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2022.09.09

相続

マンション相続したらどう売却する?相続から売却までの流れとポイントを解説

マンションを相続して売却が必要になったとき、多くの人は経験がなく、どう対処すべきか困惑してしまうケースが大半です。この記事では、マンションを相続する際に、どのように売却すればいいのかわからない人に向けて、マンション相続時の流れ、売却方法、売却時にかかる税金、確定申告について解説します。

マンション相続から売却までの基本的な流れ

マンション相続から売却に至るまでには、いくつかのステップがあります。ここではマンション相続から売却までの基本的な流れについてお伝えします。

相続の発生、相続人の確定

ある人(被相続人)が亡くなると、まずは遺言書があるかどうかで相続のやり方が決まります。遺言書があれば、その遺言書の指示内容が優先されます。遺言書がない場合は、被相続人の財産を相続する人(相続人)が誰なのか、何人いるのかを確定する必要があります。

民法において、相続人になる資格がある人は、下記のように決まっています。被相続人の配偶者は必ず相続人となります。配偶者以外は、相続できる順位が決まっています。

・第1順位:直系卑属(子ども・孫など):配偶者がいれば、配偶者と子どもが相続人です。配偶者がいないなら、子どものみが相続人です。子どもが複数人の場合、子ども全員が相続人になります。子どもも孫もいれば、子どもを優先します。例えば、長男と次男の2人の兄弟が相続人である場合で、長男が亡くなっていて長男の子ども(孫)がいる場合は、次男と長男の子どもが相続人になります。

・第2順位:被相続人の直系尊属(父母・祖父母など)。父母も祖父母もいるときは、父母の方が優先されます。第2順位の人は、第1順位の人がいないときに相続人になります。つまり、被相続人の子や孫がいる場合は、相続人にはなりません。

・第3順位:被相続人の兄弟姉妹。その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子どもが相続人となります。第3順位の人は、第1順位と第2順位のいずれの人もいないときに、相続人になります。つまり被相続人の配偶者か、子ども・孫か、父母・祖父母がいる場合、兄弟姉妹は相続人にはなりません。

相続人を確定させるためには、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍と、相続人全員の戸籍謄本を用意する必要があります。

遺産分割協議・遺産分割協議書の作成

相続人が決まったら、遺産をどのように分けるかの会議である「遺産分割協議」を行います。遺産分割協議の方法はいくつかありますが、節税の視点で決める必要があります。節税のポイントについては記事後半で解説します。

相続の登記(名義変更):名義変更しないと売却できない

マンションの所在地を管轄する法務局にて、所有権移転登記(相続登記)を行います。名義変更をせずに、故人の名義のままでマンションを売却することはできません。遺産分割協議によってマンションを相続することが決まった相続人が、相続登記を行います。

不動産会社に売却の仲介または買取を依頼する

マンションの相続登記が完了したら、マンションの売買を取り扱っている不動産会社に、売却の仲介を依頼します。不動産の買取を行っている不動産会社に、マンションの買取を依頼することもできます。その場合は、マンションの販売活動をすることなく、スピーディーな売却が可能です。

売買契約

仲介会社とマンション売却のための媒介契約を結んで、販売活動を行います。販売価格の調整や内見対応などを経て、購入希望者(買主)が見つかったら、売買契約を結びます。売買契約の際に売主である相続人に対して買主から手付金(売買金額の5~10%程度が相場)が支払われます。

決済・引き渡し(売却完了)

マンションの売買契約完了後、売主と買主双方の都合に合わせて、マンションの引き渡し日を決めます。引き渡し日当日に、売買金額から手付金を差し引いた残金の決済が行われ、所有権移転登記が行われて、マンションの売却完了となります。

マンション相続で注意すべきポイント

マンション相続の際に、注意するべきポイントについて解説します。

早めに専門家に相談する

相続税は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内に申告・納付期限があります。相続税の基礎控除額は、「3,000万円+相続人の数×600万円」で計算されます。例えば相続人が1名の場合、相続税の基礎控除額は3,600万円となります。

マンションという不動産に加えて現金など、合わせて基礎控除額以上の遺産がある場合、相続税の支払いが必要になります。マンション売却の件も含め、相続が発生したら、まずは専門家に相談するべきでしょう。

相続登記の手続きを代行できるのは、司法書士か弁護士になります。特に相続で揉めるなどの問題がなければ司法書士、もしも揉める可能性があるならば、弁護士に相談しましょう。相続税の節税、不動産の売却時の特例など、税制面で相談すべき専門家は税理士となります。

節税の視点を持って相続を行う

マンションの売却が予定される相続の遺産分割協議の方法は、「換価分割」と「代償分割」という2つのやり方があります。換価分割とは、相続人全員が共同でマンションを相続し、マンション売却後は、決まった分割割合に応じて売却益を分割するという相続方法です。

代償分割は、まず相続人の一人がその人物だけでマンションを相続して売却します。その後、マンションの相続人から、他の相続人に対して、決まった分割割合に応じて売却益を支払うという分割方法です。

一見するとどちらも同じように思えますが、換価分割の場合、相続人それぞれで譲渡所得が発生し、譲渡所得税を支払う必要が出てきます。

一方の代償分割の場合、マンションの相続人がマンションを売却する際、その相続人が被相続人と同居していた場合、3,000万円の特別控除の特例を使用して、譲渡所得税から3,000万円を控除することができるケースがあります。

売却益が控除額以下であれば、この相続人は譲渡所得を支払う必要はなくなります。このように相続方法によって、マンション売却した場合、税を多く支払うなどで損する場合があるため、専門家への相談が必要になります。

相続で確定申告が必要になる可能性がある

マンションを相続して確定申告が必要となるケースがあります。相続したマンションを売却して、売却益が出た場合です。この場合、換価分割、大小分割など分割手法に関わらず、譲渡所得が発生するため確定申告が必要です。

もう一つは、家賃収入があるマンションを相続した場合、不動産所得として確定申告が必要です。また、その年の最初から相続が発生した日までは、被相続人に家賃収入が発生していたため、相続人は被相続人の代わりに、その期間の所得を確定申告する必要があります。この確定申告は準確定申告といいます。

信頼できる不動産会社を選ぶ

マンションを相続後に売却を行う場合、不動産会社への依頼が必要です。マンションの売買は、やり方次第で売却価格に数百万単位の差額が発生する可能性があるため、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。

信頼できる不動産会社の条件としては、マンションの売買実績が豊富である、こちらの質問に根拠を持って応答してくれる、こちらの都合に合わせたプラン提案をしてくれるなどがあります。

マンションの売却は仲介か買取の2つの方法がある

マンションの売却方法には、仲介と買取の2つがあります。ここでは、仲介と買取それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

仲介のメリット・デメリット

マンションを売却する方法の一つ目は、不動産会社に売却の仲介を依頼するというやり方です。仲介によるマンション売却のメリット・デメリットは下記の通りです。

<仲介のメリット>
・不動産市場の相場に応じた価格で販売可能

<仲介のデメリット>
・いつ売却できるかはわからない
不動産会社を通じて販売活動を開始しても、いつ売却ができるのかはわかりません。販売開始から半年や1年以上かかっても売却できないこともあります。

・買主側の都合で売買契約がキャンセルになることがある
マンションの販売活動を通じて買主が見つかり、売買契約の締結まで進んでも、買主のローン審査が通らず、売買契約が白紙に戻ることもあります。またそのほかにも、買主側の都合で売買契約がキャンセルになる可能性があります。

買取のメリット・デメリット

マンションを売却するもう一つの方法は、買取を行っている不動産会社に、買取を依頼することです。

<買取のメリット>
・スピーディーに、周囲に知られずに売却できる
買取の場合、不動産会社が買主になるため、大々的な販売活動をする必要がなく、周囲に知られずに売却できます。また買取依頼から売却まで、およそ1カ月程度で完了できます。

・仲介手数料がかからない
仲介手数料は通常「(売買価格×3%+6万円)+税」なので、仲介手数料がかからないのは大きなメリットになります。

・確実に売却できる
不動産会社が買主になるので、買主側のローン審査もなく、確実に売却できます。相続の場合、売却したい時期が決まっているケースも多いので、相続と買取は相性が良いといえます。

・マンションに家具などの残置物があってもそのまま売却可能

・引き渡し猶予がつけられる
通常、マンション売却の決済が完了したら、すぐに引き渡す必要があります。しかし買取の場合、引き渡しまでに猶予を設ける「引き渡し猶予」がつけられます。

<買取のデメリット>
・売却価格が安くなる
マンションの状態によっても異なりますが、個人間で売買する価格よりは下がるケースが多くなります。これは、買取業者がリフォームにかかる費用や維持費用と市場の相場から再販価格を逆算し、買取金額を算出するためです。仮に個人で内装をリフォームし付加価値をつけてから売り出すのはなかなか難しいものです。お部屋の状態に不安があり、売却に躊躇されている場合には、多少価格が下がっても買取を検討するのも一つの手でしょう。

・マンションのエリア・状態によっては、買取不可能な場合もある

迷ったら不動産会社に相談する

相続したマンションを売却する場合、仲介か買取かで迷ったら、不動産会社に気軽に相談してみても良いでしょう。不動産会社によっては、「買取保証付き仲介」という、最初に期限を決めて仲介で販売開始して、期限までに販売できなければ、買取してもらえるサービスもあります。

まとめ

マンションを含む不動産の相続は人生で何度も経験するものではありません。そのため、基本を抑えて行動しないと、思わぬ損や失敗が起きやすいといえます。本記事で紹介した内容が、賢く確実なマンション相続と売却のご参考になれば幸いです。