マンション買取を検討する際、気になるのが買取の見積もり(査定)の方法と相場です。ここでは、マンションの買取相場と、見積もりのやり方を知りたい人に向けて、買取のメリット・デメリットから、売却との違い、具体的な買取見積もりの依頼方法まで解説します。
マンション買取の概要と買取の相場価格
はじめに、マンション買取の概要と買取の相場価格について解説していきます。
マンションの買取とは
マンションの買取とは、仲介による一般の買主に向けた売却ではなく、専門の不動産業者にマンションを買い取ってもらう(業者に売却する)ことです。
不特定多数の顧客に対して販売活動を行う仲介と異なり、買主が不動産会社になる点が、買取の大きな特徴です。
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マンションの買取相場について
マンションの買取相場は、対象となるマンションの状態によります。基本的には買取による売却価格は、一般の買主に向けた売却より売却代金は下がります。マンションのエリアや条件によって売却価格が異なるため一概にはいえませんが、買取の相場価格は、市場相場の7~8割といわれています。
マンションの買取と仲介のメリット・デメリットの比較
ここでは、マンションの買取と仲介について、それぞれのメリット・デメリットを解説し、比較してみましょう。
マンション買取のメリット
マンション買取のメリットには、以下の5つが挙げられます。
①確実な売却が可能
業者が買主なので買主を探す必要がなく、スピーディに確実に売却できます。
②買取業者への直接売却の場合、仲介手数料が不要
仲介の場合、仲介手数料(上限:売買価格×3%+6万円+消費税)の支払いが必要です。買取業者への直接売却であれば、仲介手数料は発生しません。仲介を通して買取業者に売却する場合は、通常通り仲介手数料がかかります。
③手間がかからない
買取であれば、修繕やリフォームなしに、現状そのままで売却できます。また、売却活動が不要なので、居住中に都度購入希望者の見学対応をする必要がありません。
④周囲に知られずに売却可能
仲介ならインターネットや広告チラシなどで、マンション売却情報が広く知れ渡ります。買取なら周囲に知られずに売却が可能です。
⑤引き渡し時期など相談可能
仲介の場合、買主側の都合もあるため、引き渡し時期をずらすなど調整できないこともあります。買取なら、買主が不動産会社なので、引き渡し時期なども含めて柔軟な対応が期待できます。
マンション買取のデメリット
マンション買取のデメリットは、通常の売却に比べると売却価格は低くなる点です。マンションのエリアや立地や設備などの条件が異なるためケースによりますが、買取価格相場は仲介による一般の買主への売却価格の7〜8割程度といわれています。
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マンション仲介のメリット
マンション仲介のメリットは、買取に比べて売却価格が高くなることです。多くの場合、買取業者は、買取後に修繕やリフォームを施した上で再販するため、その分、買取価格が下がってしまうのはやむを得ないといえます。
マンション仲介のデメリット
マンション仲介のデメリットは、以下の通りです。
①いつ売れるかわからない
仲介による売却の場合、いつ売却できるかわからない点が大きなデメリットです。購入したい人が現れても、価格や条件面で折り合いがつかず、話が流れてしまうケースも多くあります。
②内覧対応が大変
仲介によるマンションの販売活動中は、購入検討者がマンションを内覧します。特に居住中のマンションを売却する場合、内覧対応のためのスケジュール調整、事前の清掃・整理整頓などを行うため、手間と時間がかかります。
③引き渡し時期などの調整が大変
マンションなど不動産売却の際、引っ越しの都合などで引き渡し時期の調整が必要なケースも多くあります。
仲介の場合、買主側も個人である場合が多く、買主側の都合で引き渡し時期を動かせないこともあります。仲介による売却の場合、業者による買取に比べると、柔軟な対応が期待できません。
マンション買取の見積もり依頼のコツとポイント
ここでは、マンション買取の見積もり依頼のコツとポイントについて解説します。一般的に不動産取引において、マンションを含む不動産の見積もりは「査定」、見積もり価格は「査定価格」といわれます。
マンション買取の流れ
一般的なマンション買取の流れは、以下の通りです。
①買取している不動産会社に査定依頼
買取を行っていない不動産会社も多くあります。必ず買取業務を行っている会社に、買取の査定依頼をしましょう。
②机上査定と訪問査定により買取価格がわかる
「机上査定」と「訪問査定」により、買取価格がわかります。
机上査定とは、そのマンションのエリア、築年数、間取り、設備および過去の取引事例などのデータから、おおよその査定金額を算出する査定のことです。データのみで机上計算で算出することから机上査定といわれます。
訪問査定は、机上査定のデータに加えて、担当者が現地訪問して実際の状況を確認した上で、最終的に算出した価格です。
仲介と異なる点は、仲介の査定価格は「このくらいで売れるだろう」という予測価格に過ぎませんが、買取の査定価格は、最終的な売却価格になる点です。
③売買契約
売主が買取価格に同意したら、買取業者と売買契約を結びます。
④引っ越し準備・引っ越し
居住中のマンションを売却する場合、マンションの引き渡しまでに、引っ越しの準備と引っ越しの手配を行う必要があります。引っ越しには思ったより手間と時間がかかるので、早め早めの準備が大切です。
⑤決済・引き渡し
マンションの決済後に、引き渡しが行われて、マンションの買取による売却は完了です。
マンションを売却するか未定なら匿名査定もある
まだマンションを売ると決まっていない段階なら、「匿名査定」で相場を知ることもできます。匿名査定とは、具体的な氏名や連絡先、詳細な住所を示さずに、匿名で査定を受けることです。匿名査定なら、誰にも知られることなく、おおまかな査定金額を知ることができます。
しかし、もしマンションを売ることが決まっているなら、通常の査定依頼をして現地査定したほうがよいでしょう。
売却か買取か迷っているなら買取保証付き仲介という選択肢もある
買取業者の中には、「買取保証付き仲介」というサービスを行っている会社もあります。買取保証とは、仲介と買取を合わせたようなサービスで、買取業者が仲介と買取を担当します。具体的には、一定期間、仲介による一般の買主に向けた売却活動を行い、一定期間後に売れていなければ、買取会社が買取を行います。
売却したい期限があるが、仲介による可能性を探りたい人にとってはおすすめのサービスです。ただし、不動産会社によって実施していないこと、全てのマンションで活用できるわけではない点に留意しましょう。
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まとめ
マンション買取の特徴は、確実に素早く売却できる、仲介手数料無料などメリットが多いですが、一般的に仲介より売却価格が低くなるというデメリットもあります。
マンションなど不動産の見積もりは査定と呼ばれ、机上査定と訪問査定があります。仲介か買取かで迷っているなら、買取保証付き仲介の会社を探すのもよいでしょう。本記事がマンションの買取見積もりの際の参考になれば幸いです。
監修者:キムラミキ
ファイナンシャルプランナー(AFP)宅地建物取引士 社会福祉士 キャリアコンサルタント
日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けするほか、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。