリーの重要性を認識する 長い老後を見据えて、将来的な介護の必要性・バリアフリーの重要性を認識したうえで、新居選び、あるいは新しい戸建ての設計を行うことが大切です。 厚生労働省が公開している日本人の平均余命がわかる令和3年の簡易生命表によると、50歳の平均余命は男性32.93年、女性38.61年です。つまり平均で男性は82.93歳、女性は88.61歳まで生きることが予測されます。寿命が延びることは大変喜ばしいことですが、一方で生きている間に介護が必要になる可能性があることにも目を向けておきましょう。 住み替えを成功させるための持ち家の取り扱い ここからは、住み替えを成功させるための持ち家の、具体的な取り扱いについて解説していきます。 まずは現在の持ち家の査定を受けることが住み替えの第一歩 住み替えに際して、持ち家を売却する場合、まずは現在の家の不動産査定を受けることが、住み替えの第一歩となります。 インターネットの査定サービスや実際に不動産会社を訪問するなどして、複数の不動産会社に持ち家の査定依頼をしましょう。査定には過去の取引事例価格から概算価格をすぐに算出できる机上査定と、担当者が家を直接訪問して査定する訪問査定があります。住み替えが確定している場合は、まずは机上査定の結果をもとに、信頼できる不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。 査定結果によって、住み替え先の新居のために使用できるおおよその資金が把握できます。新居に使える資金が具体化することで、新居選びの基準ができるので次のステップに進むことができます。 賃貸に出すという選択肢もある 現在の持ち家がローンを完済している場合、その家を賃貸住宅として貸し出すという選択肢もあります。賃貸物件によって得られる不動産所得は、老後の生活を支える安定した収入源になる可能性があります。 ただし、持ち家を賃貸物件として貸し出すにあたっては、大きな前提として賃貸需要があるエリアかどうかの見極めも必要です。また賃貸に出す際には、下記のようなリスクがあることにも注意しておきましょう。 ・空室リスク:入居者が見つからなければ、空室のまま固定資産税等の税金を支払い続けることになります。 ・家賃滞納リスク:入居者が家賃を滞納するリスクがあります。 ・入居者トラブルのリスク:近隣住民とのトラブル、ゴミ屋敷などの入居者によるトラブルが発生するリスクがあります。 このように、持ち家を賃貸住宅にする場合は、一つの事業としてやっていく覚悟が必要となります。また持ち家を賃貸に出す場合、売却収入が得られないため、住み替え先の購入費用は売却収入を考慮せず、資金計画を立てる必要があります。 関連記事はこちら ▶︎住まなくなったマンションは売却か賃貸かどっちがお得?メリット・デメリットと判断基準を解説 なかなか売却できないなら買取サービスの利用も検討 持ち家の売却が難航した場合には、不動産会社による買取サービスも検討してみましょう。買取サービスであれば、売却のためのリフォームや家財の整理が不要な場合もあるので、売却に伴う手間が少なくて済みます。 また、売却後の契約不適合責任を引き受ける必要もありませんし、引き渡し時期なども融通が利くため、住み替え先の住宅購入スケジュールの調整も図りやすいメリットもあります。ただし、仲介による売却価格と比較すると、低くなってしまう点が、唯一のデメリットといえます。 買取サービスは、不動産会社が買い取りするので売却先を探す手間も時間もかからず、スピーディな売却が可能です。住み替えの際に持ち家の売却が進まない時には、不動産会社による買取サービスの利用を検討してみましょう。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします ▶︎マンション買取は損?注意点、失敗事例、成功させるためのポイントを解説 ▶︎マンション買取のデメリットとは?通常の仲介との違いや業者選びのポイントを解説 まとめ 50代は、住み替えをするうえで十分な条件が整っているタイミングといえます。 一般的には収入にも余裕がある人が多い年代であるため、住宅ローンの審査についても、60代ほど厳しくないでしょう。とはいえ、住宅ローンを利用する場合は、老後の収支の変化も考慮して、上限いっぱいの金額ではなく、余裕を持った返済プランを立てる姿勢が大切です。 住み替え先については事前に十分話し合い、周辺環境についても事前の下調べもしっかりと行いましょう。住み替えは早めに行うことで、より良い条件で進めることができます。持ち家の売却が進まない時に備えて、買取サービスも視野に入れながら賢く住み替えを進めていきましょう。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
マンション売却の内覧のコツとは?内覧の印象を上げるポイントと注意点を解説

マンション売却

2023.06.26
居住中のマンションを売却する場合、購入希望者の内覧への対応が必要です。この記事では、内覧の準備や当日の対応をどうするべきか悩んでいる方に向けて、内覧で好印象を与えるポイントと注意点についてお伝えします。記事後半では、内覧がなかなか入らないケースの対策についても解説します。 マンション売却で行う「内覧」とは ここでは、マンション売却で行う内覧の基本とポイントについて解説します。 内覧とは購入希望者が部屋を見ること マンション売却における内覧とは内見ともいわれるもので、購入希望者が購入を検討している不動産物件を実際に見ることです。つまり売主側にとっての内覧は、購入希望者に売却予定のマンションを実際に見せることを指します。 内覧は、マンション購入を検討している人が、現地でマンションの状態を確認して、購入するかどうかを判断する重要なイベントです。 マンション売却が決まるまでの内覧数 マンションが成約するまでの平均的な内覧数は、一度の内覧で決まるケースもあるので、一概にはいえませんが、一般的にマンション売出しから成約までの平均期間は3~4ヵ月程度といわれているので。仮に月に2回内覧が入ったとすると、3~4ヵ月の売却期間の場合の内覧回数は、6件から8件程度となります。 売却するマンションのエリアや状態は一律ではないので、内覧回数にこだわる必要はありません。ただし、まったく内覧が入っていない場合は、対策する必要があります。具体的な対策については後述します。 マンション売却の内覧の手間を軽減するなら先に引っ越す マンションの内覧日は、売主側の都合だけでは決められず、内覧希望者の希望する日程との調整を行う必要があります。また内覧受け入れ前の清掃や片付けも必要です。 内覧希望が入るたびに日程調整と事前準備が必要なので、内覧対応にかかる売主の負担は大きいといえます。内覧のたびに清掃をするなどの手間を軽減したい場合、先にマンションを売ってから新居を買う「売り先行」の売却方法ではなく、いわゆる「買い先行」で住み替えを進めるのも一案です。 「買い先行」とは、マイホームの買い替えの際、先に新居を購入して引っ越しした後に空室となったマンションを売却する方法です。そのため「買い先行」であれば、売却するマンションの中には家具が無い状態があり、内覧のたびに清掃する手間は軽減されます。 ただし買い先行によるマンション売却は、新居と売却予定のマンションの住宅ローンが二重(ダブルローン)になることや、売却代金が確定しないので資金計画が立てにくいといった注意点もあるので、慎重に検討する必要があります。 マンション売却の流れと内覧の流れ ここではマンション売却全体の流れと内覧の流れについて解説します。 マンション売却全体の流れ マンション売却全体の流れは以下の通りです。 ①売却予定のマンション査定を不動産会社に依頼する ②不動産会社とマンション売却の媒介契約を結ぶ ③売却活動開始~内覧対応 ④買付申込(価格等条件の交渉) ⑤売買契約の成立 ⑥引っ越し ⑦決済・マンション引き渡し ケースによりますが、査定から媒介契約までは2週間から1ヵ月ほど、売却開始から契約成立までは平均で3~4ヵ月となります。不動産会社によっては、極端に高い査定価格を出す会社もあります。複数の会社へ査定依頼して、高い査定価格に飛びつくのではなく、査定価格の根拠を示してくれる信頼できる不動産会社を選びましょう。 また、内覧対応日は購入検討者の休日である土日に集中する傾向があります。そのため、売却期間中は土日のスケジュールにゆとりを持たせるように心がけましょう。 関連記事はこちら ▶︎不動産売却の流れを徹底解説!初心者が損しないためのポイントもお伝えします マンション売却の内覧の流れ マンション売却時の内覧の流れは以下の通りです。 ①購入検討者からの内覧の申し込みと日程調整 ②売主側の事前準備(清掃と片付け等) ③内覧対応 ④内覧者が購入を希望すれば買付証明書の提出と条件交渉が行われる 実際に内覧する時間は、内覧者によりますが、およそ30分です。主な対応は不動産会社の担当者が行いますが、売主に対して質問されたことには真摯に対応しましょう。 マンション売却で内覧前に準備するべきこと ここでは、マンション売却で内覧前に準備するべきことについて具体的に解説します。 整理整頓を行う マンション内の整理整頓を行いましょう。 入居中のマンションは、家具・家電・家財などがあるため、部屋が狭く見えてしまいがちです。まずは、不用品を徹底的に捨てましょう。売却後には引っ越しを控えているので、不用品の処分は一石二鳥といえます。 また、細々とした物を床に置かないようにしたり、玄関の靴を収納したり、スッキリとした印象を与えるように心がけると良いでしょう。 部屋に占める物の割合を減らして空間を確保し、部屋を広くスッキリと見せて、購入検討者の印象アップを図ります。どうしても収納場所に困った場合は、一時的なトランクルームの利用を検討しても良いでしょう。 水回りを中心に掃除を行う 掃除をして清潔感のある印象を与えます。 特にキッチン・お風呂・トイレなどの水回りを中心にきれいに清掃を行っておくと、清潔な印象を与えます。どうしても落ちない汚れは、ハウスクリーニングでプロの手を借りる方法もあります。水回りやリビングだけでなく、バルコニーなども忘れずに、全体的な清掃を心がけましょう。 その他の準備(スリッパ・消臭・ペット) 基本的にスリッパは不動産会社などが用意するケースが多いですが、急に内覧する人数が増える時もあります。予備として使い捨てスリッパがあると安心です。また、部屋の臭い対策については、好き嫌いがあるため芳香剤ではなく、消臭剤が望ましいでしょう。 ペット可マンションの場合は、飼い主には気にならなくてもペットの臭いや毛、汚れや傷などが悪印象となるケースもあります。内覧の際には、一時的にペットを預けたり、消臭や毛の清掃をしたり、空気の入れ替えをしたりなど、購入検討者への配慮を心がけると良いでしょう。 マンション売却で内覧対応する際の注意点 ここでは、マンション売却で内覧対応する際の注意点について解説します。 売却理由などよくある質問の答えを用意しておく 内覧者から必ずといって良いほど聞かれるのが、マンションの売却理由です。あらかじめ答えを準備しておくと良いでしょう。嘘をつく必要はありませんが、部屋が狭い、使い勝手が悪いといった、マイナスの印象を与えかねない表現は避けて、ポジティブな表現で伝えましょう。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却の一般的な理由とは?よくある理由と伝え方を解説 過度なアピールをしない 過度なアピールなど、無理に売り込んでも売れる確率は上がらず、逆効果です。内覧の対応は、基本的には不動産会社の担当者に任せましょう。そのうえで、売主は購入検討者から聞かれたことに応えましょう。 口約束は避けて安易な受け答えをしない 内覧中は、口約束はせずに、安易な受け答えを避けましょう。内覧の時は売却したいという思いが強過ぎて、ついついその場の思いつきで受け答えしてしまう場合があります。 よく考えずに値下げを約束する、売却前にリフォームできると答える、周囲の生活音はまったくしない、引き渡し後に何かあったら責任を取るなど、軽々しい口約束や回答は、後々問題に発展する可能性があります。 その場ですぐに返答できない話題については、「後ほど改めます」と伝えれば問題ありません。 内覧後の感想を不動産会社に確認してもらう 内覧後の感想を不動産会社に確認してもらうと、改善策を講じることができます。 内覧があったからといって、すべての内覧者が購入申し込みをするわけではありません。内覧者はたくさんの物件の中から、いくつか条件に合う候補物件を絞り込み、すべてを内覧したうえで、最終的な判断を行います。そのため、内覧しても成約に結びつかないケースも多くあります。 内覧が購入申込に結びつかなかった場合は、不動産会社を通じて、成約に至らなかったポイントについて内覧者に聞いてもらいましょう。価格設定や設備の状態など、具体的な改善点がわかれば今後の参考にできます。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却時の不動産会社を選ぶ3つのポイントを徹底解説! マンション売却で内覧の数が少ない場合の対策 マンションの売却を依頼しても、そもそも内覧の数が少なく、売却が進まない場合の対策について具体的に解説します。 思い込みで判断せずにまず不動産会社の意見を聞く マンションの内覧数が少ないと感じても、いきなり値下げなどを自分一人で決めるべきではありません。 思い込みで判断せず、まずは仲介を依頼している不動産会社の担当者の意見を聞いてみましょう。価格設定が高過ぎる場合もありますが、そもそもマンション売却を開始してからまだ日が浅かったり、修繕すべき設備があったりするのかもしれません。 売却価格の見直し 売却価格の見直しが必要な場合があります。 売却開始から数か月が経過しても、内覧数が少ない、あるいはまったく内覧が無いなどの場合は、売却価格を下げることも視野に入れる必要があるでしょう。 どのくらい価格を下げるべきかは、近隣の販売価格、過去の取引事例などを参考に、不動産会社と相談しながら改めて検討する必要があります。 関連記事はこちら ▶︎マンションが売れない!マンションを売るための対策とは? ホームステージングの活用も検討する ホームステージングとは、家具や照明などの配置を工夫して、内覧者に好印象を与える手法のです。 空室の物件に行うのが一般的ですが、居住中のホームステージングのサービスも存在します。 安易に値下げはしたくないが、対策を打つ必要性があると感じている場合は、まずはホームステージングの資料請求や相談を行うのも一つの方法です。ホームステージングの費用相場は、アドバイスのみの場合で5万円程度、家具や照明等のレンタルなどを利用する場合は15~30万円程度です。 不動産会社に問題があれば不動産会社の変更を検討する 不動産会社の担当者にやる気が見られない、販売広告に掲載されているマンションの写真が悪いなど、不動産会社に問題があると感じたら、まずは不満に思っている点を率直に指摘してみましょう。 仲介を担当する不動産会社は、マンションの売却の成否を左右する重要な存在です。指摘しても改善が見られない場合は、不動産会社の変更も検討しても良いでしょう。媒介契約の契約期間は3ヵ月ですが、不動産会社に明らかに問題がある場合は、契約期限を待たずに途中での契約解除も可能です。 関連記事はこちら ▶︎マンション売却で不動産会社を変更すべき?タイミングとリスクを解説 どうしても内覧が入らない場合は買取も検討する 売却を急ぎたい場合には不動産会社による買取サービスを検討してみても良いでしょう。 上述のような工夫や改善を行っても、さまざまな理由からマンション売却が進まない場合もあります。買取サービスによる売却であれば、清掃や片付けなどの手間をかける必要は無く、現状そのままで売却可能とする不動産会社もあります。売却先は不動産会社に決まっていて、買主を探す必要が無いため、1ヵ月程度で売却は完了します。 買取サービスによる買取価格は、一般市場での売却価格の相場より低くなりますが、売却が進まない場合の備えとして選択肢に入れておくと良いでしょう。 関連記事はこちら ▶︎より高く!より早く!マンション売却のコツとは? ▶︎不動産売却の「仲介」と「買取」の違いを解説!あなたに合った方法もアドバイスします ▶︎マンション買取は売却とどう違う?相場や会社の調べ方・見積もり依頼の方法まで解説! まとめ マンション売却時の内覧は、内覧者が現地でマンションの状態を確認して、購入するかどうかを判断する重要なイベントです。居住中のマンションの内覧で購入検討者のイメージアップを図るためにも、清掃と片付けなどの事前準備は必須です。 内覧中の対応は基本的には不動産会社が主導してくれますが、売主として質問対応を真摯に行う姿勢は大切です。内覧の数が伸びない、あるいはまったく無い場合は、価格変更や仲介会社変更、あるいは買取サービスなどの利用も視野に入れながら、内覧から成約までスムーズに進むように、信頼できる不動産会社と賢く売却を進めていきましょう。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
築浅マンション売却で損しないコツは?築浅マンション売却の特徴とポイントを解説

マンション売却

2023.06.21
築浅マンションの売却は、通常の中古マンション売却と比較して、損しないためのポイントが異なります。 本記事は、築浅マンションの売却を予定している方に向けて、築浅マンションの特徴と損しないための注意点などについてお伝えします。 1.築浅マンション売却のための基礎知識 築浅マンションの基礎知識についてご説明します。 築浅マンションの定義は?新築マンションとどう違う? 築浅マンションに使われている「築浅」という言葉には法的な定義はありません。建築後、日が浅いマンションが「築浅」、築何年までが「築浅」という定めがありません。不動産会社によっては築10年以内の物件でもまだまだ築浅のような表現をされることもありますが、一般的には、築3年~5年以内の不動産が築浅住宅、築浅物件と呼ばれることが多いようです。 一方、新築マンション、新築戸建てなどの「新築」の定義は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」という法律で規定されています。この法律では、「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であり、建設工事の完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものとされています。 築浅マンション売却は住宅ローン完済が原則 築浅マンションに限らず、住宅ローンの残債がある住宅を売却する際は、住宅ローンの一括返済が必要です。 住宅ローン残債よりもマンションの売却予定金額が高いときは問題ありません。しかし、住宅ローン残債よりもマンションの売却予定金額が低い場合(オーバーローン)、マンションを売却しても、売却代金で住宅ローン残債をすべて返済することができません。 この場合、マンション売却で完済が見込めない場合は、残債との差額を自己資金で支払うなどの補填が必要となります。マンション売却の際は、まず不動産会社の査定を受けて、補填の要否を確認しておきましょう。 築浅マンション売却後は損が出ても確定申告すべき マンションの売却収入から経費を引いた金額がプラスとなった(売却益が生じた)場合、譲渡所得となり、譲渡所得税が課税されますので、確定申告が必須です。 一方、マンションの売却収入から経費を引いた金額がマイナスとなった(売却損が生じた)場合、譲渡所得はゼロとなるため、確定申告は必須ではありません。ただし、「居住用財産の3000万円特別控除」など特例適用を受けた結果、譲渡所得がゼロとなる場合には確定申告が必須です。 特例適用を受けなかった場合でも、売却したマンションが所有期間5年超であれば「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の適用により、給与所得等他の所得から損失分を控除できるなど、節税につながる可能性もあります。 築浅マンションを売却した際に、売却損が生じたから確定申告を行わなくても良いと考えてしまうと、節税の機会を逃してしまう可能性があります。あらかじめ適用が受けられる特例について不動産会社や税務署に確認を行い、損をしないようにしておきましょう。 参考 「居住用財産の3000万円特別控除」国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm 「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3392.htm 2. よくある築浅マンションの売却理由と売主に伝えるべきポイント よくある築浅マンションの売却理由と、売主に伝えるべきポイントについて解説します。 よくある築浅マンションの売却理由 築浅マンションの売却理由として、以下のような元々は予定していなかった出来事が売却のきっかけになることが多いでしょう。 ・転勤、転職など仕事上の都合 予定していなかった急な転勤、あるいは転職などの事情で、別の地域に移る必要が出たことで、マンション売却が必要になった。 ・住宅ローンが支払えない さまざまな事情で月々の住宅ローンの支払いが難しくなり、マンションを手放すしかなくなった。 ・出産、離婚 出産などで生活スペースが手狭になったため、離婚によって売却が必要になった。 築浅マンションの売却理由は正直に伝える 中古マンションの買主から売却理由を質問される可能性があります。特に築浅マンションであれば、まだ状態の良いマンションをなぜ手放すのか、何か不具合があるのか、という疑問を持つかもしれません。 住宅ローンの延滞、離婚などが理由でも、物件そのものに問題がなければ買主側はあまり気にしないことが多いです。曖昧に理由を濁して変な誤解を生まないように、本人としてはネガティブな理由についても率直に売却理由を伝えましょう。 マンションの瑕疵に関しては正確に伝える 瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥のことです。マンションの瑕疵は、必要な機能・性能を備えていないことを指します。 もしもマンションに瑕疵があれば、仲介を担当する不動産会社の担当者に、包み隠さずに正確に伝えることが重要です。居住に支障がある瑕疵について、意図的に誤魔化したり嘘をついたりすると、最悪の場合、売却後の売買契約の解除や損害賠償につながる可能性があります。 3.築浅マンション売却のメリット・デメリット ここでは築浅のマンション売却について、築浅という特徴が、メリットとデメリットについて解説します。 築浅マンション売却のメリット ・築古のマンションよりも高く売れる可能性が高い 築浅マンションは新築マンションのトレンドに近いため資産価値が高く、築古のマンションよりも高く売れる可能性が高いです。また近年、コロナ禍や資材高騰などの理由で新築マンションの供給量が減少傾向であった時期もあり、中古マンションの価格は上昇傾向にあります。そのためエリアによっては、数年前に新築で購入した価格よりも、高い価格で売却できるという取引事例もあります。 ・人気が高く、早く売れる傾向がある 近年、新築マンションの供給量が減少傾向であったため、新築並みの状態で新築よりも安く購入できる築浅のマンションは、人気が高く、早く売れる傾向があります。 ・リフォームの必要がない 築浅マンションの場合、新築から年数が経っていないためトレンドに近く、まだ設備が老朽化していません。そのためリフォームの必要がなく、リフォーム費用の負担がないことは大きなメリットといえます。 築浅マンション売却のデメリット ・購入価格よりも売却価格が下回る可能性もある 築浅マンションは、築古のマンションに比べて高値で売却できる可能性があります。ただし、築浅マンションでも新築時の購入価格より売却価格が下回る可能性は高いです。一般的には新築時の8~9割の価格で売買されるケースが多いです。 ・新築住宅の10年保証をマンションの強みにできない 新築住宅の売主である不動産会社等の事業者には、提供する新築住宅の基本構造部分について、引き渡し後10年間の瑕疵担保責任の保証が義務付けられています。この保証は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」に基づいた制度で、すべての新築住宅に適用されます。 しかし、この10年保証は、新築マンションの購入者と分譲主との契約であり、築浅マンションにまだ保証期間が残っていても、それを次の所有者に引き継ぐことは当然にはできません。そのため、必ずしも10年保証があることをマンションの強みにできないことはデメリットといえるでしょう。 ・築浅で売却することに対する懸念を持つ人がいる 購入後に築浅の状態でマンションを手放すことから、何かトラブルなどがあるのかと疑われることもあります。この点は、実際に隣人トラブルなどの理由で手放すといった事情がなければ、事情を説明することでクリアになるので、大きなデメリットとはいえません。 4.築浅マンションを高く売るコツ ここからは、築浅マンションを高く売るコツについて解説します。 なるべく早く売却する マンションに限らず、戸建てやアパートなど、不動産を売却する際の大原則として、築年数が新しいほど高く売れる傾向にあります。経年劣化による資産価値の下落は避けられないからです。マンションを売却する必要があるのであれば、早めに売却の活動をスタートするのが望ましいでしょう。 自分で市場相場価格を調査する 不動産会社に査定依頼する前に、インターネットの不動産ポータルサイト等で、売却予定のマンションと似た条件の物件の販売価格をチェックしましょう。マンションの市場価格相場を把握できれば、不動産会社によるマンション査定額の妥当性や売出価格の設定、値引き幅の設定などにとても役に立ちます。 信頼できる不動産会社に売却の仲介を依頼する 仲介を依頼した不動産会社は、売却活動全般を担当する重要な存在となります。不動産会社選びのポイントは、マンションの売却実績・経験が豊富で、担当者が信頼できる会社を選ぶことです。 過度な値下げには応じない マンションの売却活動中、想定よりも大きな幅の値下げ要求を受けることがあります。売主側の心理として、「これを逃すと次の購入希望者は現れないかもしれない」と不安になり、大きな値下げに応じてしまうケースが多くあります。 しかし築浅マンションは、築古マンションに比べて競争力があります。現金化を急ぐなどの理由がない限りは不動産会社とも相談して、相場価格を大きく下回る価格では応じないのも高く売るコツです。 5.築浅マンション売却の注意点 ここでは、築浅マンションを売却する際の注意点について解説します。 所有期間が5年以下だと売却益にかかる税率が高くなる 所有期間が短い築浅マンションの売却の際は税率に注意が必要です。 具体的には所有期間が5年超の場合、長期譲渡所得となり、譲渡所得に対する所得税率は20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)となります。一方、所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得となり、譲渡所得に対する所得税率は39.63%(所得税30.63% 住民税9%)となり、税率が高くなります。 3000万円の特別控除などの特例を活用して節税を行う 特例を活用して節税を行えるように、マンションの売却前から、あらかじめ確認しておきましょう。確定申告が終わって時間が経過してから、特例の適用が受けられることを知って慌てないようにしましょう。 築浅マンションなら賃貸より売却が有利 原則として、住宅ローンは自己居住を目的としたローンなので、住宅ローンがあるマンションは、賃貸には出せません。ただし、金融機関によっては、転勤などの理由で居住困難な場合に許可してもらえる場合もあります。 その場合でも、賃貸中も経年劣化は進みますし、入居者満足向上のための物件管理コストや時間、手間もかかります。そのうえ、賃貸後に時期を見て売却しようと思っていても、賃貸中の物件は収益物件扱いとなり、売却価格は下がります。 人気・競争力があり高値ですばやく売れる可能性が高い築浅マンションだからこそ、マンション売却を視野に入れているのであれば「とりあえず賃貸」ではなく、早期の売却が有利です。 6.まとめ 築浅マンションは、新築並みの状態で新築よりも安く購入できるため人気があり、比較的売却しやすい物件といえます。売却理由については、包み隠さず買主に伝えることでトラブル防止になります。特に瑕疵がある場合は必ず伝達しましょう。 築浅マンションの市場価値を考えると、相場を大きく下回る値引きには応じる必要はありません。築浅マンションの売却で損をしないためには、自分自身で市場価格を調査して、相場をつかみ、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することが大切です。 監修者:キムラミキ ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント 日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。