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2023.06.27

住み替え

50代の住み替えを成功させるには?基本的な考え方から失敗リスクをおさえるコツまで解説

50代は、マイホームの住み替えを検討する方が多い年齢です。本記事では、50代で住み替えをする際の注意点を踏まえて、住み替えで失敗しないためのポイント、持ち家の具体的な取り扱い方法までをわかりやすく解説していきます。

50代が住み替えを考える人が多い理由

なぜ50代で住み替えを考える人が多いのか、その理由について解説します。

子どもの独立などで老後を踏まえたライフスタイルが確立する

ライフスタイルが確立して、サイズや間取りなど必要な家のニーズが定まっているため、住み替え先の住宅を探しやすい、または建てやすい時期だからといえます。

50代という年齢は、子どもの進学や就職などで子どもが独立して、子育てが終わったという方が多い世代といえます。加えて、経済的にも余裕ができる時期でもあるため、ずっと検討していた場所への移住や、老後を見据えての終の棲家探しに目を向けやすくなるのかもしれません。

20代・30代で購入した家が老朽化している

持ち家の老朽化に伴うリフォームの必要性に迫られ、リフォームのみならず、新たな家に移る選択肢も併せて検討される時期だからといえます。

20代・30代で購入した持ち家が50代になると、新築で建築した家でも築20~30年となるため、老朽化が進んでいる可能性が高いでしょう。中古住宅を購入していた場合は、より老朽化が進んでいるといえます。

リフォームの費用は部分的なものでも100万円単位のお金がかかる場合があります。また、建物全体のリフォームの場合、リフォーム費用は1000万円以上かかることもあります。そのため、リフォームに費用をかけるよりは新居の賃貸や購入、新築を検討する人も多いでしょう。

収入が高く、まだ住宅ローンの利用も可能

50代は経済的に余裕があり、ゆとりのある住宅ローンを組むラストチャンスだからです。

50代の人の場合、20~30代に比べると収入に余裕のある方も多い傾向にあります。また完済年齢を考慮しても50歳なら、ゆとりのある住宅ローンが利用できる可能性が高いでしょう。さらに、年齢を重ねるとゆとりのある住宅ローンの利用が難しくなるため、住宅ローンを使った住み替えを考えているなら50代がラストチャンスといえるかもしれません。

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50代で住み替えを検討するなら早い方が良い

先述のようにさまざまな理由から、50歳で住み替えを検討される人がいるでしょう。しかし、その検討と着手は早い方が望ましいです。その理由について解説していきます。

50代なら気力・体力がまだまだ充実している

50代は住み替えに必要な気力と体力があるからです。

住み替えは、元々の住居の売却と、新居を探すか新しく建てるという、2つの大きなイベントを同時に行う必要があります。住み替えには相当な時間と労力がかかるため、60代以降になると健康面でも精神面でも新しい環境に適応することが年々難しくなります。いずれ住み替えをやると決めているのであれば、元気なうちに早めに行動を起こすことが望ましいでしょう。

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60代以降になると選択肢が限られてくる

年を重ねるにつれて、特に60代以降になると、住宅ローンの利用や賃貸の住み替えなど、クリアしなければいけない条件が厳しくなるため、選択肢が限られてしまうからです。

住宅ローンは申し込みができる年齢制限が65歳以下、あるいは70歳以下という金融機関がほとんどです。住宅ローンを活用して新居の購入、新築を行う場合には、年を重ねれば重ねるほど、退職した後に毎月の返済を行っていく収入面の懸念、団体信用生命保険に加入する際に持病で審査が通りにくくなる健康面の懸念があります。

また賃貸住宅に住み替えを検討する場合、高齢となると入居やその後の更新を断られてしまうケースもあります。

現在の家の資産価値があるうちに売却すべき

建物は築年数を経れば経るほど、売却価格が下落していくからです。

持ち家に住んでいる場合、その持ち家は、年々市場価値が減少していることを認識しておきましょう。住み替えの予定があるのであれば、持ち家の市場価値が下落して、売却が難しくなる前に、売却を決断した方が望ましいでしょう。また、老朽化が進み、設備故障や破損が生じれば、修繕費用が必要となる可能性もあります。

もちろん、築年数が古くなったからとはいえ売却は可能です。しかし、築20年よりも築30年、築30年よりも築40年と築年数を経るほど売却しにくくなり、売却価格はどんどん下落していきます。

50代の住み替えで失敗しないためのポイント

50代の住み替えで失敗しないためにおさえておきたいポイントについて解説していきます。

住宅ローンは余裕のある資金計画をもとに利用する

余裕のある資金計画を立てるように心がけましょう。

退職後は大きく収入が減る可能性もあります。その一方で、50代で住宅ローンを組む場合、返済期間が短くなる可能性もあるため、月々の返済の負担は大きくなります。状況を考慮して、借りられる上限ぎりぎりではなく、余裕のある住宅ローンの返済プランとなるようにしましょう。

また、老後生活の資金計画も考えると、将来的な退職金の取り扱いにも注意が必要です。基本的に退職金は、住宅ローンの返済には使わず、老後の備えとして確保しておき、不測の事態が起こった時に対応できるようにしておきたいものです。

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マンションか一戸建てか、持ち家か賃貸かを慎重に選択する

住み替え先として、住宅種別としてマンションか一戸建てか、購入するか賃貸にするかを慎重に判断しましょう。

50代からの新居選びは年齢を重ねていくことも考慮して、自分自身だけでなく、家族とも十分に相談を重ねる必要があります。

住み替え先として、マンションもしくは一戸建てを購入する際に、マンションから戸建て、あるいは戸建てからマンションへの住み替えの場合は、生活スタイルの変化に戸惑う可能性にも留意しておきましょう。なお、マンション、一戸建ていずれにしても購入(新築)に加えて、メンテナンスも必要になります。過度な費用や体力の負担が生じないか、確認も必要です。

一方、賃貸住宅を選ぶ場合には、年齢を重ねてからの契約更新の可否、介護が必要になった時のリフォームの可否を確認する必要があります。年齢を重ねると収入面や健康面の懸念が大きくなることから、契約更新ができないケースもあります。また、リフォームについて、貸主の同意を得られない場合もあります。生涯にわたって家賃支払いを継続できるか否かも考慮して、慎重に検討を進めましょう。

新天地への移住は移住先の事前調査をしっかり行う

今まで住んだことがない新天地への移住なら、事前の移住先の調査をしっかり行うことが大切です。

50代からの住み替え先として、新天地を選ぶ人もいるかと思います。田舎暮らしへの憧れはもちろん、近年のコロナ禍によるリモートワークの普及もあり、都心から地方への移住を希望する人は多いでしょう。

しかし、憧れだけで移住した結果、想像以上の気温の変化、厳しさなどを後から知って後悔するケースもあります。

住んだことがない場所へ移住する際には、スーパーや病院など必要な生活施設があるか、周辺の環境の下調べを行うほか、さまざまなシーズンに、実際に現地に何度も足を運んで、体感しておくことが重要です。

将来的な介護の必要性・バリアフリーの重要性を認識する

長い老後を見据えて、将来的な介護の必要性・バリアフリーの重要性を認識したうえで、新居選び、あるいは新しい戸建ての設計を行うことが大切です。

厚生労働省が公開している日本人の平均余命がわかる令和3年の簡易生命表によると、50歳の平均余命は男性32.93年、女性38.61年です。つまり平均で男性は82.93歳、女性は88.61歳まで生きることが予測されます。寿命が延びることは大変喜ばしいことですが、一方で生きている間に介護が必要になる可能性があることにも目を向けておきましょう。

住み替えを成功させるための持ち家の取り扱い

ここからは、住み替えを成功させるための持ち家の、具体的な取り扱いについて解説していきます。

まずは現在の持ち家の査定を受けることが住み替えの第一歩

住み替えに際して、持ち家を売却する場合、まずは現在の家の不動産査定を受けることが、住み替えの第一歩となります。

インターネットの査定サービスや実際に不動産会社を訪問するなどして、複数の不動産会社に持ち家の査定依頼をしましょう。査定には過去の取引事例価格から概算価格をすぐに算出できる机上査定と、担当者が家を直接訪問して査定する訪問査定があります。住み替えが確定している場合は、まずは机上査定の結果をもとに、信頼できる不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。

査定結果によって、住み替え先の新居のために使用できるおおよその資金が把握できます。新居に使える資金が具体化することで、新居選びの基準ができるので次のステップに進むことができます。

賃貸に出すという選択肢もある

現在の持ち家がローンを完済している場合、その家を賃貸住宅として貸し出すという選択肢もあります。賃貸物件によって得られる不動産所得は、老後の生活を支える安定した収入源になる可能性があります。

ただし、持ち家を賃貸物件として貸し出すにあたっては、大きな前提として賃貸需要があるエリアかどうかの見極めも必要です。また賃貸に出す際には、下記のようなリスクがあることにも注意しておきましょう。

・空室リスク:入居者が見つからなければ、空室のまま固定資産税等の税金を支払い続けることになります。
・家賃滞納リスク:入居者が家賃を滞納するリスクがあります。
・入居者トラブルのリスク:近隣住民とのトラブル、ゴミ屋敷などの入居者によるトラブルが発生するリスクがあります。

このように、持ち家を賃貸住宅にする場合は、一つの事業としてやっていく覚悟が必要となります。また持ち家を賃貸に出す場合、売却収入が得られないため、住み替え先の購入費用は売却収入を考慮せず、資金計画を立てる必要があります。

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なかなか売却できないなら買取サービスの利用も検討

持ち家の売却が難航した場合には、不動産会社による買取サービスも検討してみましょう。買取サービスであれば、売却のためのリフォームや家財の整理が不要な場合もあるので、売却に伴う手間が少なくて済みます。

また、売却後の契約不適合責任を引き受ける必要もありませんし、引き渡し時期なども融通が利くため、住み替え先の住宅購入スケジュールの調整も図りやすいメリットもあります。ただし、仲介による売却価格と比較すると、低くなってしまう点が、唯一のデメリットといえます。

買取サービスは、不動産会社が買い取りするので売却先を探す手間も時間もかからず、スピーディな売却が可能です。住み替えの際に持ち家の売却が進まない時には、不動産会社による買取サービスの利用を検討してみましょう。

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まとめ

50代は、住み替えをするうえで十分な条件が整っているタイミングといえます。

一般的には収入にも余裕がある人が多い年代であるため、住宅ローンの審査についても、60代ほど厳しくないでしょう。とはいえ、住宅ローンを利用する場合は、老後の収支の変化も考慮して、上限いっぱいの金額ではなく、余裕を持った返済プランを立てる姿勢が大切です。

住み替え先については事前に十分話し合い、周辺環境についても事前の下調べもしっかりと行いましょう。住み替えは早めに行うことで、より良い条件で進めることができます。持ち家の売却が進まない時に備えて、買取サービスも視野に入れながら賢く住み替えを進めていきましょう。

監修者:キムラミキ

ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

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