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2022.11.22

マンション売却

マンション売却によくあるトラブルと回避方法

所有しているマンションを売却するなら、トラブルなくスムーズに進めたいものです。マンション売却を巡るトラブルはさまざまなケースがありますが、事前に対策を講じておくことで回避できるものもあります。この記事では、マンション売却を検討されている方に向けて、マンション売却を巡るよくあるトラブルについて説明した上で、トラブル回避の対策についてもご紹介します。

マンション売却によくあるトラブル~重要事項説明~

マンション売却によくあるトラブルの一つは、重要事項説明に関するものです。

重要事項説明とは

重要事項説明とは、高額な取引になる不動産売買において、買主の認識違いが生じないように、売買契約の前に行われるものです。重要事項説明では、物件についての事項(不動産の権利関係、私道、水道などのライフライン、法令による制限、管理委託先など)や取引についての事項(契約解除、違約金、契約不適合責任など)についての説明が不動産会社に義務付けられています。

しかし、説明が義務付けられているもの以外にも、売主として物件について気になることはあるかもしれません。その説明が不足、欠如していることによって、後々トラブルに発展し、中には裁判になるケースもあります。

物件自体のことや周辺環境のことなど、日々の生活の中で少しでも気になることは不動産会社と相談の上、重要事項説明書の「容認事項」に記載を加えておき、説明をしてもらうようにしておきましょう。

瑕疵担保責任から契約不適合責任へ

2020年の民法改正により、売主の瑕疵担保責任(売買の目的物に売主も知らない欠陥があった場合に売主が負う責任)の考え方が見直されました。

瑕疵担保責任の瑕疵(=欠陥)という言葉がわかりにくいため、売主の責任は「契約不適合責任」とされ、売買の目的物が契約の内容に適合しないと買主が主張した場合、以下の権利行使ができるものとされました。

【買主の権利】
①追完請求(目的物の修理請求、代替品の引渡請求)
②損害賠償請求
③代金減額請求
④契約解除

契約不適合責任は契約当事者が合意すれば免責とすることもできます。しかし、売主が知っている不具合について説明しないのは信義則に反します。また、民法改正前は、買主の権利は損害賠償請求と契約解除に限られていましたので「全部免責」とすることも可能でした。しかし、契約不適合責任となって買主の権利が細分化されたため、より細かく免責事項を定めておいた方がトラブル回避につながります。不動産会社と綿密に打ち合わせを行い、重要事項説明書の丁寧な作り込みを行いましょう。

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マンション売却によくあるトラブル~媒介契約~

マンション売却によくあるトラブルに、媒介契約を巡るものもあります。マンションの売却を不動産会社に依頼する際に、媒介契約を締結します。媒介契約には3つの類型があり、それぞれの類型によって不動産会社への依頼などの制限が異なります。

【媒介契約の3類型(不動産会社への依頼と自己発見の制限について)】
●一般媒介
他の不動産会社に重ねて依頼をすることも、自ら買主を探すことも可能。

●専任媒介
他の不動産会社に重ねて依頼することは不可。自ら買主を探すことは可能。

●専属専任媒介
他の不動産会社に重ねて依頼することも、自ら買主を探すことも不可。

特に専任媒介、専属専任媒介の場合、他の不動産会社に重ねて依頼することができない制限があるため、契約期間は3カ月以内と宅地建物取引業法に定められています。その後、同じ不動産会社に継続して依頼するときには契約更新も可能です。しかし、契約期間の制限があることを知らずに、マンション売却に不得手な不動産会社との媒介契約を継続し、一向に買主が見つからないということもあります。

また、一般媒介契約は他の不動産会社に重ねて依頼ができるわけですから、他の不動産会社に買主を見つけられてしまえば、不動産会社は報酬を得ることができません。そのため、あまり積極的に動いてもらえない可能性もあります。専任媒介や専属専任媒介には義務付けられている販売状況の報告義務も一般媒介契約にはなく、数多くの不動産会社に一般媒介契約で売却依頼をしても買主がすぐ見つかるとは限りません。

つまり、媒介契約を巡るトラブルとは、媒介契約の内容をよく理解していないために起こる売主と不動産会社間のトラブルです。このトラブルを回避するためには、各媒介契約の類型の概要や各不動産会社の強みを理解し、どの類型でどの不動産会社と媒介契約を締結するのかをよく考えることが大切になります。なお、積極的に広告を打ってもらいたいと考える場合には、別途広告料も必要である点についても知っておきましょう。

マンション売却によくあるトラブル~買主都合のキャンセル~

最後に、買主都合のキャンセルによるトラブルについてご説明します。買主と契約締結をしたものの、買主の都合によってキャンセルされるケースもあります。その理由には、「親族の反対」、「住宅ローンの審査不承認」などが挙げられます。

【親族の反対】
売買契約書には、解除についての事項が盛り込まれています。一般的には、手付解除(買主は手付金放棄、売主はその倍額を買主に提供して行う契約解除)となっているケースが多くなっています。

手付解除ができるのは、「相手方が契約の履行に着手する前」と民法に定められています。しかし、「契約の履行に着手する前」という曖昧な表現では、解釈の相違で「親族の反対」にあったからという買主都合のキャンセルに対応しきれず、トラブルになる可能性もあります。曖昧な表現ではなく、具体的にいつまでが解除可能なのかを明確に指定しておくとよいでしょう。

【住宅ローンの審査不承認】
住宅ローンを利用する買主との売買契約書には「住宅ローン特約」が盛り込まれてあるのが一般的です。住宅ローン特約とは住宅ローンの審査不承認が生じた場合、売買契約を白紙に戻すことができる特約です。

住宅ローンの審査不承認となれば仕方ないものの、売買契約からいつまで経っても住宅ローン審査に進めず、決済、引き渡しに至らないとなってしまっては売主としても困ってしまいます。この住宅ローン特約についても具体的な期日を決めておくとよいでしょう。

まとめ

マンション売却のトラブルは、今回ご説明した通り、買主とのトラブルだけとは限りません。売却活動のパートナーである不動産会社とのトラブル発生の可能性もあります。不動産会社はどこでも同じではありません。親身に相談に応じてくれる信頼できる不動産会社を選択することがマンション売却をスムーズに進める大きな鍵になります。信頼できる不動産会社と綿密な打ち合わせを行い、トラブルのない売却を進めていきましょう。

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