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2023.09.05

マンション売却

マンション買取

マンションの最上階は高く売れる?市場価値と高値売却のコツを解説

人気のあるマンション最上階の部屋の売却にも、注意しておきたい点があります。この記事では、これからマンション最上階の部屋の売却を検討されている方に向けて、最上階の部屋のメリット・デメリットについて解説したうえで、高く売却するコツについてお伝えします。

マンションの最上階の資産価値が高い理由

マンションの最上階の資産価値が高い理由について解説します。所有するマンションに該当するポイントがあるかを確認してみましょう。

眺望・日当たりが良い

最上階の部屋の大きなメリットとして、眺望・日当たりが良いことが挙げられます。 最上階の場合、周辺に大きなマンションが建っていない限り、常に良い眺めを楽しむことができます。海や山といった自然はもちろん、首都圏であれば富士山や東京スカイツリーなどのランドマークなど、その土地の美しい景色を遮蔽物なしに見晴らせることは、大きなポイントとなります。 また最上階は上階がないため、日当たりは抜群で、家庭菜園にも向いています。高い場所にあるため風通しもよく、カビが発生しにくい環境もメリットです。

上からの物音・騒音がない

最上階は上階がないため、上の階の生活音・騒音がなく快適に過ごせます。 マンションなどの集合住宅の場合、上階の子どもの足音や掃除機の音といった生活音はストレスになることも多く、深刻なケースでは裁判に発展することもあります。 また、地上からの距離もあるため、車やバイクが走行する音、通行人の声などの騒音も気にならないメリットがあります。

虫が入りにくい

マンションは階層が上がるほど虫が入りにくい傾向にあります。 ゴキブリは高層階であるほど発生しにくくなります。蚊の場合は自力で飛べる高さは地上10mくらいまでとされており、これはマンションの3階程度の高さになります。よって4階以上であれば蚊の心配はほとんどないといえるでしょう。 虫が苦手であるという人は多いので、虫が寄り付きにくいマンションの最上階の部屋は大きなアピールポイントとなります。

最上階の部屋というステータス

マンションは階層が高くなるほど売買価格も高くなり、最上階が最も高額になります。また最上階は戸数が少なく希少性があります。 最上階の部屋が最も高いことは広く周知されており、それが一種のステータスとなっています。他の部屋よりも希少性の高い部屋に住む優越感を得られることが、最上階が選ばれる大きな理由の一つとなっています。 また最上階というステータスから、築年数が経過した中古マンションとなっても値下がりしにくいという売却の際のメリットもあります。

防犯やプライバシーが確保しやすい

マンションは階層が上がるほどに不審者・犯罪者の侵入が難しくなり、最上階は、マンションの中で最も防犯性に優れているといえます。 警視庁の侵入窃盗の発生場所についてのデータによると、住宅における生じた侵入窃盗の件数割合は4階建て以上の共同住宅では最も低くなっています。最上階だから絶対安心とは言い切れませんが、安全性は高いと言えるでしょう。 また、最上階の部屋は、高い位置に部屋があるためプライバシー保護の面でも優れています。通行人や走行する車から部屋を覗かれることはありませんし、近隣住宅からの視線も入りづらい状況であるためプライバシーを保つことができます。

特別なスペースをアピールできる可能性がある

マンションによりますが、高層マンションの最上階には、ルーフバルコニー、ルーフテラスと言った特別なスペースや、他の階よりも広い間取りがある場合が多いでしょう。 これは隣の土地の日当たりを確保するための法律である「北側斜線制限」によって、斜めに一定の角度をつけて建物を建てる必要があり、最上階に設定できる住戸数に限りがあるからです。そのスペースの活用としてルーフバルコニーなどの特別なスペースの設置や広い間取りの設計となり、開放感のある快適な住まいの環境が生まれやすくなります。

マンションの最上階のデメリット

マンションの最上階のメリットは多いですが、次に挙げるようなデメリットもあります。それぞれのデメリットについて、所有するマンションにどのような対策が講じられているかを確認してみましょう。

夏場に冷房が効きにくい場合がある

最上階は日当たりが良いというメリットがある反面、日当たりが良すぎて夏は暑くなるというデメリットもあります。 最上階の部屋は上部に部屋がなく、外気に触れる面積が大きいことから、季節の影響を受けやすく、夏場は常にエアコンで冷房をかけるケースが多いといえます。 ただし、近年は断熱性の高い建材を使っていて、外気の影響を受けにくいマンションもあります。中古マンションの中でも築年数の古い高層マンションの方が、日当たりが強すぎるといった外気の影響を受けやすいといえます。 実際に暮らしてみた感覚を伝えることができるように、事前に整理されておくとよいでしょう。

エレベーターの待ち時間が長い

マンションの高層階の住民にとって大きな不満となるポイントが、エレベーターの待ち時間が長いことです。 エレベーターの待ち時間はマンションが高層であればあるほど長くなります。これは、地上からの距離はもちろん、途中の階での乗り降りによる停止時間があるためです。 特に通勤・通学の時間帯はエレベーターが混雑するため、数分の待ち時間が発生するマンションもあります。混雑を避けるため、マンションによっては複数のエレベーターを備えているケース、エレベーターが高層階用と低層階用に分けられて効率的に運用されているケースもあります。 所有するマンションにおいて、朝の通勤・通学の時間帯にどれくらい時間がかかるかを確認されておくとよいでしょう。

他の部屋よりも値段が高い

最上階は他の部屋よりも売買価格が高くなる傾向があります。それが一種のステータスになる一方で、購入希望者にとっては購入のハードルが高くなります。 つまり、他の部屋に比べて購入できる世帯が限られることになり、売却のチャンスが減ることにつながります。ただし、最上階の購入希望者層は比較的裕福な世帯が多く、価格よりも最上階というプレミア感や良い間取り、設備を重視する傾向にあります。 価格よりも最上階のステータスが欲しいと考える、購入希望者層に適した広告宣伝の戦略を不動産会社と一緒に考えておく必要があります。

災害の影響を強く受けやすい

万が一の災害時に、マンション最上階の部屋は影響を強く受けやすいというデメリットがあります。地震の際は、下層階よりも上層階が大きく揺れ、最上階は最も揺れが大きくなります。また火災の際は、煙は上に昇ってくるため、一酸化炭素中毒などのリスクが増します。 被災後に停電や断水が発生した場合は、電気が復旧するまで階段での昇り降りが必要です。最上階は地上までの距離が長く、さらに飲料水や荷物を運ぶ不便さもあり、生活が困難になる可能性があります。 所有するマンションが、地震の揺れに対してどのような構造(耐震、免震、制振)になっているかなど、地震に対してどのような備えや対策を講じているかを確認しておくとよいでしょう。

売れ残りやすい最上階の部屋の特徴

売れ残りやすい最上階の部屋には、以下のような特徴があります。

エレベーターがない

4階や5階といった低層マンションでは、エレベーターが設置されていない建物も多く存在します。 そのようなマンションの最上階の部屋は、移動の困難さが予測されるため、敬遠されて、売れ残りやすい傾向にあります。 ただし不便な点を踏まえた価格設定が行われるため、昇り降りを苦にしない若い世帯や最上階のメリットを享受しつつコストを抑えたい世帯向けのニーズは期待できます。

築年数が古い

最上階の部屋に限らず、築年数が経過しているマンションの部屋は売れ残りやすいといえます。 マンションは数十年に一度の定期的な大規模修繕が行われますが、築年数が経つごとに修繕すべき箇所が増えるため、それに伴い修繕積立金も増加する傾向にあります。

水圧が弱い

水圧の弱さが、マンションの売れ行きに影響する可能性があります。 給水方法が、高置水槽方式である場合、最上階の部屋は水圧が弱いケースがあります。 高置水槽方式とは、水道管から水を引いてマンションの屋上にある水槽に一旦貯めて、水槽から各部屋に給水する方法のことです。重力を利用して水に圧力をかけることから、水槽の位置が高くないと水圧が足りず、最上階の水の出が悪くなってしまいます。

最上階特有のメリットがない部屋

最上階特有のメリットがない部屋は売れ残ってしまう可能性が高くなる傾向にあります。 上述した通り、マンションの最上階には日当たりの良さ、眺望が良いといったたくさんのメリットがあります。そのメリットがあるからこそ、他の部屋よりも高額な販売価格であったとしても、購入希望者が出てきます。 しかし、全てのマンションの高層階が、日当たりが良い、眺望が良いわけではありません。隣地により高層のマンションがある場合は、眺めが悪くなったり、プライバシーの問題が出てきたりと、最上階特有のメリットがなくなる可能性もあります。

マンションの最上階を高く売却する方法

マンションの最上階の部屋は人気がありますが、高く売るためには、様々な工夫が必要です。ここからは、マンションの最上階を高く売却する方法について解説していきます。

価格上昇時に売却する

マンションの価格が上昇傾向にある時期は、マンションを高額で売却しやすくなります。 金融緩和政策による低金利により住宅ローンが組みやすくなったこともあり、2013年以降、日本のマンション価格は上昇を続けています。 不動産価格は市場の動きや社会情勢、景気など様々な要因によって上下するため、今後の不動産価格がどう動くかを正確に読み取ることはできません。そのためマンション売却は早めに販売活動を行うことが高く売るコツといえるでしょう。

築年数が浅い期間に売る

築年数が浅い時期に売却することで、高額でマンションを売却する可能性が高くなります。 マンションの価格は築年数が経つごとに下落していきます。最上階の部屋は、他の部屋に比べると価格の下落が少ない傾向にはあります。しかし、古くなるごとに価値が下がる事実は変わりません。特に築数年~10年といったいわゆる築浅のマンションの場合、新築よりは価格が手ごろになっている一方で、マンションの機能はそれほど落ちていないことから、人気が出る傾向にあります。

災害時の最上階の不安を解消する

最上階の部屋の購入を検討している人がもつ災害に対する不安を解消しましょう。 上述した通りマンション最上階の部屋は、災害の影響を強く受けやすい傾向にあります。 この不安を解消するために、耐震構造や耐火構造などの災害に対するマンション自体の耐久性、マンションや地域自治体の災害時対応マニュアルを提示する、売主個人としての災害の備えなど、様々な情報を提供することが重要です。

まとめ

最上階のマンションは売却する上で、日当たりや間取りが良い、虫がいない、防犯面で優れている、ステータスがある、など数多くのメリットが存在します。一方で価格が高額になりやすく購入層が限られてきますし、最上階のマンション特有の、デメリットも存在します。 最上階のマンションを高く売却するためには、最上階のメリットを前面に押し出したうえで、デメリットに対する不安を解消するための誠実な情報提供が大切です。 最上階は不動産業者による買い取りでも査定額が下がりにくいので、不動産売却の期間に限りがある場合や売却がスムーズにいかない場合は、買い取りを検討してみてもよいでしょう。

監修者:キムラミキ

ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

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