2022.10.19
住まなくなったマンションを売却するか賃貸に出すかは、簡単に決めてよい事柄ではありません。売却や賃貸に関する知識が不足していると、得られるはずの利益を失ってしまったり、住宅ローンの一括返済を迫られてしまったりする可能性もあります。この記事では、マンションを売却するか賃貸に出すか、迷っている人に向けて、売却・賃貸双方のメリット・デメリットを解説します。その上で、売却か賃貸の判断基準をお伝えします。
マンションを売却するメリット・デメリット
マンションを売却した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。
マンションを売却するメリット
マンションを売却する大きなメリットとしては、一度に大きな金額が手元に入ることです。住宅ローンがまだ残っている場合は、売却価格から住宅ローンの残債と売却の諸経費を差し引いた残りの金額が手元に残ります。
また当然ですが、マンション売却後は管理が不要となるため、マンションにかかる維持費がかからなくなります。マンションは所有しているだけで月々の管理費・修繕積立金の支払いが発生しますし、毎年の固定資産税や都市計画税の支払いも必要です。
そして自己居住用のマンションを売却して利益が出た場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用できる可能性があります。この特例は、売却して得た利益(譲渡所得)を3,000万円まで控除できるというものです。つまり、マンションを売却して出た利益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税を支払う必要はなくなります。ただし、この控除を使ってマンションを売却し、住宅ローンで新居を購入した場合、年末の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できる「住宅ローン控除」は、併用できない点には注意が必要です。
マンションを売却するデメリット
マンションを売却するデメリットとしてまず挙げられるのは、いつ売却できるのかわからないという点です。通常のマンション売却の流れは、まず不動産会社に売却予定のマンションの査定を依頼し、仲介を依頼する不動産会社を選んで媒介契約を結び、ポータルサイトへの掲載、そして内見対応などの販売活動を経て、売買契約を結び、その後に代金の決済とマンションの引き渡しを行って、売却完了となります。マンション売却の流れは上記の通りですが、マンションが実際にいつ売れるのかは、誰にもわかりません。早く確実に売却したい場合は、不動産会社による買取も検討してもよいでしょう。
もう一つのデメリットとしては、自分の希望する売却価格で売却できるとは限らないことです。住宅ローンの残債がある場合は、住宅ローンの残債以上の金額で売却できることを希望することが多いですが、売却価格はマンションの築年数やエリア、状態などのマンション側の要因のほか、売却希望者の購入希望額にも左右されるため、売主側の希望する金額で売れるとは限りません。
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マンションを賃貸するメリット・デメリット
マンションを賃貸に出した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。
マンションを賃貸するメリット
マンションを賃貸するメリットとしては、まず家賃収入が得られることです。毎月の定期収入は経済的な魅力があります。次に、マンションを賃貸に出した場合、将来的に自分で住む選択肢も確保できる点です。将来的に住む予定があるが、しばらくは住まない場合は、賃貸に出した方がよいでしょう。ただ通常の賃貸契約で賃貸に出すと、賃借人が住み続けたい可能性もあるため、決められた期間だけ賃借人に賃貸する、定期借家契約を結ぶなどの工夫が必要でしょう。
またマンション賃貸を行うことで節税できる可能性があります。マンションの賃貸で生じた赤字を給与所得と合わせて計算することで、所得税を抑えることができます。その他、収益物件として、賃貸人がいる状態で売却することもできます。
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マンションを賃貸するデメリット
マンションを賃貸する上での大きなデメリットは、空室リスクです。上述した賃貸のメリットの一つである「定期収入」は、入居者がいて始めて得られるものであり、入居者が入っていなければ収入はゼロです。
固定費の支出がある点も賃貸のデメリットといえます。マンションの場合、毎月決まった額の管理費・修繕積立金の支払いが必要になり、さらに毎年の固定資産税や都市計画税の支払いがあります。
またマンションを賃貸に出す場合、マンションの管理面として、修繕費も発生します。修繕積立金はマンション全体についての大規模修繕に対する積立金なので、マンション設備の修繕、入居者が退去した際の原状回復工事、清掃などは所有者が行う必要があります。
マンション売却か賃貸するかの判断基準
ここでは、所有するマンションを売却するか賃貸するかの判断基準について解説していきます。
住宅ローンがあると賃貸はできない
そもそも原則として、住宅ローンがある場合は、そのマンションは賃貸に出すことはできません。住宅ローン契約は、契約者自身の居住用住宅に対するローンであるため、住宅ローン返済中のマンションを無断で賃貸住宅として貸し出す場合は規約違反となり、一括返済を求められることもあります。急な転勤や親の介護など、やむを得ない事情であれば、銀行に相談できるケースもありますが、基本的には住宅ローンで買った住宅を賃貸住宅として貸し出すことはできないと考えておきましょう。
売却であれば、ローンの残債があった場合も、売却で得たお金で返済することで、ローンを完済できます。売却しても残債を返済できない場合は、自己資金で返済するか、新居の住宅ローンと売却後に残った住宅ローンの残債もまとめて借りられる「住み替えローン」を利用するなどの対応方法があります。
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再び住む予定があれば賃貸も検討すべき
上述したマンション賃貸のメリットでも言及した通り、再び住む予定があれば賃貸を検討してもよいでしょう。ただし、住宅ローン返済中のマンションは賃貸には出せない点は注意が必要です。具体的に何年後に住む予定なのか、賃貸後はリフォームを行うのかなど、賃貸から自分自身の入居までのプランを立てることが重要となります。
賃貸事業の運営が難しいなら売却した方がよい
マンションを賃貸する際、最初に考えなければいけないのは、不動産賃貸業という、一つの事業として行っていく覚悟が必要なことです。入居者がいなければ、空室を埋めるためのリフォームや家賃の改定、管理会社を変更するなどさまざまな対策を講じる必要があります。
マンションに入居者がいた場合も、入居者の滞納、騒音など近隣住民とのトラブルなど、管理面での責任が伴います。設備の修繕が発生したら、設備を交換するか修繕するのかの判断が必要になりますし、修繕費を抑えるために相見積もりを取るなど、さまざまな課題が発生します。
このように、マンションの賃貸経営はハードルが高いため、慎重に考える必要があります。
長期的にマンション経営を行う気持ちがない場合は、売却を選択した方が無難でしょう。
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まとめ
マンションを売却するか賃貸に出すのかは、住宅ローンが残っているのか、将来的に住む予定があるのかなど、個々人の条件によって異なります。売却するなら、まずはマンション査定が必要です。もし賃貸に出すのであれば、エリア、立地、マンションの状態など、そのマンションに賃貸需要があるのかの見極めがまず必要となります。売却か賃貸かで迷っている場合は、専門家である不動産会社に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
2022.10.19
マンションの売却を検討する中、必要な書類をあらかじめ調べておこうと考えたことはありませんか。しかし、マンション売却に必要な書類をインターネットで検索すると、さまざまなものが出てきて、自分に必要なものが何かわからないということもあるようです。そこで今回の記事では、マンション売却を検討されている方がスムーズに売却への一歩を踏み出せるように、マンション売却の流れについて簡単に説明した上で、それぞれの段階で必要になる書類について解説します。
マンション売却の流れ
マンションを売却するまでには、次のような3つの段階があります。それぞれ解説した上で、必要な書類については後述します。
段階1:査定依頼
マンションが市場でどれくらいの価格で売却できるのかを知り、売却価格の設定をするために、不動産会社に査定依頼を行います。査定には、同じマンションや近隣の類似物件についての過去の売買データから査定価格を算出する「机上査定」と実際にマンションを見て査定価格を算出する「訪問査定」があります。
まず机上査定を複数の不動産会社に依頼し、相場価格を把握します。その上で、査定価格について納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を選び、訪問査定を依頼します。その結果、信頼のおける査定価格を提示してくれた不動産会社と媒介契約を締結し、売り出し価格を設定します。
段階2:売買契約
買主が決定したら、売買契約を締結します。売買契約書や重要事項説明書については、不動産会社が作成してくれます。ただし、マンションの周辺環境や設備等について、重要事項説明書の中に盛り込んでおいた方がよい点などについて、不動産会社との打ち合わせも必要です。また、買主が遠方に居住していたり、多忙であったりする場合、対面での契約は日程調整が難しい場合もあります。その場合には、契約方法(対面、郵送、電子契約)の検討も必要になります。
段階3:【決済および売却後手続き】
売買契約の終了後は、売買代金の決済および引き渡しを行います。決済時には、所有権移転登記や抵当権抹消登記の手続きも必要になります。
また、マンションの売却収入(損失)について、「譲渡所得が発生する場合」または「税制特例の利用をする場合」には、確定申告の手続きが必要になります。
確定申告の際には、住民票(他の市町村に引っ越した場合は除票住民票)、売買契約書の写し、税制特例の利用に必要な資料が必要になります。取得費がわかるもの(購入時の売買契約書の写し等)や譲渡費用のわかる領収書などがあると、より望ましいです。
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マンションの査定依頼時に必要な書類
マンションの机上査定依頼時に不動産会社が知りたい情報は、間取りや専有面積、住宅ローン残高、所有権者等です。インターネットならさらに手軽に依頼ができます。不動産会社のWebサイトや一括査定サイトの情報入力画面に、マンションの所在地や専有面積、築年数など必要なデータを入力すれば査定依頼は完了するため、特に提出する書類はありません。
「訪問査定」の際にも提出する書類は特にありません。ただし、住宅ローン残高についての質問にも答えられるように返済予定表または残高証明書を準備しておきましょう。なお、必須ではありませんが、マンションの所有者であることを示すための登記済証(権利証)または登記識別情報、購入時のマンションの様子や間取り詳細がわかる分譲時のパンフレットもあると望ましいでしょう。
売買契約および決済時に必要な書類
売買契約および決済時に必要な書類に共通する書類と、売買契約および決済時にのみ必要な書類に分けてご説明します。
【共通】
売買契約および決済時に共通して必要な書類は、以下の通りです。
・登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
売買契約時には真の所有者であることを示すため、また決済時には所有権移転登記や抵当権抹消登記の手続きをするために必要になります。
・印鑑証明書
売買契約および登記手続きは実印で行うため印鑑証明書が必要になります。
・固定資産税納税通知書
売買契約時に固定資産税の清算についての説明をするため固定資産税納税通知書が必要になります。これは、一般的に引き渡し以降の固定資産税については日割り計算で買主が負担するためです。
また、登記手続きにおける登録免許税を計算する際にも固定資産税納税通知書が必要になります。
・本人確認書類
売買契約には犯罪収益防止法による売主と買主の双方の本人確認のため、決済時には司法書士に対する本人確認のために、本人確認書類が必要です。写真付きの本人確認書類(免許証、パスポートなど)を準備しましょう。
【売買契約時のみ】
売買契約時にのみ必要な書類については以下の通りです。
・管理費・修繕積立金の額の確認書
引き渡し後の管理費・修繕積立金は買主が負担します。そのため、管理費・修繕積立金の精算額について売買契約時に説明のために必要な書類です。マンションの管理会社が保管していますので、不動産会社を通じて手配をお願いしましょう。
・付帯設備表
マンションにはさまざまな付帯設備があります。付帯設備とは、専有部内に付いている住宅設備のことを指します。中には、分譲当初から年数を経て不具合が生じているものもあるでしょう。また、不具合のある付帯設備を交換、撤去したというケースもあると思います。その付帯設備の状況について、記載したのが付帯設備表です。書式は特に決まったものはありません。不動産会社から提示された書式を利用するのもよいですし、あらかじめインターネット上で取得することもできます。
・物件状況確認書(告知書)
付帯設備のみならず、マンションそのものや周辺環境について、買主に伝えた方がよい事項は物件状況確認書に記載しておきましょう。後々のトラブルを避けるためにも、付帯設備表と合わせて、物件状況確認書も準備しておく方がよいでしょう。どのような事項について記載が必要であるかは、気になる点を不動産会社に伝えて相談しながら決めていくとよいでしょう。
【決済時】
決済時のみに必要な書類として、売主自ら用意するのは住民票のみです。以下でご紹介するもの以外にも、買主が持っていた方が望ましい「分譲時のパンフレット」「管理規約」「使用細則」「理事会の議事録」「設備取扱説明書や保証書」「アフターサービス規準書」などが手元にあれば、準備しておくと親切です。
・委任状
登記手続きを司法書士に依頼する場合には、委任状が必要です。自ら登記手続きを行う場合には必要ありません。なお、書式は司法書士が準備します。
・抵当権の抹消に必要な書類
抵当権の抹消登記に必要になる書類が必要です。書類は銀行担当者が準備します。
・住民票
登記手続きに登記申請者の住所の証明が必要であるため、住民票が必要となります。
まとめ
マンション売却の際に必要な書類といっても、各段階に応じて必要な書類は異なります。いざ、マンション売却に向けて動き出す際に、書類が見当たらなくて困ったということにならないようにしておきましょう。あらかじめ必要な書類を確認し、そろえておくと落ち着いて売却活動を進めることができるだけでなく、不動産会社や買主にも安心感を与えることもできます。今回の記事を参考に、自宅の中にある必要書類を探してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
2022.10.19
マンション売却までにどのくらいの期間がかかるのかは気になりますよね。この記事では、これからマンションを売却する人に向けて、マンション売却にかかる平均的な期間についてお伝えします。その上で、早期売却の方法、なかなか売却できない場合の対応方法までご紹介します。
マンション売却までの平均期間と流れ
マンション売却まで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。マンションの売却には、売り出しから売却までの基本的な流れがあり、平均的な売却期間もデータからわかっています。ここからは、マンション売却までの平均期間と流れについて解説します。
マンション売却までの平均期間は4カ月程度
マンション売却までの平均期間は4カ月程度といえます。公益財団法人東日本不動産流通機構による「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」によると、中古マンションの「登録から成約に至る日数」はレインズの平均で、2020年は88.3 日、2021年は74.7日となっています。
レインズとは、不動産会社が全国の不動産会社に販売情報を共有するネットワークシステムのことです。登録から成約までの日数が2~3カ月であるため、前後の活動、つまり実際に売却のための活動を始めてから不動産会社を選定するまでの期間と、成約してから実際に引き渡しに至るまでの日数を考慮すると、4カ月程度が平均といえます。ただしこのデータは首都圏の中古マンションに関するデータであり、実際には1カ月で成約に至るケースもあれば、半年や1年経っても成約しないケースもあるため、あくまでも目安として考えましょう。
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マンション売却までの流れ
マンションの売却を不動産会社に仲介を依頼した場合の基本的な流れは、下記の通りです。
(1)マンションの査定を不動産会社に依頼する
(2)不動産会社と媒介契約(仲介契約)を結ぶ
(3)マンションの売却活動(購入希望者の内見対応など)
(4)売買契約の締結
(5)マンションから新居への引っ越し(自宅マンションの売却の場合)
(6) マンションの決済・引き渡し
ケースバイケースですが、上記の(1)はおよそ約1~2週間、(2)から(4)の「登録から成約に至る日数」は約2~3カ月、(5)と(6)は約4週間が目安となります。
半年以上経っても売却のめどが立たない場合は、何かしらの対策を立てる必要があると思われます。具体的な対策は記事後半で解説します。
マンション売却の方法には仲介以外に買取もある
マンションを売却する方法としては、不動産会社に仲介を依頼して一般の人向けに売却活動を行う形が通常です。しかし仲介以外に不動産買取業者へ売却する「買取」という方法もあります。
買取の一番のメリットは、確実に早く売却を完了できる点です。買取による売却のケースの特徴、詳細については記事後半で詳細を載せています。マンションを一日でも早く売却したいといった事情がある場合は、買取がおすすめです。
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マンション売却までの期間を短縮するコツ
マンションはなるべく早く売却したいですよね。ここではマンション売却までの期間を短縮するコツについて解説します。
販売実績の豊富な不動産会社に依頼する
販売実績の豊富な不動産会社に依頼することは、マンション売却までの期間を短縮するコツでもあり、マンションを高くスムーズに売却するコツでもあります。実際の売却活動は不動産会社が担当するため、販売実績が多い不動産会社はそれだけ信頼できると考えてよいでしょう。
また販売実績に加えて、マンション査定の際に直近の取引や、最近の市場の販売状況等について質問してみて、受け答えが明確か、しっかりした根拠を元に話をしているかなども確認して、信頼できる不動産会社を選びましょう。
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適正な販売価格を設定する
マンション販売の期間が長引く要因の一つに、販売価格が市場よりも高く設定されていることがあります。売主の立場からすれば、できる限り高く販売したいのが本音でしょう。また、住宅ローンの残債から考えて、最低でもこのくらいの販売価格にしたい、という気持ちはあって当然です。しかし、売却するマンションの地域相場よりも高値で設定してしまうと、結局は売れ残ってしまい、本末転倒になってしまいます。不動産会社とも相談して、相場に見合った適正な販売価格の設定が、早期売却のポイントです。
売り出しのタイミングを引っ越しシーズンに合わせる
3~4月と9~10月の引っ越しシーズンは、マンションがよく売れる時期です。マンションの売り出し時期を、これらの引っ越しシーズンの数カ月前頃に設定できれば、成約率は高くなる可能性はあります。しかし実際には売却したいタイミングが売却時期ともいえるので、無理に販売期間を変更する必要はありません。調整可能であれば引っ越しシーズンに合わせるくらいの気持ちでよいでしょう。
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マンションが売れない場合の対策
ここからは実際にマンションの販売を開始したにもかかわらず、なかなか売却に至らなかった場合の対応策について解説していきます。
販売価格を見直す
上述したマンション売却までの期間を短縮するコツの中にもありましたが、販売価格が市場相場と乖離している場合、売れ残ってしまう可能性が高くなります。ただし価格の下げ幅が大きすぎても損をするため、売れないからと慌てて大きく価格を下げるのではなく、不動産会社とよく相談して適正価格に調整していくことが重要です。
不動産仲介会社を変更する
市場相場に見合った適正な価格設定なのに、販売期間中に内見希望がほとんどなかったり、販売状況についても説明が曖昧だったりする場合、仲介を依頼している不動産会社の変更を検討してもよいかもしれません。
しかし専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合、3カ月間は契約期間となるため、契約期間終了後に変更という形がよいでしょう。ただし、不動産会社が販売情報を共有するシステムであるレインズへの登録義務を怠っていたり、定期報告をまともに行っていなかったりするなど、明らかに販売活動を怠っている場合は契約途中のキャンセルも可能です。
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オンライン査定サイトを使ってみる
仲介を依頼しているにもかかわらず、なかなか売却できない状況が続いている場合、セカンドオピニオンを得る目的で、オンライン査定サイトを利用するのも一つの手です。インターネット上で査定依頼から査定結果を得ることができ、オンラインで査定が完結するため、気軽に利用することができます。
いくつかの査定結果を参考に、現在販売中のマンション価格に反映させることもできます。また実際にその中から、納得のいく不動産仲介会社があれば、仲介会社を検討してみてもよいでしょう。
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買取も検討する
しばらくマンション販売を続けてみて、どうしてもマンションが売却できない場合は、買取も検討してみてもよいでしょう。買取とは不動産会社によるマンションの買取のことです。買取の一番のメリットは、確実に早く売却を完了できる点です。
不動産会社が買主のため、売却相手を探す必要はなく、購入希望者の住宅ローンが通らずに売買契約が解除されてしまうこともありません。また買取の場合、販売情報を公開しないので、周囲に知られずに売却することができます。
買取の中でも、仲介会社を挟まずに不動産買取業者へ直接を依頼する場合、「(売買価格×3%+6万円)+消費税(※売買金額が400万を超える場合)」の金額となる仲介手数料の支払いも不要です。売却先が業者であるため、購入希望者への内見対応など、ご自身による売却活動の必要がないこと、売却後のマンション引き渡し時期も柔軟に相談できる点もメリットです。
一方で買取のデメリットは、仲介による売却価格に比べると市場価格と比較して低めの価格になる点です。買取業者にもよりますが、仲介会社を挟まない直接買取の場合、一定期間、市場で販売して、売却できない場合は買取を行う、「買取保証付き仲介」サービスなどもあるので、ご自身の状況を考えて検討してみてもよいでしょう。
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まとめ
マンションを売却する際にどのくらいの期間がかかるのかについて解説してきました。マンションの売却までの期間は平均で4カ月程度ですが、売却したいマンションのエリア、築年数や状態はさまざまなため、売却に4カ月以上の時間がかかるケースも多くあります。売却できない場合は、本記事でご紹介したポイントを踏まえて販売活動を改善していきましょう。どうしても売却できない場合は業者による買取も視野に入れてみることをおすすめします。
2022.08.09
マンションの売却は人生に何度も経験することではないため、売却に関する知識や経験が不足していても当然です。マンションの売却は、一つ間違えると数百万円単位の損失やトラブルにつながるため注意が必要です。この記事では、不動産を売却しようと思ってから、売却に至るまでの流れと注意したいポイントについて解説します。
マンション売却の基本的な流れ
マンションを売却するまでには、決まったステップがあります。ここからは、マンション売却の基本的な流れについて解説します。
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複数の不動産会社へ査定を依頼する
マンション売却の第一歩は、自身の所有するマンションの査定を、不動産会社に依頼することです。売却するエリアや間取りなどの不動産情報を不動産会社に伝えると、査定の結果が送られてきます。複数の会社に査定を依頼してもよいですが、多くの営業電話がかかってくるデメリットもあります。
その点、買取を専門とする業者であれば、その買取業者1社の対応で完結するメリットがあります。買取については記事後半で詳しく解説します。
不動産会社の査定結果が出る
不動産会社から、売却予定のマンションの査定結果が送られてきます。媒介契約を取りたいがために、わざと相場より高めの査定価格を提示してくる業者もいるので注意が必要です。
査定結果に対しては、必ず査定の根拠を質問しましょう。こちらの質問に対して、あいまいな返事でごまかそうとする不動産会社には、売却を依頼するべきではありません。
不動産会社を選定して媒介契約を結ぶ
査定してくれた不動産会社の中から、マンション売却を依頼する不動産会社を選び、媒介契約を結びます。媒介と仲介は同じ意味です。媒介契約の種類は一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種があります。
不動産会社を選ぶポイント媒介契約の詳細については、後半で詳しくお伝えします。
マンションの販売活動と内見対応
仲介を依頼する不動産会社が決まったら、マンションの販売活動が開始されます。マンションの販売活動は、全ての不動産会社が確認できるネットワークシステムであるレインズへの登録、不動産売買の各種ポータルサイトへの登録などの広告活動、内見希望者の対応などがあります。
売却予定のマンションに居住中の販売活動であれば、不動産仲介を依頼した会社の担当者とともに内見の対応をします。すでに空室であれば、立ち会わなくても担当者が対応してくれます。
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売買契約
購入希望者は、購入の意思表示をする書類である買付証明書を売主に提出します。売主、買主(購入希望者)双方が価格面、条件面で同意したら、売買契約を交わします。売買契約時に、買主は売主に対して手付金を支払います。手付金は法的に決まった金額はありませんので、売主と買主が納得した金額で設定できます。
決済・引き渡し
不動産売買契約を締結後、売主と買主双方の、都合のよい日に残金の決済とマンションの引き渡しが行われます。契約後、買主が住宅ローンを利用する場合は注意が必要です。一般的に買主が住宅ローンを利用する場合、売買契約の内容に「住宅ローン特約」の項目が入ります。住宅ローン特約は、もしもローンの審査が通らなかった場合は、違約金等の負担なしに売買契約を白紙にできる契約です。売買契約が解除されれば、再び買主を探すことになり、時間の浪費となってしまいます。
残金の振り込みが行われて、決済が完了した時点で、鍵の引き渡しが行われ、司法書士が不動産の登記を行う流れになります。決済時に、仲介手数料の支払いや固定資産税の清算金などの費用の清算も同時に行われます。
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マンション売却で失敗しないためのポイント
マンションの売却は、ちょっとしたことで最終的な売却価格に大きな違いが生まれます。ここからはマンション売却で失敗しないためのポイントについてお伝えします。
信頼できる不動産会社選びが重要
多くの場合、マンションを売却するまでに数カ月はかかり、長丁場になります。その間、担当者にさまざまな質問をぶつけたり、販売状況についてメールや電話でやり取りをしたりします。
やり方次第で数百万円の販売価格の違いが出ることも多いため、信頼できるパートナーとなる不動産会社を選ぶ必要があります。不動産会社を選ぶ基準は、まず会社としてマンションの売却実績が豊富であることが重要です。そして売主とのやり取りにおいてレスポンスがよく、細かい点も気軽に相談できるような担当者であることもポイントになります。
媒介契約は一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類
媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3つの種類があります。
一般媒介は仲介の依頼先を一つの会社に決めずに、複数の会社に仲介を依頼できる契約です。複数の不動産会社に仲介を依頼できる分、販売活動する会社が多くなり、売却できる機会が増えると言えます。
ただし、この複数契約はデメリットにもなります。一般媒介のケースでは不動産会社が販売活動をしても、他の会社が売買契約を結ぶ可能性があり、その場合、販売活動が無駄になり収益がゼロになるため、不動産会社はあまり販売に注力してくれないケースもあります。
また一般媒介の場合、不動産会社は「レインズ」という、全国の不動産会社がアクセスできる不動産情報共有のためのネットワークシステムへの登録義務がないため、依頼した不動産会社以外の会社が買主を見つけてくれる可能性が下がるといったデメリットもあります。
一方、専任媒介と専属専任媒介は、どちらも一つの会社に販売活動を依頼する契約です。専任と専属専任の場合、不動産会社は自社で買主を見つければ、売主と買主双方から手数料を受け取ることができます。また仮に他の会社が買主を見つけても、不動産会社には売主から手数料が入ります。
このため専任媒介は、一般媒介よりも不動産会社が責任を持って取り組んでくれる可能性が高いと言えます。また専任媒介を結んでも、1社だけに販売情報が独占されるわけではありません。専任媒介と専属専任媒介はどちらもレインズへの登録が義務であるため、他の不動産会社へも売却物件の情報が共有されます。
専任と専属専任で契約内容はあまり変わりませんが、専任の場合、自分で買主を見つけても契約違反にならない自由度があるので、専任媒介がおすすめです。
売却にかかる費用
売却にかかる費用には、どのようなものがあるのでしょうか。
不動産仲介手数料
売却にかかる費用として、まずは不動産会社への仲介手数料があります。売買金額が400万円超の場合、仲介手数料は「売却金額×3%+6万円+税」を上限とすることが法律で定められています。仮に売却価格が4,000万円の場合、仲介手数料は「4,000万×3%+6万円+税」で計算して、税込み138.6万円になります。
印紙税
不動産売買の契約書には、規定の金額の収入印紙を貼って印紙税を支払う必要があります。印紙税は売買価格によって定められており、例えば売買価格が500万円超~1,000万円以下なら5,000円、1,000万円超~5,000万円以下の場合は1万円です。
登記費用
マンション売却の際、ローン残債があれば抵当権抹消のための登記費用として、不動産1件につき1,000円の登録免許税がかかります。
またマンション売却の際は一般的に司法書士に登記を依頼するため、司法書士への報酬の支払いが発生します。司法書士報酬は定めがなくケースバイケースですが、相場としてはおよそ2~5万円程度です。
また自宅売却なら引っ越し費用、買主との取り決めによっては引き渡し前のハウスクリーニング費用なども発生する可能性があるため、事前に計算しておく必要があります。
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マンション売却を急ぐ場合は買取がおすすめ
マンションに限らず、不動産売却の方法は仲介と買取の2つの方法があります。不動産会社に、仲介を依頼して、不動産市場において買主を見つけるのが仲介です。
一方、買取は不動産会社が直接不動産を買取する形式の取引です。買取の場合、買主を見つける必要がないため、スピーディーに不動産を売却できる反面、不動産市場で買主を見つける仲介よりも販売価格は3~4割程度下がる傾向にあります。 ただし、買取には仲介にはない下記のようなメリットも数多くあります。
・業者直接買取の場合は手数料が不要
仲介の場合は仲介手数料を支払う必要がありますが、買取の場合、手数料はかかりません。
・現状そのままで売却できて手間がかからない
マンションにある家具家電や荷物などの残置物は、そのままの状態で売却できて手間がかかりません。
・ローンの不安なく確実に売れる
上記の通り、買主がローンを利用する場合、売買契約が白紙になる可能性があります。買取の場合は確実に売却できます。
・内見などの買主対応をしなくてよい
一般の買主の場合、内見、価格交渉、条件提示などさまざまな対応が求められますが、買取の場合はスムーズに売買取引が成立します。
・引き渡し猶予がある
買取では、マンション売却後も、一定の期間、引き渡しを遅らせることができる「引き渡し猶予」を設けることができます。
売却のためにさまざまな手間と時間を割く余裕があるのであれば、仲介がおすすめです。なるべく早く不動産を売却したい場合は、上記の通り多くのメリットもある買取も検討してみてよいでしょう。
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まとめ
本記事では、マンション売却の基本的な流れと失敗しないためのポイントについて解説しました。マンション売却は、やり方次第で売却金額が数百万円も違ってきます。
損しないためにも、まずは自分の所有するマンションをどのように売却すればよいか、不動産のプロの意見を聞くことをおすすめします。